私たちアットグローバルが行なうトランスクリエーションの実例

はじめに

日本語を他の言語に翻訳するときには、文化的背景などの複雑な事情もあり、ちょっとしたニュアンスや言い回しの違いなどで、独特の課題に直面することが多いものです。
10万件以上の翻訳実績を誇る株式会社アットグローバルでも、これまでいくつもユニークな案件に応えてきました。

今回はそのなかから実際にあったケースをご紹介し、翻訳実務に関わる皆様のお役に立てていただきたいと思います。

※クライアント様の詳細については実際とは異なる場合があります。

今回のミッション

今回のミッションの1つ目は、リゾート地のホテルで販売するお土産品のパッケージ文章を英語に翻訳するという案件です。

2つ目は、某高級ブランドのお客様向け通信物をイタリア語から日本語に翻訳するというもの。

株式会社アットグローバルの翻訳では、アジア、ヨーロッパ、中東、アフリカ、南米など、対応可能な言語数が40ほどに上りますが、今回の2つの案件に共通しているのは、単純に翻訳すればいいというものではないということです。
むしろトランスクリエーション的な要素が多く関係しているのが特徴です。

トランスクリエーションとは?

「翻訳(Translation)」と「創造(Creation)」を組み合わせたのが「トランスクリエーション(Transcreation)」です。
翻訳に創造性が求められるトランスクリエーションにおいては、機械的にただ言葉を直訳するのとは異なり、対象となる読者を想定し、メッセージの意図やトーンなどを維持しながら真意がより明確に伝わるように言い回しを工夫して翻訳することが求められます。

特にグローバルコミュニケーションを前提とした広告やマーケティングでは、印象的かつシンプルなコピーなどで、消費者に訴求していく必要があります。
1つのwebサイトを多言語で展開しようとする際にも、現地の人たちのマインドや価値観、習慣などを意識した翻訳が必須となるため、プロの翻訳家によるトランスクリエーションが注目されるのです。

トランスクリエーションについてのより詳しい内容は、「トランスクリエーションとは?単価や翻訳との違いを解説」を参考にしてください。

私たちが取り組んだ実例・日本語から英語へ

日本語の「ふるさと」をどう訳す?

ホテルで販売されるお土産品のパッケージに印刷されている文章は、割と情緒的なものが多く見受けられます。
それをそのまま翻訳することはできますが、今回のミッションでは、単に日本語を英語に直訳するだけでなく、外国人にとって魅力的でインパクトのあるものにすることを意識して挑みました。

当初一番気になったのは、文章の中で、ホテル側が自分たちのことを「ふるさと」と呼んでいる場面があり、日本人なら一発で理解できる言葉も、外国人にとってどうとらえられるのかという点です。

翻訳者は「Breathtaking scenery against stunning mountain peaks」と訳しました。
日本語で直訳すると「峰々に囲まれた、息を呑むような風景」です。
素敵な翻訳をしてくださったのですが、さらにまた別の疑問が浮かびます。

ホテルは高原に立地しているので山に囲まれているが、本当に峰々が見えるのか?という現実との合致の問題です。
そこでグーグルストリートビューで確認したところ、実際には平らな場所にホテルが建っていることが分かったのです。
そして実際、峰々は遠くにうっすら見える程度だということを確認しました。

このままの翻訳で出してしまうと、ホテルのお土産品としての正確さに欠けてしまうため、本件では、翻訳者に事情を伝え別の訳文にしてもらったという経緯があります。
どんなに印象深く魅力的なコピーも、現実に即したものでなければその価値は薄れるどころか逆効果となり、翻訳の意味をなさなくなってしまうことを明らかにした事例です。

「プレーン味」は味がない?

お土産品の中にスイーツがあり、それには幾つかの種類の味がありました。
なかでも、プレーン味というのは日本では受け入れられている表現ですので、お客様側もプレーンでいいよ、とのこと。
スムーズに進むかのようなスタートを切ったのですが、もっと魅力的な表現がないか社内で検討し、さらには、ネイティブの翻訳者の意見も求めることにしました。

Plainという言葉は、スイーツに用いると、「味が付いていない」「何も入っていない」「特別ではない」というネガティブな印象を与えかねないという点が危惧されました。
そこで、次に候補に挙がったのがOriginal。
オリジナル味というのも日本ではメジャーな表現です。
しかし、ネイティブ的には最初に発売されたもの、という印象でしかないため、ネガティブにもポジティブにもならない中途半端なイメージを与えてしまうことになりかねません。

そこで私たちが提案したのがClassic。
この言葉には「オリジナル」の意味も「(基の味という意味での)プレーン」という意味も含まれているからです。
加えてホテルが老舗であり、長年顧客から愛され、信頼され、尊敬されているという良いイメージを打ち出す意味でも、「Classic」によるブランド力の向上も期待できます。

こうしたコンセプトについて丁寧に説明をしながらお客様に「Classic」を提案したところ、大変喜んでいただけるける結果となり、私たちも十分な過程を経たことで満足のいくミッション遂行となりました。

私たちが取り組んだ実例・イタリア語から日本語へ

別の事例をご紹介します。

私たちが依頼されたのは、世界でも名の知れた高級ブランドのお客様向け通信物の翻訳です。しかも、商品を特に贔屓にしている顧客向けです。もしも読みにくい翻訳を納品してしまったらブランドに傷がついてしまうことにもなりかねない案件でした。

原文はイタリア語で書いてあり、その中に過去から現代のイタリア詩人による詩が言及されていました。

外国語の詩などの原文を翻訳する際、まずは「定訳」を探すことから始めます。
「定訳」とは、日本語ではこのように翻訳する、というように、すでに翻訳の形が決まったもののことで、多くの有名な詩には定訳があります。
逆に、定訳がない詩の場合には、こちらで情緒的に翻訳することが求められます。

特に古代の詩を日本語に翻訳するときには、聖書の文言を参考にして雰囲気を出すようにします。
言葉の意味はもちろん大事ですが、耳に入ってくる音や視覚的なビジュアルを原文のものに極力近づけることを意識して翻訳した事例です。

まとめ

アットグローバルでは、かなり特殊な要件が求められるような翻訳も日々行っています。
常にお客様のビジネスが成功することを共に願いともに喜んでいく。
そうした気持ちを持ちながらサービスを提供していくよう心がけています。

翻訳サービスは、ぜひ、アットグローバルにご相談ください。

 

 

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