繁体字と簡体字の違いとは?今さら聞けないインバウンド雑学

中国, 中国語

中国語には「繁体字」と「簡体字」の2種類の漢字が使われています。このこと自体はなんとなく知っていても、実際に何がどう違うのか理解している方はあまり多くないと思います。理解せずに使うと無用なトラブルや手間を引き起こしかねませんから、しっかりと 「繁体字」と「簡体字」 の違いについて学んでいきましょう。

繁体字と簡体字の4つの違い

早速ですが、具体的に「繁体字」と「簡体字」の何が違うのかを解説していきます。

①使われる地域が違う

一般的に、中国・シンガポール・マレーシアなどでは「簡体字」、台湾・香港・マカオなどでは「繁体字」が普及しています。では、なぜこのように地域差があるのでしょうか?

もともと、中国語はすべて繁体字で表記されてましたが、繁体字は複雑で、庶民が覚えるには難しい文字でした。このことから、1950年頃に簡略文字の議論が起こり、結果として生まれたのが簡体字です。中国に倣ってシンガポールやマレーシアなどは簡体字を導入していきましたが、台湾や香港などは導入しませんでした。結果として、現在のような地域差が生まれてしまったわけです。

ただし、最近は観光客の往来が活発化したことや、インターネットの普及などのおかげで、だんだん地域差が減ってきているという見解もあります。

②字体が異なる

前述したように、簡体字は繁体字を簡略化した文字なので、当然ですが字体は異なります。例えば、日本語の「雑誌」は、繁体字では「雜誌」ですが、簡体字では「杂志」となります。なんとなく、同じ文字が元になっていることがわかるはずです。

しかし、中にはパッと見ではわからないほど形が異なっている場合もあります。たとえば、日本語の「売買」は、繁体字では「買賣」ですが、簡体字では「买卖」となります。

「元の文字は同じだから、どっちでも通じるだろう」とはいきませんので注意しましょう。

③表記・表現が異なる

自体が異なるだけでなく、表記や表現が違うことがあります。そのため、繁体字の文字をそのまま簡体字の文字に置き換えただけだと意味が通じないことがあるのです。

例えば、簡体字でタクシーを意味する「出租车」を、そのまま繁体字に変換すると「齣租車」です。しかし、これでは台湾などでは通じません。なぜなら、台湾などではタクシーのことを「計程車」と表記するからです。ちなみに、同じ繁体字圏である香港では「的士」という表記も使われています。

④方言によっても異なる

中国は非常に広大なため、多くの方言があります。有名なところだと北京語(普通語・標準語)・広東語・上海語などが挙げられるでしょう。

同じ簡体字圏・繁体字圏でも、方言によって表記が変わってくるケースがあります。例えば、「こんにちは」は北京語では「你好(ニーハオ)」ですが、上海語では「侬好(ノンホ)」と表記するのが一般的です。また、「美味しい」は北京語では「好吃(ハオチー)」ですが、広東語では「好食(ホウスィェ)」と表記されます。

繁体字と簡体字を翻訳する時の注意点

混同しないように気をつける

繁体字と簡体字は違う字体の漢字もあれば、同じ字体の漢字もあります。例えば、前述した「车(簡体字)と車(繁体字)」のように違う場合もあれば、「租」のように簡体字でも繁体字でも形が変わらない文字もあるわけです。そのため、翻訳するときに字体を混同してしまい、ちぐはぐな文章になってしまうことがあります。

また、前述したタクシーのように、繁体字と簡体字で表記や表現が変わる単語もあるので、この点も混同しないように気をつけることが大切です。

対象読者の地域を把握する

中国語翻訳において大切なことは、しっかりと想定読者を把握し、ターゲットに適した字体や表現で翻訳することです。それは、中国なのか台湾なのかというような大きな括りだけでなく、どの地方・都市に向けたなのかも重要です。

ちょっとした違いのこともありますが、この些細な部分をしっかりと捉えられているかどうかが、訳文の「品質」に直結してきます。そして、訳文の品質は、読者の満足度や信頼感に大きな影響を与えます。例えば、通販などで商品説明の日本語が少し変なことがありますよね。意味自体は通じても、日本語がおかしいとなんだか胡散臭く感じませんか? これは、逆の立場でも同じことであることを理解しておきましょう。

繁体字と簡体字を使い分けて中国ビジネスに挑もう

繁体字と簡体字は自体が大きく異なります。そのため、ターゲットとなる地域に合わせた字体を使わないと、読者に理解してもらえません。実際、同じ書籍でも「繁体字版」と「簡体字版」とを分けて出版するくらいです。それで、自分たちが伝えたいメッセージが「繁体字圏向けなのか?」「簡体字圏向けなのか?」を意識することから始めましょう。

今後、中国語圏へとビジネス展開していくというのであれば、繁体字と簡体字をしっかりと理解し、うまく使い分けていくことが成功するための大前提となります。中国語翻訳の際には、十分に注意しましょう。

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