Z世代インバウンドの波を逃さない!旅行や食の傾向・価値観を掴もう

はじめに

インバウンドの再開に向けて、世界が動き始めています。日本でも、海外からの観光客を少しずつ見かけるようになってきました。

コロナ後の海外旅行に関しては若い世代、中でもZ世代と呼ばれている人々のほうが積極的のようです。Z世代は今すでに経済の中心となりつつあり、今後のインバウンドにおいても重要なターゲットとなります。 

日本でも世界でも、Z世代は独特の価値観を持つため、観光や食に求めるもの・SNSの効果的な宣伝方法について、情報を集め理解を含めていくことが必要になってきます。

Z世代とは?

最近、よく耳にするZ世代ですが、一体どんな世代?と思っているのは私だけではないはずです。

過去を振り返ってみると、時代の流れに合わせていろいろな呼び名が生まれてきました。

例えば、戦後生まれで、日本の高度成長期を担ってきたのが団塊の世代。バブル景気の中で新しいビジネスに目を向けたり、お金に対する価値観が変わってきたバブル世代。その後、授業時間数を減らして「生きる力」を身に着けさせようというゆとり教育を受けてきたゆとり世代など、その時代の背景にあわせて様々な表現がされてきました。

今後の観光業界で力を持つであろうZ世代について理解するなら、彼らの興味を引く効果的なアプローチができ、経済を盛り上げていくことができることでしょう。

Z世代の定義

実はZ世代には明確な定義がありません。一般的に1997年から2012年生まれの世代とされてはいますが、諸説あります。だいたい、現在11~25歳くらいを指すようです。

アメリカで生まれた言葉で、アメリカではその前にX世代、Y世代があり、それに続く世代としてZ世代と名付けられました。

Z世代は世界人口の約4分の1を占めています。生まれた時からインターネットがあり、ガラケーではなくスマホが当たり前で、SNSをコミュニケーションツールとして当たり前に使っています。こうした背景から「デジタルネイティブ」「ソーシャルネイティブ」「スマホネイティブ」という呼び方をすることもあります。

Z世代とよく比較されるのが、「ミレニアル世代」です。この世代はミレニアムに由来しており、2000年以降に成人した人々を指しています。この世代もインターネットやデジタルデバイスに通じていますが、Z世代との違いはミレニアル世代はこうしたものが普及しつつある過渡期に育ったということです。

Z世代が生きてきた時代

Z世代の育った背景を知ると、彼らの行動の仕方や価値観を理解する助けになります。

彼らは生まれた時からインターネット環境がある中で育っています。ですから、ツイッターなどのSNSを何の抵抗もなく使いこなしています。それらを使って、トレンドの情報源になることで消費に影響を与えたり、自然に自分の意見を自由に発信することもできます。

また、若くして時代の大きな変化を経験してきました。例えば、ITバブルの崩壊やリーマンショックなど、不安定な経済を見てきました。2011年の東日本大震災でも、自然の恐ろしさと共に、日常の生活があっという間に失われる現状も見てきました。そうした中で、親世代が経験した不安定な世界情勢を見て、経済に対する保守的な考え方、より現実を重視するという傾向が強くなったと言えます。

Z世代の持つ価値観

Z世代の持つ価値観とはどんなものでしょうか?

まず1つに、多様性を受け入れます。

SNSを使いこなす彼らは、学校生活で接する人、日常生活で接触する人以外にも多くの「見知らぬ人」とやり取りをしています。その分、今まで知らなかった考え方、人々に接する機会が多く、より多様性を受け入れる態度が身に着いたようです。

また、自分らしさを大切にします。

「ありのまま」の自分を発信します。不完全でも、失敗しても「ありのまま」を伝えます。不思議なことにそうした発信を見た多くのZ世代の共感を得て、さらに自信をつけていきます。多少、ネガティブな情報でも、正直なメッセージの方が喜ばれ、信頼されるのです。

消費よりも経験を大切にするという特徴もあります。将来への不安、特に経済的な不安が大きいからかもしれません。

まず、オンラインで十分にリサーチをし、その後、実店舗に行き、店舗の雰囲気や実際の商品を見て、感じて、体験してから購入します。

上手にデジタルツールを活用して、納得のいく買い物をする・・・なんとも賢い消費者です。

Z世代が旅行に求めるもの

では、Z世代は旅行に何を求めているのでしょうか?

