ウェブインバウンド動画・関東編【2020年版】  

インバウンド需要,外国人向けウェブインバウンド動画

いまは苦しいインバウンド事情ですが、コロナが落ち着いてくれば、インバウンド需要はゆっくりと確実に復活してきます。今はその時に備えた「種まきの時期」です。「今年、日本に行きたかったのになあ」「落ち着いたら、いずれ必ずまた日本へ行きたい」と、パソコンやスマホで日本の観光情報を検索している世界の旅行者に向けて、ウェブインバウンド動画を配信していきましょう。ストラテでは全国各地のインバウンド動画をご紹介していきます。今回は関東編です。

関東を訪問する訪日外国人

観光庁が発表した2019年訪日外国人消費動向調査によると、関東地区の訪日外国人数は次の通りです。

エリアでの順位全国での順位都県名訪日外国人数
1位全国1位東京都1410.3万人
2位全国3位千葉県1048.5万人
3位全国9位神奈川県234.0万人
4位全国21位栃木県38.4万人
5位全国24位埼玉県31.7万人
6位全国30位茨城県26.7万人
7位全国36位群馬県16.3万人

圧倒的に東京が一番です。2位の千葉は東京ディズニーリゾートに、4位の栃木県は日光に多くの訪日外国人が訪れていると推測されています。

東京都

東京都観光のプロモーションビデオは、30秒~1分ほどの短いものが多いです。もう少し長い尺でもいいような気がしますが、世界有数の大都市のスピード感は出ています。

おしゃれです。「TOKYO」というブランドを全面に出してきていますね。世界の旅行者が憧れる甲冑や着物、B級グルメ。近未来を思わせる大都会にいながら、歴史文化の体験がたっぷりできるという東京観光の魅力をコンパクトにわかりやすく訴えています。

外国人に人気の食品サンプルづくりの体験工房です。食品サンプルは外国人観光客に大人気で、おみやげにする人も多いです。

千葉

チーバくんと中国人女子が、楽しそうに銚子や佐倉などの街を歩きます。見ているだけでウキウキする、なかなかいい動画です。日本のゆるキャラは、外国人にとっても大きな魅力があるので、こうやって動くチーバくんを全面に出すのはかなり効果的でしょう。

全編、中国繁体字で構成されていて、アジアの旅行者を千葉に取り込むための工夫がされています。もう4年たつので、ぜひ新作を期待したいところです。

こちらは千葉市が制作したプロモーションビデオです。千葉市長自ら、冒頭、英語で歓迎のご挨拶をしています。インバウンド動画で、自治体の首長が英語で語りかけるのは珍しく、大事なポイントです。簡単な内容でいいので、こうした英語メッセージがあると、旅行者のモチベーションは上がります。

米国のヒスパニックの方々や南米の方々など、世界のスペイン語圏で日本への旅行の人気は高まっているので、このモデルさんの起用も効果的ですね。

神奈川県

オーソドックスに英語でまとめた横浜市のビデオです。赤れんが倉庫、ジャズクラブなど、おしゃれで国際的な海洋都市の雰囲気をよく表現しています。「カップヌードルミュージアム(みなとみらい地区)がとてもよかった」「いいビデオ、いい情報」など、外国人の方々が寄せたコメント欄を見ても好評です。確かに情報は最先端の横浜観光を紹介していますし、知的な雰囲気なので、東京の喧騒を離れてちょっとゆっくりジャズでも聴きたいリピーター観光客の目をひくことでしょう。

こちらは神奈川県のビデオです。箱根や鎌倉、夜はイルミネーションで輝く江の島や小田原城を、「東京の南側」という切り口で訪日外国人にプロモーションしているようです。

栃木県

栃木県のビデオはクオリティーが高い!

