デジタルマーケティングに役立つ、国によって違う「カラー」イメージ

色に対して抱くイメージは国によって違います。

日本では縁起が良いとされている色が海外では縁起が悪いと思われていたり、日本ではあまり人気のない色が他国では人気だったりと、日本人が持つ「色に対する常識」は海外では通用しないことも珍しくはありません。

ですから、多言語でのデジタルマーケティングを成功させるためには、ターゲットとなる国の人々が好きな「カラー」を選ぶことも大切な要素の一つになってきます。そこで、ここでは国によって好みが違う「カラー」について解説していきます。

なぜ「カラー」の選択が大切なのか

この色は元気が出る、この色は安心する、この色は不安になる……そういった色に対するイメージを誰しもが持っています。そう、実は「色(カラー)」というものは、人の感情や心理に影響を及ぼすのです。

ですから、清潔さが求められる商品には清潔感のイメージがある色を、信用してもらうことが必要なサービスには信用のイメージが湧く色を取り入れることで、マーケティングを有利に進めることができます。

しかし、注意しなければいけないのは、色に対するイメージが国によって大きく異なるということ。同じ色なのに、国によっては日本と真逆のイメージを抱いていることもあります。ですから、海外向けのマーケティングを行う際には、その国の人々が好むカラーを調査することが大切です。そして、その上で効果的にカラーイメージを取り入れていくことができれば、各種広告、ウェブサイト、動画などで「いいな」と感じてもらいやすくなることでしょう。

世界各国の人が好む「カラー」の傾向

「YouGov」が10か国を対象に行った調査によると、世界的な傾向として「青」が最も人気が高く、続いて赤・緑・紫の順で人気なようです。

興味深いのは、赤色好きのイメージがある中国でも青が一番人気という点。それどころか、「緑」にすら負けているというのは驚いた方も多いことでしょう。「中国だから赤だろう」という先入観を持つ人も多いと思いますが、先入観で物事を判断するのがいかに危険かがこのデータからは分かります。

また、欧米では比較的「紫」が人気な一方、アジア圏では「紫」があまり好まれていないのも印象的です。日本で好きな色を聞いて紫が上位に来ることはあまり想像できませんから、意外に思った方も多いのではないでしょうか。

世界各国の「デジタル画像」で好まれるカラーは?

出典:shutterstock「2019 Color Trends: Discover the World’s Most Popular Colors」

ウェブサイトや動画などにおける「デジタル画像」においても、国によってカラーの好みに違いがあります。

例えば、オーストラリアでは「ネイビー」、ブラジルでは「ダークグリーン」、ドイツでは「ダークターコイズ」、台湾では「オリーブ」、タイでは「紫」などが好まれるようです。

国によって「カラー」イメージが変わる

カラーイメージは文化の影響によるものが大きいとされています。日本では良いイメージのある色が、他の文化圏では全く逆のイメージを持つことも珍しくはありません。そこで、この項目では日本、中国、欧米の違いを紹介します。

「​​白」

日本では「純粋・清潔・潔白」というイメージを持たれています。また、花嫁の色でもあります。欧米でもおおむね同じイメージを持たれていますが、一方で「降参」や「負け」のイメージも。一方、中国では葬式で使われる色であることから、主に「死・不吉」といったイメージが強い色のようです。

「赤」

日本では「めでたい・愛・怒り」、欧米は「情熱・エネルギー・要警戒」などのイメージです。ポジティブなイメージとネガティブなイメージが混在している色といった印象。

一方、中国で赤と言えば「幸運」を示し、縁起の良い色です。国旗などからも分かるように、中国のテーマカラーでもあります。

「黒」

日本や欧米では「高級感・重厚感」といった良いイメージがあり、スマホやパソコンなどといった電化製品では黒が好まれる傾向にあります。その一方で、喪服に使われる色であるためか、「不吉・葬式」と言った悪いのイメージも併せ持っています。

一方、中国でも黒はネガティブなイメージのある色ですが葬式といえば白のため、あまり葬式のイメージはありません。どちらかと言えば闇社会をイメージする色です。また、結婚式にも黒い服は着るべきではないと考えられているようです。

「黄」

日本では主に「幸福・活発・楽しい」というイメージが強く負のイメージはありませんが、欧米は「軽快・陽気」といった良いイメージのほかに「裏切者・臆病」というネガティブなイメージも。

中国でも黄色は「幸運・高貴」といったイメージを持っており、赤色と一緒に使われることが多い縁起の良い色です。その一方で「セクシー」なイメージもあり、近年はこちらのほうが強いとも言われています。日本におけるピンクのイメージに近いかもしれません。そのため、中国で黄色を使う際には注意が必要です。

「緑」

日本では「自然・癒し・エコ・安心・安全」といった良いイメージが主です。欧米でも「自然・幸運・安心・安全」といったイメージを持つ一方で、「未熟・不気味・毒・嫉妬」という負のイメージも持つ人も多い色。

一方、中国では主に「不貞」の意味を持ちますが、前記したグラフにあるように最近は赤をしのぐ人気カラーでもあります。注意は必要ですが、ぜひ取り入れたい色でもあります。

「青」

日本でも欧米でも一般的に「知的・冷静・信頼・爽やか」のようなイメージがあり、企業のロゴやサイトでよく使用されています。中国も似たイメージを持っていますが、それに加えて「信頼・健康・前進」といった印象も。

また、欧米では「セクシー」な意味合いも持っており、ポルノ映画のことを「ブルームービー」と呼ぶことがあるので注意しましょう。

「紫」

日本でも欧米でも「気品・高貴」など、位の高い人を連想する色です。「神秘的・高級」の印象も強い。中国においても「神聖」なイメージがありますが、最近の若者にはどちらかというと「ロマンチック」な色として浸透しているようです。

まとめ

「カラー」には様々な「イメージ」が付帯しており、そのイメージが人々の感情や心理に様々な影響を及ぼします。ですから、マーケティングにおいて色を上手に活用することは非常に大切です。

しかし、注意しなければいけないのは、色に対するイメージが国によって違うということ。日本では問題のない色の表現が、海外では卑猥な意味合いを持ってしまったり不吉な印象を与えてしまったりするかもしれません。

日本の「色の常識」で以って海外マーケティングを行うのは危険です。海外マーケティングの際には、その国における色の意味や好まれる色を調べ、然るべき色を使いましょう。

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