インバウンドの問題点&解決法

2022年4月14日

新型コロナウィルスの世界的な流行によって、国内のインバウンドは大打撃を受けました。しかし、ようやく回復の兆しを見せつつあります。

2022年3月1日に日本への入国制限が大幅に緩和されました。現在はビジネスパーソンや留学生などが入国を許されていますが、近く観光客も解禁されることでしょう。

かつての「観光大国日本」を取り戻すためにも、今のうちにインバウンド再開のための問題と解決法を考えておきましょう。

インバウンドの「問題点」を思い出そう

意思疎通の問題

真っ先に挙げられる問題は、意思疎通を図るのが難しいという点です。日本人はどうしてもいわゆる「カタカナ英語」になってしまいがちです。英語の知識は十分にあっても、実際に観光客と英語で会話するのは難しいというケースが多く報告されています。また「多言語表示」の整備がまだ十分に進んでいないということも、問題点として挙げられています。

外国人旅行者が日本人とコミュケーションをとることができなければ、十分なサービスを受けることはできません。何か欲しいものがあっても、スムーズに購入することさえ難しいでしょう。商品を購入するだけなのに、時間と手間がかかってしまうと「面倒だな」と思われてしまいます。それは、消費活動を妨げる要因にもなります。ぜひ「言葉の壁」を乗り越える努力と工夫を行いましょう!

Wi-Fi整備の問題

意思疎通が難しくて多言語案内も十分でない場合、必要な情報をインターネットから得ようと思うのが当然の流れでしょう。そんな状況で必須となるのは、無料Wi-Fiです。近年は無料Wi-Fiスポットも増えてきていますが、地方の整備はまだまだ不十分といえます。

例えば、旅館や店舗などで無料Wi-Fiを設置していないところも多く見られます。仮に無料Wi-Fiがあったとしても、ロビーなど特定の場所でしか利用できないといったケースもあります。外国人旅行者が必要な情報を得るために、部屋を出てロビーまで行かなくてはならないというのは不便極まりないでしょう。ぜひとも、Wi-Fiの整備を進めておきましょう!

決済方法の問題

日本は先進国の中でも、特に「現金主義」の国です。お隣りの韓国では、キャッシュレス決済比率は約9割、中国では約6割を占めていると言われています。それに対し、日本のキャッシュレス決済率は約3割にとどまっています。

近年は新型コロナウィルスの影響でキャッシュレス決済の普及が進んだとはいえ、まだまだ外国基準には達していません。いまだにクレジットカードや電子マネーで決済ができない店が多いというのが現状です。

他方で、電子マネーの種類が多すぎて使いづらいという問題も上がっています。「○○ペイ」という名称で“乱立”していますので、わたしたち日本人でも一体どれを使えばいいのか分からないといった状況が見られます。今のうちに、外国人が使いやすい「キャッシュレス決済」を整えておきましょう!

文化・マナーの問題

日本は独特の文化とマナーがあります。外国も同様、独特の文化とマナーがあります。日本人的考え方や物事の行い方が、外国人とは全く違うので理解してもらえないこともあります。逆に、外国人の持つ文化やマナーが理解できないこともあるでしょう。

日本の常識が世界の常識でないことを頭に入れ、海外の人が不快に思うことがないよう心がけましょう。国際的な感覚を身につけ、失礼な行動を取らないようにしましょう。そのためには、外国の文化やマナーの違いなどの「知識」を取り入れることが重要です。今から、外国の文化やマナーを学んでおきましょう!

どう解決したら良いか考えよう

スタッフへの教育を行う

外国語対応については、スタッフの語学教育を行うのが何よりも大切です。接客で多く使う言葉を中心に、語学教育を行いましょう。さらに、英語に関してはTOEICやTOEFLなどの資格取得を奨励し、試験費用の負担や高スコアを取った場合の待遇アップなど、モチベーションをあげる工夫も行いましょう。

また、語学だけではなく、文化・宗教・マナーなどの違いを学ぶことも大切です。ある程度の知識を取り入れておけば、いざという時に適切な対応ができるようになれます。さまざまな外国人に対応できるスタッフ教育を行いましょう!

