【2021年最新版】フィリピンのSNS事情/デジタルマーケティングお役立ち情報

フィリピン

ワクチン接種が各国で始まり、国内の製薬メーカーも来年にはワクチンの大量生産を行うと宣言するなど、コロナの収束が現実的になってきました。アフターコロナに向けて、諸外国のデジタル事情を知っておくことは企業にとって必ず役に立ちます。

ここでは、経済成長著しいフィリピンを特集します。フィリピンは、コロナ前の2019年に日本を訪れた外国人の国別ランキングで第8位(613,100人)にランクインするなど、日本とも関わりの深い国です。フィリピンのデジタル事情を知っておくことは役に立ちますので、ぜひ参考にして下さい。

フィリピンのスマホ・ネットの普及率

フィリピンにおけるスマホやネットの利用率などに関するデータ

フィリピンの人口1億1,030万人のうち、7,391万人がインターネットを利用しています。普及率は67%程度です。ちなみに、先進国では90%以上が普通です。

一方、(インターネットに接続されている)モバイル機器は1億5,240万台に及んでおり、人口比では138.2%に達しています。理論上は1人当たり約1.4台ほどのモバイル機器を有しているということになります。インターネット利用者数が67%であることを考慮に入れて、分母を人口ではなくインターネットユーザーに限定にすると、モバイル保有数は一人当たり2台以上の計算となります。これは、一般的な先進国よりも高い割合です。

続いて、年間のデジタル成長率については、インターネット利用者数は+6.1%、モバイル機器接続数は-8.9%という値になっています。インターネット利用者数が増加している一方、モバイル機器の接続数がマイナス成長となっています。ですが、現状のモバイル接続数が多いので特に問題とはならないでしょう。

所有しているデジタル機器ではスマホが圧倒的

出典:datareportal.com

フィリピンで最も使用されているデジタル機器はスマートフォンで、所有率は98.5%に及びます。パソコン(デスクトップ・ラックトップ問わず)は77.3%、タブレットは33.2%となっています。

フィリピンにおけるネットやスマホに触れている時間

出典:datareportal.com

こちらのデータは、フィリピンの16歳~64歳のネットユーザーを対象としたもので、1日平均どのくらいの時間をメディアに費やしているかを示しています。

最も利用時間が多いのはインターネットで、10時間56分です。他の国と比べても、かなり長い時間をインターネットに費やしています。例えば、日本では4時間25分、中国は5時間22分、フランスでは5時間37分、イギリスでは6時間26分、アメリカでも7時間11分ですから、フィリピン人のインターネットに費やす時間の多さがよく分かります。

また、テレビに費やす時間は3時間30分で、インターネットと比べると7時間以上もの差があります。フィリピンはかなりインターネット偏重となっているようです。

ちなみに、インターネットの利用の内訳としては、ソーシャルメディア(4時間15分)が最も多く、ミュージックストリーミングサービス(2時間15分)、ネットニュース(1時間12分)、テレビゲーム(1時間31分)、ポッドキャスト(47分)と続いています。

フィリピンの人口ピラミッドは、若年層の比率が高い綺麗な「つりがね型(ベル型)」を示しています。人口に占める若年層の多さが、インターネット利用の多さに反映されているものと思われます。

フィリピンにおけるブラウザ・検索事情

フィリピンのブラウザシェア

出典:datareportal.com

ブラウザのシェアでは、「クローム(80.5%)」が圧倒的1位に君臨しています。クロームは世界で最も高いシェアを誇るブラウザではありますが、フィリピンでの利用者が80.5%というのはとても高い割合です。前年比+1%伸びていますので、フィリピンでの人気が高いことが分かります。(参考までに、クローム発祥の国アメリカでのシェアは45.6%前年比-4.7%。日本でのシェアは46.9%、前年比-0.7%)

2位の「サファリ(8.5%)」は、MacやiPhoneなどの標準ブラウザとして搭載されているものです。WindowsやAndroidで使われることはあまり考えられないので、この数字はそのままApple製品のシェアに近い数字になっていると思われます。フィリピンでは、Apple製品より安価なAndroid製品を購入する人たちが多いのでしょう。恐らくこれらの要因で、クロームのシェアが高くてサファリのシェアが低いのかもしれません。

そのほか、「マイクロソフト・エッジ(3.2%)」「ファイヤーフォックス(1.9%)」「サムスンインターネット(1.8%)」「オペラ(1.8%)」「インターネット・エクスプローラー(0.2%)」と続いています。

フィリピン人は検索で何を調べるか?

出典:datareportal.com

1位:YouTube(ユーチューブ)
2位:you(ユー)
3位:Google(グーグル)
4位:Facebook(フェイスブック)
5位:translate(翻訳)
6位:English Tagalog(英語→タガログ語)
7位:MP3(音楽ファイル形式の一種)
8位:time(時刻)
9位:English to Tagalog(英語→タガログ語)
10位:Roblox(ロブロックス)

日本人にも馴染みのあるワードや内容がほとんどですね。10位の「ロブロックス」は、アメリカのゲーム関連会社の名称および同社の提供するゲーミングプラットフォームのことです。全世界で月間ユーザー数1億5000万人を誇ります。Robloxの特徴は、自分だけのオリジナルゲームを制作したり、公開したりできる点にあります。現在、ゲームタイトル数は5000万作品を越えているとのことです。

