翻訳者が選ぶフィリピン語翻訳アプリ&Webサイト5選

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まだまだ、機械翻訳は発展途上の技術です。しかしながら、多くの翻訳サイトやアプリはユーザーから星の数ほどのデータを集め活用することで、徐々に精度を増していっています。フィリピン語の単語を調べたり、文章の内容を大まかに掴んだりする目的で使う分には十分な性能を持ちつつあります。今回は、そんな翻訳ツールのおすすめを5つご紹介します。

1.押さえておきたいフィリピン語の3つの特徴

1-1.文法が複雑

フィリピン語はオーストロネシア語族に属しており、現存するオーストロネシア語族の中では、文法的に最も複雑な言語の一つとして知られています。中でも特徴的なのは「動詞の変化」です。どの言語も動詞は独特の変化をしますが、フィリピン語の動詞の変化は他言語とは一線を画します。例えば、「Binili ko ang mangga kanina.(私がさっき買ったのはマンゴーだ)」という文章を見てみましょう。この文の動詞は「Binili(買った)」ですが、元の形は「bili(買う)」です。単語の前後が変化するのでなく、単語の真ん中が変化していることがわかります。日本人はこのような動詞の変化に馴染みがないため、混乱してしまいがちです。

1-2.借用語が多い

フィリピン語は借用語の多い言語です。サンスクリット語、スペイン語、英語などの借用語を使っています。特に、抽象語や近代語などは英語、スペイン語から多くの語彙が借用されています。

  • スペイン語の例: Uno, Dos, Tres, Lamesa, Silya, Kusina, Baro, Talata, Kabanata.
  • 英語の例: TV, Computer, motor, building.

1-3.イントネーションが独特

フィリピン語の発音は日本語と同じで「a, e, i, o, u」です。大抵はローマ字読みで通じるので、リスニングや発音の難易度はさほど高くありません。しかし、イントネーションが独特のため、完全にローマ字読みというわけではないことに留意が必要です。例えば「とても~」を意味する「napaka」をローマ字読みすると「ナパカ」となりますが、実際には「ナッパカ」と発音します。また、「続ける」を意味する「patuloy」は「パツロイ」と読むのが自然に思えますが、実際は「パトゥーロイ」と発音します。

2.フィリピン語翻訳ツールを使う際に気をつける2つのポイント

2-1.翻訳ツールを信用しすぎない

近年、ディープラーニング(深層学習)技術の発達により急速な進歩を遂げ、今では私たちの生活に欠かせないツールになりつつあります。しかしながら、翻訳精度の面で考えると、まだ人間の翻訳者にはかなわないのが現実です。ですから、翻訳ツールを過度に信用しすぎることはやめましょう。翻訳ツールは、知りたい単語を探したり、フィリピン語の文章内容をおおまかにつかんだりする目的で用いるぐらいが最適です。

2-2.なるべく短文になるようにする

機械翻訳で長い文章を翻訳させようとすると、精度が下がってしまう傾向にあります。特に音声翻訳や画像翻訳などはその傾向が顕著なので、翻訳ツールを使う際にはなるべくわかり易い表現、かつ短い文章にすることが重要です。短い文章であれば、どの翻訳機能を使っても非常に高い精度で翻訳することができます。

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3.翻訳者がおすすめするフィリピン語翻訳アプリ3選

3-1.Google翻訳

真っ先に挙げられるのは、やはりGoogle翻訳です。テキスト翻訳を始めとして、カメラ機能を使った翻訳、音声入力による翻訳などもできます。また、会話モードが搭載されているので、通訳ツールとしての質も高いアプリです。特に役立つのが「タップして翻訳」機能です。「タップして翻訳」機能を設定すると、他のアプリ内に表示されている文章をタップするだけで翻訳できるようになります。メールやLINEなどでフィリピン語のやり取りをしている場合などには、スピーディーに翻訳できて便利です。

また、Googleアシスタントとの連携機能も魅力の一つ。Googleアシスタントに「翻訳者になって(通訳者になって)」と伝えるだけでGoogle翻訳アプリを起動してくれます。ちなみに、Googleアシスタント自体にも音声翻訳機能があります。「通訳して」と伝えると「何語に訳しますか」と聞いてくるので、「フィリピン語」と答えると通訳モードになります。ただし、翻訳精度はGoogle翻訳アプリのほうが高い印象です。