多言語表記を徹底する

施設内の案内やサービスに関する「多言語表記」がなければ、外国人には意味が通じません。スタッフの語学教育に並行して、施設内の多言語表記も進めていかなければなりません。

しかし、多言語翻訳は難しいものです。専門家による翻訳を行わないと、誤訳が生じる可能性が高くなります。例えば機械翻訳だけで安易に済ませてしまうと、本来の意図とは違う翻訳になってしまうこともありますから注意が必要です。

たとえば「japanese only」という英語表記ですが、これは「日本語しかしゃべれません」また「日本語表記しかありません」という意味で使っているかもしれません。しかし、外国人はこの表記を見ると「日本人以外お断り」と解釈します。ですから「japanese language only」や「Japanese text only」などと表記するのが適切となります。このような簡単な文であっても誤解が生じてしまうのです。

外国人を迎えるにあたり、正確な外国語翻訳は非常に重要です。自分たちだけで翻訳作業を行うことに不安なら、専門の翻訳会社に依頼することをお勧めします。

外国人スタッフやマルチリンガルの登用

海外旅行で一般的に利用されるのは、世界共通言語である英語です。そのため、英語話者の外国人を採用することで、大抵の言語に関する問題はカバーすることができます。しかし、英語を母国語としない外国人旅行客が大勢訪日します。ですから、英語・日本語以外も話せるマルチリンガルのスタッフを積極的に採用することが好ましいでしょう。

近年は「Hippo(ヒッポ)」会員として育った方や、インターナショナルスクール育ちの方など、日本人でありながらも複数言語をネイティブレベルで話せる人材も増えています。外国人の採用だけを考えるのではなく、語学に堪能な日本人マルチリンガルを積極的に採用するのも良いでしょう。

ツールの活用

「POCKETALK (ポケトーク)」などの通訳ツールや、「VoiceTra(ボイストラ)」などの音声翻訳アプリを導入することで、ある程度の多言語対応が可能となります。また、インターネットを通して必要な時に通訳者を呼び出せる「クラウド通訳」の利用もお勧めです。

また、旅行客にぜひ利用してもらいたいツールとして、「JNTO(日本政府観光局)」の公式交通アプリ「Japan Official Travel App」があります。経路案内機能はもちろん、飲食店検索機能など観光情報をすぐに取得できます。さらに、災害情報、外国語対応の病院検索なども搭載されているので、外国人旅行客にはとても役立つでしょう。このツールを外国人旅行客に紹介して、ぜひ利用してもらいましょう!

無料Wi-Fiを増やす

無料Wi-Fiスポットの問題については、解決方法は簡単です。無料でWi-Fiを利用できるスポットを増やせばよいのです。街中だけではなく、公園、施設、店舗、飲食店内など、様々な場所にWi-Fiスポットがあれば外国人の日本旅行は非常に快適となるでしょう。

キャッシュレス決済を導入・増やす

現在キャッシュレス決済に対応していない施設やお店は、早速キャッシュレス決済を導入しましょう。しかし、一部の決済方法にしか対応していないのであれば、意味がありません。外国人が利用するクレジットカードや電子マネーに対応していることが最重要です!せめて国内で利用されている主要なクレジットカード・電子マネーは対応できるように整備しておきましょう。

新型コロナウィルスの影響によりキャッシュレス決済の需要は、外国人・日本人問わず伸びています。導入して無駄になることはありません。

まとめ

日本は外国人旅行客に高い評価を受けています。しかしながら「多言語対応」や「キャッシュレス決済」の遅れなどの課題が残されています。コロナ後に「観光大国」として復活するためには、これらの課題を解決していくことが求められています。インバウンド回復の兆しが見えつつある今こそ課題に取り組み、準備を整えておきましょう!

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