トランスクリエーションとは?単価や翻訳との違いを解説

ビジネスのグローバル化に伴って進化した翻訳サービス、「トランスクリエーション」が近年、注目されています。企業のウェブサイトやSNS、カタログ・パンフレットを海外の顧客に向けて外国語に訳す場合、単なる翻訳ではなく、訴求力のあるコピーやテキストになるように、想定読者に伝わるよう意味を考えながら翻訳する仕事です。

世界を舞台にビジネスを展開するなら、自社のウェブサイトのコピーやテキストを、グーグル検索の上位にくるようなインパクトのある外国語にする必要があります。ターゲットとする海外現地の顧客の志向や習慣を熟知し、原文の大意を外さないように、絶妙のさじ加減で訳していくトランスクリエーション。マーケティングの要素が強いトランスクリエーションについて、従来の翻訳との違いや、具体的な例、料金の相場を解説していきます。

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トランスクリエーションとは?伝わるように意味を考えながら翻訳すること 

「トランスクリエーション(transcreation)」は、「翻訳(translation)」と「創造(creation)」を組み合わせた造語です。ただ直訳的に翻訳するのではなく、想定読者やユーザーに伝わるような魅力的な言い回しにして翻訳することを指します。

海外展開をねらう日本企業は、自社のウェブサイト・SNS・パンフレットやカタログ、プレゼン資料を、世界中の消費者にアピールしていく必要があります。海外を意識して、自社のウェブサイトや資料を、訴求力のある、ブランドイメージがアップするようなコピーや文章、ビジュアルで見せていくことが、販売促進に欠かせません。

自社のウェブサイトが、グーグル検索のトップページにくるように、創造的な翻訳をする必要があり、近年、注目されているのがトランスクリエーションなのです。

 

マーケティング翻訳とも言われる 

トランスクリエーションは、マーケティングで使用されることが多いため、マーケティング翻訳ともいわれます。対象となる海外現地の消費者のマインドを熟知し、現地の人たちをはっとさせるようなコピーライティング、翻訳の技が必要とされます。翻訳の能力だけでなく、現地の事情に詳しいこと、マーケティング知識があること、クリエイティブかつ原文の意味を外さないセンスが必要とされます。

 

翻訳とトランスクリエーションの違いは?

 

トランスクリエーションは、プロの翻訳者にしかできない高度な技です。直訳は、機械翻訳でもある程度できますが、トランスクリエーションは人間にしかできないことです。原文のテキストの大意に忠実でありながらも、インパクトやリズム感、躍動感が求められるキャッチコピー・見出しには、特に、トランスクリエーションが必要となってきます。

1つの文章を2つに分ける、2つの文章を1つにまとめる、疑問文にするなど、大胆な工夫が必要になることもあります。また、読む国の人々の習慣や価値観に沿い、より自然な表現を常にこころがけます。

「足を滑らせないようご注意ください」という文を英語に翻訳する際、直訳は“Please be careful not to slip.” です。これでも、英文としては十分自然な表現ですが、英語圏では「警告文」や「注意書き」でこのように丁寧な記述はしません。“Caution: Wet Floor” と訳した方が、英語圏の文化に合っていて自然です。日本語の原文をそのままに、頻発する敬語をそのまま訳していくと、丁寧ではありますが、間延びした印象になりますし、英語で”please”を多用すると不自然になります。

例:詳細をご確認ください
 (訳文1)Please check the details(訳文2)Learn more

訳文2のほうが、より適切です。

参考記事:

トランスクリエーションの事例 

トランスクリエーションを専門としているアズワンランゲージ株式会社さんが、とてもわかりやすい例を挙げておられるので引用させていただきます。

掃除機の日本語コピー「かつてない小ささと驚きの吸引力」を、英語に直訳するとNever before seen compactness, surprising suction power.となります。これをトランスクリエーションすると、Great Power In A Tiny Package あるいは Small Body, Impressive Power となります。

トランスクリエーションにすると、シンプルかつ、印象的なコピーになりますね。

英語のコピーを日本語にする場合はどうでしょうか。化粧品の英語コピー:One swipe, light-feel radiance. を日本語に直訳すると「ひと塗りすれば、軽い感覚のツヤ」です。英語だと躍動感があるのですが、日本語にすると説明的になりすぎてしまいます。これをトランスクリエーションすると、「一瞬で光をまとった上質な肌へ」「瞬間ふんわりツヤ肌」となります。日本の消費者の五感に訴えるコピーになっていますね。

登山ツアーの日本語コピーの例です。「圧倒的な大自然に出会う旅」は、英語の直訳だと、A trip to encounter stunning nature. トランスクリエーションすると、Experience the great outdoors あるいは A journey into unexpected beauty といった、シャープで耳目を引く英語コピーになります。

(引用元:アズワンランゲージ株式会社ホームページ)

 

 

トランスクリエーションを依頼する際の費用や単価は? 

 
トランスクリエーションの料金の相場は、通常の翻訳の1.2倍から1.5倍くらいです。
 
製品のキャッチコピーを外国語で3つ、といった依頼の場合、1つ1~2万円でトータル5万円など。
 
日本語のウェブ サイトの英語化する場合、HTML20ファイル(20ページ)で、20万円ぐらい。
 
トランスクリエーションは、文章をどの程度練り込むかによって金額が変わるので、まずはトランスクリエーション会社に予算を伝えたうえで、見積もりを出してもらいましょう。
 
 

トランスクリエーションが今後は重要になってくる! 

世界を舞台にビジネスをするなら、少なくとも英語で、グーグル検索の上位にくるような、印象的で簡潔で充実したウェブサイトをつくるべきです。そのためには、まずは、トランスクリエーションなのです。トランスクリエーションは、近年の海外マーケティングの常識といってもよいでしょう。


おわりに

英語雑誌の編集・記事執筆をしていた記者も、トランスクリエーションを経験したことがあり、その必要性、作業の難しさを痛感したことがあります。そして、一流の翻訳者は、トランスクリエーションが大好きです。株式会社アットグローバルは、大手IT企業の翻訳者集団が立ち上げた会社で、翻訳を通じて社会に貢献することを信条に、トランスクリエーションのサービスも行っています。ぜひ一度、ご予算をお伝えの上、相談してみてください。

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