3-2.Microsoft翻訳

Microsoftが開発しているMicrosoft Translatorは、Google翻訳の次に有名な翻訳アプリです。このアプリの最大の特徴は「会話で翻訳」の機能です。他のデバイスと接続した状態で話すと、相手のデバイスに翻訳文が表示されます。この機能のすごいところは、1対1だけでなく、多数のデバイスと同時接続して使えること。「発表者モード」をオンにして話すと、参加者がそれぞれに設定している言語に翻訳されます。例えば、発表者が日本語で話したとき、参加者Aには英語、参加者Bには中国語、参加者Cにはフィリピン語で翻訳されるようにできるということです。

3-3.VoiceTra

音声による翻訳ツールとしてVoiceTraを外すことはできません。NICT(情報通信研究機構)という日本の研究機構が研究用の試用アプリとして開発したもので、iphoneでもandroidでも使用が可能。旅行会話に特化しており、高精度な音声認識、翻訳、音声合成技術を駆使して翻訳します。単語として捉えることよりも文脈の中で意味を捉えることに特化しているので、単語を調べる目的で使うよりも通訳を目的として使うと本領を発揮してくれるでしょう。なお、営利目的に使用することはできないので注意が必要です。

4.翻訳者がおすすめするフィリピン語翻訳Webサイト2選

4-1.google翻訳

やはり、真っ先に挙げられるのはGoogle翻訳です。翻訳精度の面で見ると、頭一つ抜きん出ている印象。Webサイト版は、使用している端末の種類やOSの種類などに関係なく使用できる点が人気です。100以上の言語に対応しており、フィリピン語はもちろん、フィリピン南部の地方語であるセブアノ語にも対応しています。

4-2.Bing Microsoft Translator

60以上の言語に対応しており、フィリピン語(フィリピノ語)にも対応しています。しかし、セブアノ語などの地方語には対応していません。また、翻訳精度の面でもGoogle翻訳に一歩劣る印象です。ですから、基本的にはGoogle翻訳をメインにし、Bing Microsoft Translatorはサブで使うとよいでしょう。なお、高い精度でのフィリピン語翻訳が可能なWebサイトというと、これら2つがシェアを独占しており、他は見当たりません。

5.翻訳者が選ぶフィリピン語翻訳アプリとサイトランキングは?

1位はやはり「Google翻訳」です。世界に先駆けてディープラーニング技術を活用したニュラール機械翻訳を導入し、単語単位ではなく文章単位で翻訳を行うことで自然な翻訳を可能にしました。また、地方の訛りに対応していることでも知られています。残念ながらフィリピン語の訛りには対応していませんが、フィリピン訛りの英語には対応しています。フィリピン語の翻訳がうまくいかなかったときには、フィリピン語訛りの英語を話してもらうと正しい訳文になるかもしれません。

2位は「Microsoft翻訳」です。Google翻訳と同様にニューラル機械翻訳を導入しており、非常に高い精度のフィリピン語翻訳を実現していますが、Google翻訳にはやや劣る印象です。しかし、ニューラル機械翻訳が使われだしたのはここ3年ほどでしかなく、まだ発展途上の技術といえます。Microsoftという大企業が開発していることも考慮すると、今後Googleに匹敵、あるいは超える可能性も十分にありえるでしょう。

3位は「VoiceTra」です。試用アプリであることや、ビジネスに用いることができないといった弱点を加味しても、やはり優秀なアプリです。フィリピン旅行、あるいは在日フィリピン人との会話において重宝するでしょう。また、防災・災害関連でも活用されており、災害発生時に状況がわからず避難が遅れがちな在日フィリピン人を助ける一助となることが期待されています。

6.まとめ

機械翻訳はニューラル機械翻訳を取り入れたことで一足飛びに精度を高めています。youtubeやTwitterなどのSNSで外国語の情報を集めることが容易になり、私たちの世界は大きく広がりました。今や私たちの生活に欠かせないツールとなった機械翻訳ではありますが、残念ながら未だ完成された代物ではありません。まだまだ人の翻訳者に敵わないのが現状です。ですから、役割をきっちりと分けて使うことが大切となります。重要な文書の翻訳などは人の翻訳者(例:株式会社アットグローバル)に任せ、機械翻訳は単語の意味を調べたり、文章の意味を大まかに把握したりするぐらいの使い方にとどめておきましょう。

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