東南アジアアップデート2020「第1回・カンボジア」

カンボジア

はじめに

「CLM諸国」として注目され始めている「カンボジア・ラオス・ミャンマー」

「CLM諸国」とは、この3カ国の頭文字からとられています。東南アジアアップデート2020シリーズの第1回は、「カンボジア」について取り上げます。

現在、1万5000人のカンボジア人が日本に在住しています。(2019年12月・法務省調べ)多くの人にとって“内戦”や“遺跡の国”というイメージが強いかもしれませんが、カンボジアの近年の経済発展は目覚ましいものがあります。今後の経済発展が期待できる国の一つです。

カンボジアの概要

カンボジアのサマリー

国名カンボジア王国
首都プノンペン
人口1,620万人(2018年)
民族構成クメール人 (97.6%)、チャム族 (1.2%)、ベトナム人 (0.1%)、その他 (0.6%) (2013年)
国土面積181,035平方キロメートル (日本の約1/2) 
通貨リエル(KHR)*1リエル≒0.026円、1円≒38.97リエル(2020年11月ストラテ調べ)
公用語クメール語 (他、 チャム語・英語・フランス語)
労働人口約1,000万人
識字率77.9%(25-64歳)
最低賃金月182米ドル
GDP成長率9.8%(2009-2018年平均)
出典:東京都中小企業振興公社

カンボジアの現状

カンボジアの近年のGDP成長率は高く、国民の生活は豊かになってきています。

賃金の上昇とともに生活レベルが上がり、購買力が高まっています。カンボジアは、外国人事業の参入に対してオープンです。経済都市には空港があり、東京−プノンペン間には直行便が運行しています(コロナ禍で運休中)。

しかし経済成長の裏には、いくつかの課題も残されています。

例えば賃金が上昇し続けていること、労働者不足、電力の供給が不安定で料金も高いこと、製造業に必要な原材料を輸入に頼っていること、鉄道の改正計画が進んでいないことなどです。

カンボジアの社会情勢

労働力と雇用

カンボジアの労働人口は、約1,000万人です。

今後はもっと増加し、2040年には1,380万人に達すると予測されています。ですが、隣国のタイと比べると、労働人口は多いとはいえない状況です。カンボジアの失業率は年々下がっていますが、まだまだ最低賃金が低いので、外国(主にタイ)に出稼ぎに行くケースが多いようです。タイの最低賃金はカンボジアよりもかなり高いため、カンボジアの労働者が外国に流出してしまっています。

カンボジア政府は国内の労働者不足を懸念していますが、この問題を解消するためには、収入の高い産業(重工業など)を強めていくことが必要であると考えられています。現在、IT・ホスピタリティ・繊維などの産業における労働者不足(特に「熟練者」)が課題となっています。

賃金と経済環境

カンボジアの最低賃金の平均成長率は9.2%で、隣国ベトナムと同程度です。

カンボジアの経済成長の一端を担っている繊維産業は、労働者の最低賃金の引き上げを要求しています。カンボジアのGDPの平均成長率は、9.8%です。これは、隣国タイの平均成長率6%と比べると高い数値が出ています。


出典元:東京都中小企業振興公社

産業別GDPでは、最も多いのは第三次産業(41.9%)で、次に第二次産業(32.8%)です。今後の成長が見込まれています。


出典元:東京都中小企業振興公社

第一次産業:農業・漁業・林業など
 第二次産業:鉱業・製造業・エネルギー生産・建設業など
 第三次産業:通信・運輸・製造業・政府活動など

インフラ

カンボジアのインフラは、中国企業の支援を受けています。

「みずほ総研」のレポートによると、2010年代半ば以降、中国企業によるカンボジアへの投資が急速に拡大しました。その要因の一つは、中国の「一帯一路」政策です。

2018年には、中国企業主導で、カンボジア最大の水力発電所(国内電力の20%を供給可能)が建設されました。2019年に、カンボジア初となる高速道路建設(プノンペン郊外・シアヌークビル間190km)が着工され、2023年に完成予定です。

空路については、2014年にカンボジア・バイヨン航空、2017年にランメイ航空、JCインターナショナル航空が設立され、カンボジア−中国全土間の航路が開設されました。これにより中国人が急増し、カンボジアを訪れる外国人の3割以上を占めています。

カンボジアのデジタル事情

カンボジアの通信事情

カンボジアのスマートフォン普及率は、128%にも上ります。国民1人あたり、1台以上を保有していることになります。

カンボジアのインターネット普及率は、58%です。半数以上の人たちが利用しています。

カンボジアのSNS事情

カンボジアのSNS利用者は、970万人です。これは、人口の58%を占めており、この1年間でユーザーが17%も増加しました。

Facebook利用者は、920万人です。(アカウント数ではない)また13歳以上の利用者は、76%となっています。

Instagramの利用者は、61万人です。(アカウント数ではない)

Twitterの利用者は、27万人です。(アカウント数ではない)

カンボジアのSNS利用者は、圧倒的にFacebookが多いことが分かりますね。

カンボジアのオンラインショッピング事情

カンボジアでは、銀行口座を持っている人は18%、クレジットカード所有者は0.6%、電子マネーアカウント所有率は5.7%、オンラインショッピング経験者は3.8%です。現状、オンラインショッピングの利用者は少ないようです。今後に期待できるでしょう。

まとめ

カンボジアは中国の支援により経済成長しているのですが、日本との関係を非常に重視しています。

一例として、カンボジアの紙幣(500リエル)には、日本のODA援助によって「きずな橋」「つばさ橋」、「日本国旗」、「トヨタ・日産の車」が描かれています。詳しい内容は「カンボジア紙幣に秘められた日本との絆 | ウーマンエキサイト記事」で見ることができます。

カンボジアはスマートフォンの普及率が高く、SNS利用者は今後もっと増えてゆくでしょう。今、カンボジア向けのプロモーションをお考えでしたら、SNSを利用した広告掲載を行うことが効果的といえるでしょう。カンボジアは、今後の成長を見込める国です。

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