ウェブインバウンド動画・九州沖縄編【2020年版】

インバウンド需要, 外国人向けウェブインバウンド動画

コロナが収束した後、インバウンド需要はゆっくりと確実に復活してきます。今はその時に備えた「種まきの時期」です。そのための一つの方法として「ウェブインバウンド動画の配信」が挙げられます。そこで、ストラテでは全国各地のウェブインバウンド動画をご紹介していきます。今回は九州・沖縄編です。

九州を訪問する訪日外国人の情報

観光庁が発表した2019年の「訪日外国人消費動向調査」によると、九州の訪日外国人数は以下の表のとおりになっています。

エリアでの順位全国順位県名訪日外国人数(万人)
全国7位福岡県259.5万人
全国10位沖縄県182.7万人
全国14位大分県98.7万人
全国19位熊本県57.8万人
全国20位長崎県44.6万人
全国25位鹿児島県31.3万人
全国29位佐賀県28.0万人
全国37位宮崎県15.5万人
観光庁:「訪日外国人消費動向調査」より引用

九州は人気・不人気の県が明確に分かれている事がわかります。残念ながら宮崎県の少なさが目立っており、最も人気のある福岡県と比べると16倍以上の開きがあります。

福岡や沖縄には日本トップクラスの利用客数を誇る空港が存在することを考慮すべきですが、まだまだ伸びしろがありそうです。

福岡県

こちらは中国向けに日本関連の動画を投稿している「貝遊日本」というYou Tubeチャンネルにて公開されている福岡県のPR動画。福岡県の関連団体が「阿貝(Pui)」さんを招へいして、旅を動画にしてもらったものです。

県が直接制作するのではなく、すでにファンを獲得しているyoutuberやインフルエンサーに動画を作ってもらうこの方法は、ターゲット層に効率良くPRできる方法として近年注目を集めています。ただし、どうしても単発になりがちなので、他の方法での継続的なPRも重要です。

続いては柳川フィルムコミッションが公開している、柳川市のPR動画です。PR動画のためだけに結成されたアイドルユニット「さげもんガールズ」を全面に出しながら、柳川市の様々なスポットを紹介していく作りになっています。ちなみに、「さげもんガールズ」は今やドラマなどでお馴染みの「今田美桜」さんが在籍していたことで知られており、このPVにも出演しています。

行政が制作したPR動画としては秀逸な出来で、映像業界内でも評価が高い作品とのことです。事実、PR動画は累計で100万回を超えるなど大成功しています。ただし、タイトルが日本語なのが玉に瑕。英語タイトルを併記するなどしていれば、もっと再生回数は伸びていたことでしょう。

沖縄県

こちらは沖縄県と沖縄観光コンベンションビューローによる宮古島PR動画。潮風を思わせる爽やかな音楽に乗せて、宮古島の美しい海の景色や人気のレジャーを紹介しています。思わず「行ってみたいな」とつぶやいてしまう、魅力的な動画に仕上がっています。

続いては2014年に制作された、インバウンド動画としては異色のリアリティーショー形式のシリーズ「OKINAWA: A Journey of Discovery」をご紹介します。世界各地から来た7人の男女+ホスト役の8人が、それぞれのミッションを行ないながら沖縄の人々や文化、音楽と触れ合っていくというもので、エピソード1から10まで全部見ると75分というボリュームになっています。

動画公開からたった半年でシリーズ総再生数が約190万回を記録するなど人気を博し、大成功に終わりました。その成功を物語るように、2014年に沖縄へ訪れた外国人旅客の数は前年比で165%を達成。さらに、トラベラーズチョイスアワードの「人気急上昇中の世界の観光地トップ10」部門において、沖縄が6位にランクインしました。

大分県

こちらは国東半島の魅力を伝えるべく、国東市と豊後高田市が共同で制作したPR動画です。シリーズ化しており、今回ご紹介しているものはシリーズ1本目に当たります。国東半島の美しい風景や文化、行事、人々の生活などにフィーチャーしています。再生回数は約2万4千回となっており、PR動画としてはそこそこ成功していると言えるでしょう。

次は由布院温泉で有名な由布市が制作したPR動画です。由布院温泉の魅力や魅力的な由布の風景が詰まった動画になっています。しかし、再生回数は300回と非常に少なく、伸び悩んでいます。もう少し地域情報やアクセス情報を盛り込んだ動画にすると、視聴者にとって有益な動画になるように思えます。今後に期待したい、惜しい動画と言えるでしょう。

熊本県

まずご紹介するのは上天草市と、劇場版アニメ「弱虫ペダル」のコラボ作品です。舞台となった上天草市とアニメ映像の両方が使われおり、いわゆる「聖地巡礼」目当ての観光をターゲットにした作りになっています。

ただ、原作ファンなら思わず心躍る動画ですが、それ以外の人にはあまり魅力の感じられない動画であることは否めません。また、英語バージョンをうたっている割には、動画のタイトルが日本語表記になったままである点など、少し残念な部分もあります。再生回数も約800回と伸び悩んでいますが、タイトルを日本語と英語で併記すればもう少し伸びるように思えます。

続いて、熊本県北観光協議会が制作したPR動画で、日本語のナレーションに中国語繁体字のテロップを追加した作りになっています。映像を使いまわしてテロップで多言語対応している動画ですが、日本語をそのまま翻訳したものが外国人のハートに伝わるか、というとなかなか難しい部分があるのではないでしょうか。