栃木県が制作したビデオです。クオリティの高さが好評で、視聴した外国人の方々は「これまで見た動画で一番すてき」「音楽もいい」「アニメだけじゃない日本の魅力がよく分かった。日本の地理的な魅力、文化の魅力を堪能できた」と絶賛してくれています。

巫女さんの舞、勇壮な華厳の滝、かっこいい武士が竹林の中で刀裁きを見せる。これが、外国人観光客が求める「日本」なのです。

こちらは、日光市観光協会のビデオです。日光の自然のすばらしさを全面に出しています。日光杉並木、霧降高原でのトレッキング、鬼怒川でのラフティング、夏の龍王祭と花火。こちらも高いクオリティーです。

埼玉県

川越市が制作した動画です。東京からわずか30分でフィジカルに江戸体験ができます、というコンセプトです。

インドネシアの留学生に協力してもらい、時の鐘、蔵造りの町並み、菓子屋横丁といった小江戸の名所を紹介、浴衣で旧山崎家別邸も訪れました。インドネシア語だけでなく、英語の字幕もあるので、東南アジアのムスリムの方々だけでなく、世界の旅行者にとっても魅力ある内容となっています。

 

2020北関東インバウンドアワードの動画部門グランプリ作品です。こちらは自治体制作の動画ではなく、奥秩父の旅館業「秩父西谷津温泉旅館宮本荘グループ」が制作したものですが、とても参考になると思います。世界の旅行者に大人気の相撲をテーマにしました。

この老舗旅館「宮本荘」のご主人は、12代目の宮本一輝さん。2012年にけがのために相撲界を引退し、その後は家業に専念しておられます。本物のお相撲さんが経営する宿の魅力を表現しています。相撲の土俵を思わせるつくりの露天風呂や、奥秩父の自然の恵みを炉端焼きにした夕食など、「わざわざここに来たい」と思わせる盛りだくさんのコンテンツです。

「本物」の日本の伝統文化を体験したい、と考えている外国人観光客はとても多いのです。

茨城県

大洗町の制作したビデオです。まず冒頭に地図を使って東京や成田からの位置関係を説明していて、北関東に関して知識が少ない世界の旅行者にとって親切なつくりになっています。自然やあんこう鍋などを紹介してバランスの取れた内容だと思います。

太平洋の美しい雄大な海岸線、漁村ならではの海鮮グルメを紹介しています。特に、岩が切り立つ荒々しい海岸の突端で波に洗われる大洗磯前神社の鳥居は、外国人観光客のこころをとらえるでしょう。広島の宮島が外国人にとても人気ですが、水辺の聖域、というのは、なんとも魅力があるものです。

茨城県の公式動画として、Vチューバ―の「茨ひより」が英語字幕付きで茨城県を紹介しています。

以前、ストラテの記事 【関東地方編】観光PR動画まとめ でも紹介した「いばキラTV」です。ポップでかわいい日本を表現しています。途中まで英語でがんばっていたひよりさんが、「わたしの英語力では・・・」と日本語に戻ってしまうのですが、どうせなら最後まで英語で通してはいかがでしょうか。外国人の視聴者も「もっと英語で見たい」というコメントを寄せています。

群馬県

草津温泉観光協会の制作したビデオです。2019年「北関東インバウンドアワード」の観光地の観光PR英語動画部門でグランプリを獲った作品です。旅人が温泉と自然、土地の人々に癒されていく、ストーリー仕立てになっています。

新宿バスタからの行き方、着いたらまず湯畑に行って、という観光ガイドも盛られています。自然の美しさがよく表現されていて、外国人視聴者からのコメントはとても好評。「ハネムーンで草津に行った」という外国人旅行者は、浴衣姿で街を歩けることに興味深々だったようです。

群馬県の制作したビデオです。群馬の温泉とアクティビティを30秒ほどにまとめています。

谷川岳や尾瀬国立公園など、群馬県が誇る雄大な自然を、美しい映像でコンパクトにまとめています。群馬県の東京からの位置関係や、群馬の特長を説明してあげると、知識の少ない外国人観光客にとってはありがたいかもしれません。

まとめ

外国語のインバウンド動画を制作するには手間がかかるのも事実です。沢山ある自治体もあれば、探すのに苦労したり、5年前に作ったまま、ということもありました。それでもPRの第一歩は「知ってもらう事」です。youtubeで英語のタイトルにすることで、英語の検索に対応できますし、いま、世界中で、日本への旅行を考えている人に、ビジュアルで訴えることができます。

こうした動画や施設、ホームページを多言語対応にしたり、Wi-Fiを整備したりして、インバウンドの種をまき、近い将来、また多くの観光客を迎え、大きな花を咲かせたいものです。

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