いちばん多かった回答は「質に対する価格の安さを重視する」という答えです。価格の安さは重視しますが、実際に重視するのはコスパです。多少、高くても質に満足し、納得し、価値を感じることができればある意味、安いと感じてくれるのです。

自由に使えるお金には限界がありますが、Z世代の心をひきつけ、感動させられる旅行プランがあれば喜んで参加してくれるはずです。

そして、あっという間にSNSで拡散して、同じ感性を持つ人々が「いいね!」を押してくれるはずです。

出典:mynavi

「物を買う」より「なにかを体験する」

Z世代は、昔のバブル世代とは違って「ブランド」の購入にはあまり興味がありません。

何かを買うよりも何かを体験することに関心があります。ですから、何かを購入するとしても、エンタメ性のある体験や実益の伴う付加的な体験を求めます。

旅行の目的も、買い物ツアーではなく、きれいな風景を見ること、その地域の美味しいものを食べること、大切な人たちと一緒に時間を過ごすこと、といった体験をすることです。そのためなら、少し遠くても行ってみよう、という行動力があるのがZ世代です。

ですから、「どこで、誰と、どんな体験ができるか」をアピールできるプランが効果的でしょう。

SDGsに関連した旅を求める

今、世界中が取り組んでいるSDGs にもZ世代は関心を持っています。

彼らは幼いころから、環境問題に関心を持つ状況にいます。地球温暖化による異常気象や自然災害、東日本大震災のような価値観を覆されるような経験をしてきました。

「SDGs について理解はしたけど、自分たちは何をしたらいいのか、よくわからない」という人もいます。社会的な貢献をしたいという気持ちは持っているので、それを学んで体験できる旅に関心を持ちそうです。

それで、旅先の地方、旅行会社などがSDGs に貢献していることをアピールしてみましょう。「おしゃれで、地球にもやさしい」とか「土地の産物を消費すれば自分たちもSDGs に貢献できる」ということがわかれば、興味や好感度を上げる要因となることでしょう。

「ヴィーガン」「プラントベース」に関心アリ

旅行体験で大切なことの中に「地元の特産グルメを味わう」ことが含まれています。

最近では、SDGs の取り組みと関連して、「ヴィーガン食」「プラントベースフーズ(代替肉)」への関心が高まっています。

どちらも動物性ではなく、植物由来の材料を使用します。魚、肉などに偏った食生活から植物由来のものにシフトすることによって、健康的な生活を送ることができます。また、魚や肉は有限な資源なので供給量にも限界が出てきます。国連の発表によると、地球人口は2050年までに97億人に達するとも言われています。

「ヴィーガン」や「プラントベースフーズ」は、Z世代にもできるSDGs に貢献する、健康にも地球にもやさしい取り組み方と言えます。

「マイメンと」or「ひとり旅」

Z世代の好む旅行スタイルにも特徴があります。

日本のZ世代は「マイメン」との行動を好みます。「マイメン」とは、主に親密な間柄の親愛なる人を指すと説明されていました。つまり、友達だけではなく、家族、親友、尊敬する人を含む親密な関係の人だそうです。英語のMy Man(兄弟)に由来するそうですが、My Memberの略という説もあるそうです。

世界のZ世代も、海外旅行をする時、ひとり旅や家族・親しい友達との行動を好む傾向があるということです。

いずれにしてもZ世代は、大勢で行くツアーよりも本当に親しい人と気を遣わずに旅行を楽しみたいと思っているということですね。

Z世代に響くSNSでの誘致方法

デジタルネイティブとも呼ばれるZ世代は、旅行先に関してもオンラインを活用します。SNSでの情報収集は当たり前です。特に、インスタグラムを活用しています。

インスタグラムに投稿された写真や情報が、感性に訴えるものであればあるほど惹きつけられます。

Z世代より前の世代でもSNSは使われていました。でも、SNSのアプリも日々、変化しています。Z世代に効果的にアプローチするためには、今、彼らが使いこなしているアプリが何か、どのように使われているかも理解する必要があります。

【最新】世界のZ世代が利用するアプリ

アメリカで利用されてきた世代別の人気アプリを示す表です。

45歳以上のX世代、25歳~44歳のミレニアル世代、16歳~24歳のZ世代が比較されていますが、各世代、好んで利用されているアプリが全く違うことがわかります。

まずZ世代がよく利用するアプリから、彼らの好みを理解して、楽しい体験ができる旅行プランをアプローチできるといいですね。

出典:「https://blog.btrax.com/jp/genz-trends/」

8秒が勝負!Z世代にウケるアプローチとは

Z世代の特徴としてもう1つあげられるのが、集中力が続く時間の短さです。俗に「8秒ルール」と呼ばれます。

つまり、8秒以内に彼らの心をとらえることができないと、一気に関心が下がるという訳です。

ですから、動画、画像を上手に使い、インパクトや「やってみたい」と思わせるアプローチをすることが大切です。

実際に成功している例を見てみましょう。伝統と未来が出会う場所 日本を、映像を駆使してアプローチしています。

動画自体は3分ですが、最初の数秒で視聴者の興味を引くことに成功しています。

動きのある映像と、静かなピアノの音、日本らしさを印象付ける短いカットが見事に調和して、「行ってみたい」「体験してみたい」という気持ちを起こさせています。

まとめ

拡大が見込まれるインバウンド観光において、行動力があるZ世代をいかに誘致するかは重要な課題です。

そのために、今一度、Z世代の特徴をしっかりととらえ、理解しておきましょう。

彼らはただの若者ではありません。しっかりとした考えを持ち、行動する人々です。また、良いものを上手に発信する能力にも長けています。

世界に大きな影響力を持つZ世代に響くアプローチを行っていきましょう!

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