翻訳者が選ぶ!中国語翻訳に強い会社は?選び方や注意点、相場を徹底解説
現在、訪日外国人旅行者で一番多いのは「中国人」(約800万人)です。観光庁の2018年度の統計によると、訪日外国人の総計は3000万人を突破、そのうち約800万人は中国人とのことです。他の国と比べても、中国人の訪日者数は際立っています。また、法務省の2018年6月末の統計では、現在、在留外国人で一番多いのも「中国人」(約74万人)ということです。
ビジネス・観光における日本と中国の関わりは深く、企業の中国進出や中国人旅行者の受け入れのために「中国語翻訳」を行うことは必須条件といえます。
外国語翻訳を行う際は、「機械翻訳」だけに頼ることは危険です。(こちらを参照)特に、ビジネスでは正確さが第一ですので、専門の翻訳会社に依頼するのがベストです。ですが、どのような翻訳会社を選んだら間違いないのでしょうか?ここでは、翻訳者目線で、ヒントとなる情報をお伝えします。
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中国語翻訳を依頼する際の会社の選び方と注意点
①大手の翻訳会社が良いのか?中小の翻訳会社が良いのか?
大手翻訳会社、中小の翻訳会社、どちらに依頼すれば良いのでしょうか。どちらに依頼するにも、メリット・デメリットがあります。大中小、翻訳会社の規模に関わらず、自社のニーズを満たすことができる翻訳会社を選ぶようにして下さい。
*大手翻訳会社のメリット
・リソースを多く持っている
・対応言語数が多い
・対応できる専門分野が多い
・翻訳分量が多くても対応できる
・スピード納期が可能
・チェック体制が整っている(翻訳品質の保証)
・秘密保持がしっかりなされている
・アフターサービスの充実
中小翻訳会社はリソースが多くないので、翻訳可能な「言語数」と「専門分野」に限界があるかもしれません。例えば、英語・中国語・韓国語は対応可能でも、タイ語・ベトナム語などには対応不可とか、専門分野(法律や医療など)には対応できない、ということがあるかもしれません。また、アフターサービスなど、さまざまなサービス面の限界があるかもしれません。
とはいえ、大手翻訳会社にもデメリットがあります。例えば、実際には下請け会社に作業依頼をしている場合もあるということです。(英語だけ自社対応、他の言語は下請け会社に依頼など)このような場合、中間マージンが発生している可能性もあります。ですから、大手翻訳会社なので安心というわけではありません。
では、どのような基準で翻訳会社を選んだら良いのでしょう?
上記に述べたように、デメリットはありますが、「リソースが豊富で幅広く対応できる」という点で、大手翻訳会社に依頼するのが安心といえるでしょう。そうすることで、不要な労力をカットでき、本来の業務に専念できます。あまり外国語翻訳を必要としない業務(まれに発生)の場合は、大手翻訳会社に依頼するのが良いでしょう。ですが、外国語翻訳を継続的に必要としていて、多く人々の目に触れる案件の場合は、高品質な翻訳かどうか、価格はどうかなどを総合的に判断し、自社のニーズに合った翻訳会社に依頼するようにして下さい。
大手翻訳会社・中小翻訳会社に関わらず、ニーズを満たしてくれる翻訳会社を選びましょう。
②翻訳会社の翻訳の品質を知るために「無料トライアル」を活用する
依頼したい翻訳会社が見つかったら、メールなどで問い合わせ、翻訳の「無料トライアル」を申し込むことができます。大抵の翻訳会社では、日本語400文字程度の「無料トライアル」に対応していますので、ぜひ活用してください。トライアルの結果を見て、翻訳品質はどうか、希望しているものかどうか、確認することができます。満足のいく結果であれば、正式に作業の依頼を行うことができます。もし納得がいかないのであれば、依頼を断ることができます。もちろん、他の要望や改善点がある場合は、そのことを翻訳会社の担当者に伝えてください。
