外国人労働者の労災を防げ!多言語の安全マニュアル

在留外国人のためのお役立ち情報シリーズ

はじめに

日本で働く外国人は、2020年10月現在で172万人もいます。(※厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ)

厚生労働省は、日本で働く外国人の安全と健康を守るための「労働災害」に関する多言語マニュアルを準備しています。外国人が視覚的に分かりやすいように「マンガ」で説明しています。とても参考になる資料ですので、内容を簡潔にご紹介します。

多言語対応された教材

厚生労働省が作成した「マンガでわかる働く人の安全と健康(教育用教材)」は、平成31年から令和2年にかけて行なわれた「安全管理支援事業」と「外国人安全衛生管理支援事業」によるものです。

特徴的なのは、14言語(一部11言語)の多言語展開をしていることです。同じ教材が、日本語・英語・中国語・ベトナム語・タガログ語・クメール語・インドネシア語・タイ語・ミャンマー語・ネパール語・モンゴル語・スペイン語(一部の教材)・ポルトガル語(一部の教材)・韓国語(一部の教材)で作成されています。

労災を防ぐためのトレーニング教材としてはもちろんのこと、外国語の勉強の教材としても活用できる内容です。マンガ形式なので、外国人でも非常に分かりやすく、親しみを持って学ぶことができるでしょう。

業種も多様

共通教材によって、労働安全性の基礎を学ぼう

14か国語で準備されているこの教材には、労災を防ぐための基礎知識が盛り込まれています。各国から来ている外国人が、労働安全に関する基礎知識を同じ教材を使って学ことができます。労災に関する知識が浅い外国人でも、“自分の問題” として理解することができるでしょう。

出典:マンガでわかる安全衛生と労災防止の基本(厚生労働省)

マンガでわかる安全衛生と労災防止の基本」は、職場で起こりがちな事故について、具体的にイメージしやすいように工夫されています。この資料の中には、「症状・病状説明のための指さしシート」も準備されています。病気やけがが症状別にイラストで書かれており、該当箇所を指で指し示すだけで、最低限のコミュニケーションが取れるようになっています。まだ日本語がよく話せない外国人でも、このシートがあれば安心です。特に緊急事態の場合は、非常に役立つことでしょう。

具体的な内容

対象となる業種は、介護業・ビルクリーニング業・製造業(素形材産業・産業機械製造業・電気/電子情報関連産業)・自動車整備業・航空業・宿泊業・飲食料品製造業・外食業・陸上貨物運送事業・フォークリフト・クレーン/玉掛け作業・小売業・食品加工業・溶接業・鋳造業・化学物質取扱い(基礎)・化学物質取扱い(管理)など、多種多様な業種での労災防止策が紹介されています。

例えば、「製造業3分野の安全衛生」では、言葉が分からなくてもマンガを見るだけで労働災害の状況と注意すべき点、災害時の対応などが分かります。労働者個人に降りかかる疾病やケガだけでなく、建物内で火事を起こした際など、深刻な事態への対処方法なども詳細に示されています。言葉だけでは説明が難しい内容をマンガで説明しているので、とても伝わりやすいでしょう。

日本人にとっても分かりやすい

この教材はマンガ形式で書かれていますので、視覚的にすぐ理解できます。業種に関しても、現場系のものから食品加工業や小売業に至るまで様々なものが含まれています。いろいろな業種と職場において安全を保つためにはどうしたらよいのか、多くの人の参考になる教材です。これは、日本人にも読んでほしい教材ですので、ぜひ実際に見てみてください。

厚生労働省のページへのリンク:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_13668.html

まとめ

日本の労働力を支える外国人が、安全に安心して働くことができるように準備された、公的施策としての教材をご紹介しました。労働環境整備は、民間協働で取り組むべき課題です。言語の違いがその障壁とならないように、企業側にも努力が求められます。ぜひ、ここで取り上げた情報を参考にしていただけると嬉しいです。

株式会社アットグローバルでは、2002年以来10万件以上の多言語翻訳を行ってきました。多言語翻訳、専門分野翻訳のことでご質問がありましたら、お気軽にご相談ください。

翻訳市場調査などの「外国語サポート」が必要な方は、
ぜひ「アットグローバル」にご相談ください。
見積もりやご相談は完全に無料です。こちら からどうぞ!