フィリピンにおけるSNSの現状

フィリピンのSNS事情

出典:datareportal.com

ソーシャルメディアにおけるアクティブユーザー数は、8900万人。ソーシャルメディア利用者の総人口に占める割合は、80.7%に達します。また、ソーシャルメディア利用者数の年次推移を見てみると、21.9%(1600万人)も増加しています。

出典:datareportal.com

過去1ヶ月間にSNSやメッセージングサービスを利用した人の割合を見てみると、99.8%という限りなく100%に近い割合を示しています。さらに、過去1ヶ月間にソーシャルメディアに積極的に関与した人は93.1%に達しています。また、1人当たりのSNSアカウント所持数についても、9.9個という高い数字が出ています。

続いて、ソーシャルメディアにおける広告視聴者のプロフィールを見てみましょう。

出典:datareportal.com

年齢層は18歳~24歳が最も大きな割合を占め、僅差で25歳~34歳が続きます。35歳以上になると、なだらかに減少していきます。前述したように、フィリピンの人口は「つりがね型(ベル型)」なので、その影響を大きく受けているといえるでしょう。男女比率はほとんど変わりませんが、どの年齢層でも僅かに女性の比率が高い傾向が見られます。

フィリピンのSNSシェア

出典:datareportal.com

上のグラフは、最も利用したSNSを示しています。YouTube・Facebook・FBmessenger・Instagramなど、どれも世界中で利用されているメジャーなSNSが上位にあがっています。

日本で多く利用されている「LINE」は、フィリピンではランクインしていませんね。LINEは世界的に見るとシェアは高くありません。12番手に位置しているアメリカ発のメッセンジャーアプリ「WhatsApp(ワッツアップ)」が、世界シェアでは1位に君臨しています。

8位に位置する「Viber(バイバー)」も、メッセンジャーアプリです。こちらは「楽天」が運営しているのですが、日本では存在感がないものの世界シェアではLINEを凌いでいます。他には、14位の「Telegram(テレグラム)」はロシア発、15位の「We chat(ウィーチャット)」は中国発のメッセンジャーアプリです。

そのほか、画像共有サービスの「Pinterest(ピンタレスト)」、ビジネス系SNSの「LINKEDIN(リンクトイン)」、アメリカやイギリスの若者を中心に支持を集める写真共有アプリ「SnapChat(スナップチャット)」、インターネット掲示板「reddit(レディット)」、ミニブログサービスの「Tumblr(タンブラー)」などが利用されているようです。

フィリピンにおけるFacebookの状況

Facebookは、YouTubeと並ぶフィリピンで最も利用されているSNSです。Facebookの広告を見る可能性を持つ人数は、8300万人に及びます。

Facebookを携帯のみで利用している人は74.7%、パソコンのみで利用している人は1.3%、携帯電話とパソコンの両方で利用している人の割合は24.0%となっています。先進国の傾向と比べると、スマートフォン利用の比率が高くなっています。男女比では、女性のほうが高い傾向にあります。

フィリピンにおけるYouTubeの状況

YouTubeは、フィリピンで最も利用されているSNSです。YouTube広告を見る可能性を持つ人は、5420万人に達します。男女比はほとんど同じですが、僅かに男性の比率が高くなっています。

YouTubeで検索されているのは、「song(歌)」「music(音楽)」「karaoke(カラオケ)」「BTS(韓国のヒップホップグループ)」「Blackpink(韓国のガールズグループ)」「marikit(フィリピンで流行中の曲)」といった音楽関連と、「movie(映画)」「movies(映画)」といった映画関連の検索が多いようです。日本発の「カラオケ」が上位(5位)にランキングしているのは面白いですね。

そのほか、「roblox(ロブロックス)」「minecraft(マインクラフト)」といったゲーム関連や、若者に人気の「TikTok(ティックトック)」などが上位を占めています。検索12位の「Tulfo」は、著名なジャーナリストのことです。14位の「cocomelon(ココメロン)」は、児童向けアニメショー。15位の「kmjs(カプソ・モ、ジェシカ・ソーホー)」はフィリピンの人気ニュースショー。17位の「encantadia(エンカンタディア)」は、ファンタジードラマです。

出典:datareportal.com

フィリピンにおけるInstagramの状況

Instagramのユーザーは女性が多いというイメージがあると思いますが、フィリピンでもその傾向は同様です。男女比で見ると、64.7%が女性です。

Instagramに広告を掲載することで、見る可能性を持つ人は1500万人います。FacebookやYouTubeと比べると人数は落ちますが、それでも高い影響力のあるSNSです。女性ユーザーの比率が高いので、女性向けのプロモーションツールとしては最適のSNSと言えるでしょう。

フィリピンにおけるその他のSNSの状況

  • FBMessenger:広告による潜在的なリーチ可能人数は「4500万人」
  • LINKEDIN:広告による潜在的なリーチ可能人数は「960万人」
  • SNAPCHAT:広告による潜在的なリーチ可能人数は「1275万人」
  • Twitter:広告による潜在的なリーチ可能人数は「785万人」

まとめ

今回はフィリピンのSNS事情をご紹介しました。

特筆すべきことは、一日のインターネットに費やす時間が平均「10時間56分」という点です。この時間は、日本を含め他国と比べても明らかに長い時間です。そして、そのうちの約半分をSNSに費やしており、まさにSNS大国なのです。これはフィリピンの人口比率が、10代後半~30代の「若年層」が1番多いということと密接に関係しているものと思われます。

フィリピン向けのマーケティングの際には、SNSを活用して、若年層にアピールすることが大切となってくるでしょう。

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