経団連「地域協創アクション・プログラム」とは?取り組み・事例集を紹介

2021年11月に経団連から「地域協創アクション・プログラム」が発表されました。

コロナにより良くも悪くも人々の生活が変わった今、各地域もそのあり方を変えることを求められています。そこで、今回は「地域協創アクション・プログラム」が目指すものについてご紹介します。

ぜひ、新たな時代を生き抜くための参考にしてみてください。

経団連「地域協創アクション・プログラム」とは

新型コロナを通じて普及したリモートワークや、サステナブルな社会の構築に関する世界的な機運の高まりなどが影響し、人々の目が地方へ向けられるようになりました。そうした社会変化の兆しを活かして地域を活性化させる取り組みが「地域協創アクション・プログラム」です。

地元内発型・未来価値の創造・持続可能性・広域的な協創を基本理念として、様々な課題を克服し持続可能な社会を構築していくことを目指しています。

新しい協創で「人を惹きつける地域」を作る

2020年11月に公表した「with/postコロナの地方活性化 -東京圏から地方への人の流れの創出に向けて-」において、経団連は人を引き付ける地域づくりが重要であると訴えています。

そして、そのために重要となるのが「協創」です。企業単体や自治体だけでは出来ることは限られていますが、大学や観光産業団体、文化・芸術・スポーツ関連団体、農林漁業産業、経済団体などといったさまざまな企業・団体が協力して価値を創出することで、より自由で魅力的な地域づくりを目指すことができます。

経団連会員企業・団体はこの協創による地域活性を実現すべく、「住む」「働く」「育む」「交わる」の4つの視点から様々な取り組みを行っています。

1.「住む」

  • サービス・インフラの整備
  • データをもとにした街づくり
  • 移動支援や防災・減災
  • エネルギーの効率化

2.「働く」

  • 地元企業への支援
  • 地場産業への支援
  • 新産業の振興、および雇用創出

3.「育む」

  • 健康増進
  • 人材育成
  • オンライン教育支援

4.「交わる」

  • 関係人口の創出、および拡大
  • 交流人口の創出、および拡大

「災害に負けない」持続可能な地域社会

国連が掲げる「SDGs(持続可能な開発目標)」において災害に強い街づくりが重要な目標として挙げられているように、地域が持続的に発展し、人々が継続して暮らしていくためには、災害に強い街づくりが重要となります。災害の多い日本では特に重要と言えるでしょう。

継続的に価値が生み出されるエコシステムの構築、各種インフラ整備、医療・介護・育児問題への取り組みなどを行い、国に頼り切りにならない環境を目指します。

「地域協創事例集」からアイデアを得よう

経団連は「地域協創事例集」も発表しており、そこから各地域がアイデアを得たりノウハウを共有することを望んでいます。地方自治体が参考にできるアイデアを探してみましょう。

富士通×大分県

大分県は富士通と移住・ワーケーション協定の締結を行い、「住む」「働く」「交わる」の視点から県内におけるさまざまな課題・問題の解決に取り組んでいます。

主な取り組みとしては、ワーケーション推進による関係人口の創出・拡大、移住を伴う遠隔勤務の推進、富士通が有するICTノウハウ・スキル等を用いた地域活性化への貢献などが挙げられます。

サントリー東北サンさんプロジェクト

サントリーは岩手県・宮城県・福島県と連携して「サントリー東北さんプロジェクト」を発足。「育む」の視点から総額108億円規模の東北復興支援を行っています。

主な取り組みとしては、奨学金等の子供支援、チャレンジド・スポーツの育成および普及、文化・芸術・スポーツ活動支援、漁業復興のための寄付などを行っています。

地方自治体が「地域協創アクション・プログラム」に協力するために

単に地域協創アクション・プログラムの名を借りるだけで終わってしまわないように、プログラムへの協力に際しては「基本理念の理解」と「地域鏡事例集」の確認が重要です。

基本理念を土台にした地域活性化を

地域活性に本気で取り組むのであれば、まずは地域協創アクション・プログラムの基本理念である地元内発型・未来価値の創造・持続可能性・広域的な協創を理解することが大切。

そのうえで、「住む」「働く」「育む」「交わる」の視点から、今後の地方自治体の目指すべき形を考えることで、自分の住む自治体に足りないものが何なのか、そしてどうすれば持続的な地域社会を作れるのか、具体策が見えてくるはずです。

もちろん、自分たちだけでは課題も具体策も見つからないということもあるでしょう。そんなときには、まずはここから「協創」をはじめていきましょう。

地域の学校機関や各分野の団体、企業、自治体などと一丸となって地域の問題を洗い出し、解決策を導き出していってください。

「地域協創事例集」から応用できそうなアイデアを探す

地域協創アクション・プログラムには「地域鏡事例集」として様々な地域の取り組みが公表されています。地域性や目標が似ている事例を見つけることができれば参考にできるはずです。

場合によっては実際に取り組みを行っている自治体や企業、団体などを視察したりアドバイスをもらったりするのも良いでしょう。当事者の生の声を聞くことで、より具体的なイメージを作ることができます。

地域資源を活かした観光を協創

地域協創アクション・プログラムにおいては「新たな仕事の機会を生み出し続ける」ことを非常に重要な要素として位置づけています。そして、そのためには「観光や農林水産などの地域資源を生かした基幹産業を協創することが大切である」と述べています。

観光客はなぜそこへやってくるのかといえば、その地域ならではの特別を体験したいからです。ですから、単に他の成功例をそのまま真似るのではなく、地域の魅力を見つけ出し、あるいは作り出し、それを活かして観光客を誘致することも大切です。

新型コロナの危険度が2類相当から5類へ格下げされることが検討されるなど、段々とコロナ禍にも終わりが見えてきました。今後拡大するインバウンドを見据え、国内だけではなく国外からの観光客についても視野に入れながらアイディア練ることも重要かもしれません。

まとめ

コロナや自然災害は地域活性化に取り組む自治体・団体に良い意味でも悪い意味でも影響を与えています。大きな変革を求められる時代の流れに取り残されないためにも、想定外の事態にも対処できる自立した地域に作り変えることが大切です。

今こそ「地域協創アクションプログラム」について理解を深め、「地域協創」をキーワードに人・物・金・情報を活用して価値を作り出す体制を構築していきませんか。

翻訳市場調査などの「外国語サポート」が必要な方は、
ぜひ「アットグローバル」にご相談ください。
見積もりやご相談は完全に無料です。こちら からどうぞ!