また、動画で紹介している映像も、他の場所にもありそうなものが多く、熊本ならではの魅力が伝えきれていないように思いえます。それを物語るように、2年前に投稿された動画にも関わらず、再生回数は約190回と非常に低い数字となっています。今後の工夫に期待したいところですね。

長崎県

こちらは平戸市が制作したPR動画。日本の最西端に位置する平戸市は、古くから海外との貿易が盛んな街でした。中でもオランダとの交流が深かったことから、日本とオランダの文化が入り混じった独特の雰囲気が魅力的な街です。この動画では、そういった歴史を追うとともに、自慢の海の幸などについても紹介しています。

動画の作りが秀逸で、非常に見やすい動画に仕上がっています。自分たちの武器をしっかりと把握し、それを視聴者にわかりやすく伝えることを意識していることが感じられます。動画の再生回数も9万3千回以上を記録しており、PRとして成功していると言えるでしょう。一方で、海外向けの動画なのにも関わらず、タイトルや概要欄が日本語のままなのは残念なポイントです。

佐世保観光コンベンション協会が制作したPR動画です。佐世保の海に広がるリアス式海岸と、周囲に点在する208もの小島で構成される「九十九島」の雄大な風景が印象的です。他にも様々なスポットを巡りつつ、佐世保ならではの街並みや文化、人気のグルメなどの紹介も盛り込まれています。再生回数も6万7千回と上々で、素晴らしいPR動画に仕上がっています。

鹿児島県

霧島温泉旅館組合が制作したPR動画。霧島温泉の魅力を一風変わったギャグ仕立てで紹介しています。クスリと笑ってしまいそうな作りになっている一方で内容はしっかりとしており、温泉マナーなどの実用的な情報も盛り込まれています。ただ一つ惜しいのは、タイトルは中国語と英語で併記されているにも関わらず、動画の内容は英語のみであること。せっかくですから、中国語の字幕も追加してほしいところです。

続いては鹿児島県が制作したPR動画です。桜島をバックにしたストーリー仕立ての作品で、思わず最後まで見たくなる素晴らしい出来の動画になっています。始まってすぐに流れる夕暮れの海と遊覧船、どこか哀愁を感じさせる音楽、そして少し間を置いてから始まる「私」の語りに思わず引き込まれます。動画の出来を物語るように、再生回数も40万回以上と高い数字を記録しています。

佐賀県

まずは佐賀市が制作したPR動画で、地方自治体のPR動画としては異例の2,130万再生を誇ります。コメント数も非常に多く、また英語や中国語で書き込まれたものも多いことから、国内外問わず多くの国の方から視聴してもらっていることが窺えます。

気球に乗って佐賀の広大な風景を一望するところから始まり、佐賀各地の魅力的なスポットを巡る内容になっています。佐賀の名産である佐賀牛や水路を和船で巡る和船体験、備前びーどろ、神社、民俗館、温泉など、様々な佐賀の魅力を詰め込まれており、つい「良いところだなぁ」と漏らしてしまうような動画です。しかも、動画は4K(Ultra HD)に対応しているのも素晴らしいポイント。せっかくの美しい風景は美しい画質で見たいですよね。訪日外国人旅行客数で苦戦する佐賀県ですから、こういった動画の存在は大きな力になることでしょう。

続いては有田焼の里として有名な有田町が制作したPR動画。フラワーアーティストとして知られるニコライ・バーグマン氏が、ヨーロッパ人の密かな楽しみをテーマに有田町のモノ・コトをドラマチックに切り取った動画となっています。

再生回数は約1,000回ほどと振るいませんが、有田焼や有田の街の魅力が十分に伝わってきますし、動画の雰囲気もとても良く仕上がっています。

宮崎県

まずは、みやざき観光コンベンション協会が「日本のひなた宮崎県」キャンペーンの一環として制作したPR動画。再生回数は100万回を超えており、またコメントも国内外問わずたくさん寄せられており、地方自治体のPR動画としては大成功の部類に入るでしょう。

高千穂峡や青島などの絶景を、幻想的で心躍る音楽とともに4K画質で届けています。特に、オープニング部の高千穂峡の風景は圧巻で、異世界に迷い込んだかのような幻想的なその光景に思わず心を奪われてしまいます。ほかにも、宮崎の古い町並みや現地のグルメ、魅力的なアクティビティなども紹介されており、非常に質の高い作品です。

続いては小林市が制作したPR動画。霧島連山や三之宮峡を始めとする豊かな自然と、それに調和する町並みや神社の様子、特産の果物や料理など、市内の魅力を効果的にまとめています。しかも、こちらの動画も4Kなので、素晴らしい風景を高精細な映像で鑑賞することができます。再生数も動画の質に比例するように高く、市単体のPR動画としては驚異の490万回以上の再生数を誇っています。コメントはほとんどが海外からのものなので、ウェブインバウンド動画としては大成功と言っていいでしょう。

まとめ

コロナ収束後の世界では、再びインバウンド需要が増えることは間違いありません。しかし、魅力的な土地であることを知ってもらわなければ、観光客は来ることは出来ません。まずは地道に「アピールし続ける事」が大切です。そして、そのためにはyoutubeなどに定期的に映像をアップして、見てもらう機会を広げることが欠かせません。

前述した佐賀市の動画の場合、事業予算を10だとすると、制作費3・広告宣伝費6・諸経費1の割合で配分したとのこと。つまり、映像を作る費用よりも映像を知ってもらうための費用を多く充てたということです。その結果、多くの人に「saga」をアピールすることが出来ました。

今はSNSで情報が拡散する時代です。デジタルマーケティングを知りぬくことで、自分の地域や施設をPRしていきましょう。

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