③翻訳会社の担当者とのコミュニケーションも大切な要素
翻訳会社では、「プロジェクトマネージャー(PM)」という、作業案件の担当者が割り当てられます。プロジェクトマネージャー(PM)は、クライアントと翻訳チームの間にいる「橋渡し」のような役割をもちます。PMはクライアントの要望を把握し、その要望に最適な翻訳者とチェッカーを選び、翻訳チームを構築します。高品質な翻訳には翻訳者のスキルも重要ですが、PMの裁量も大きく関係しています。
PMは、担当する案件の翻訳の品質と価格の適切なバランスを保つために、さまざまな提案を行います。クライアントに対する質問事項も多いでしょう。例えば、翻訳物の対象読者について、社内文書か社外文書か、過去に類似の翻訳を行ったかどうかなどです。もし、過去に類似した翻訳のデータがあれば、それを使用することにより大幅なコストカットが可能となります。PMはクライアントの希望を第一にしつつ、案件に対するベストな作業工程を提案します。
クライアントとのコミュニケーションを重視するPMは、メールのレスポンスが速く、クライアントの質問に的確に返答します。PMの言語能力の高さと、言語センスも重要な要素です。適任なPMかどうか、よく判断するようにして下さい。
翻訳品質を保つためには、プロジェクトマネージャー(PM)とクライアントとの「コミュニケーション」が鍵です。
具体例から見る中国語翻訳の注意点
①対象読者の地域を確認する
「中国語」は、中国大陸だけではなく、台湾や香港などでも話されています。中国語は、地域によって種類が異なります。
中国語の表記方法は、「簡体字」と「繫体字」の2種類があります。「簡体字」は主に中国大陸で用いられていて、簡略化された漢字を使用します。(例:「動」は「动」、「車」は「车」)「繫体字」は中国大陸以外の地域(台湾、香港など)で用いられていて、日本の旧字体に近い感じを使用しています。(例:「学」は「學」、「塩」は「鹽」)
中国大陸で話されている標準語は「普通語」、台湾で話されている標準語は「国語」です。「普通語」と「国語」は、多少の違いはありますが、基本的には同じで、中国大陸と台湾の人々は相互に通じ合えます。一方、香港で話されている「広東語」は、中国語の一種なのですが、大陸の「普通語」と台湾の「国語」とは使用する語句・表現・発音などが全く異なり、相互に通じ合えません。とても複雑に感じられると思いますが、想定している中「読者の地域」が分かれば対応できます。
中国大陸:中国語「簡体字」
台湾:中国語「繫体字」
香港・マカオ:中国語「繫体字」または「広東語」
対象読者の地域が1か所であれば問題ないのですが、複数の地域の場合はどうしたらよいでしょうか。様々な方法がありますが、それぞれメリット・デメリットがあります。クライアントのニーズ・納期に合わせて、最善の翻訳方法を選択して下さい。
ここでは、「中国大陸」と「台湾」向けの同時翻訳を例に挙げて説明します。
・翻訳後の「簡体字」を「繫体字」に変換するという方法
最もコストが安く、作業の速度が速い方法です。ですが、「用語」の違いがあるので注意しなければなりません。(例:パソコンの「マウス」は大陸では「鼠标」、台湾では「滑鼠」。「データ」は大陸では「数据」、台湾では「資料」。「イタリア」は大陸では「意大利」、台湾では「義大利」)また、ある「特定の用語」は、大陸では問題なく用いられていますが、台湾ではNGワード(Fワード)になってしまうケースもあります。このように、同じ中国語であっても、大陸と台湾で使用している単語と表現方法には大きな違いがあります。ですから、「簡体字」で翻訳して、そのまま「繁体字」に変換するという方法は(よほど簡単な内容でない限り)お勧めできません。
・「簡体字」と「繫体字」を別々に翻訳するという方法
まったく別の2つの言語として翻訳するため、上記のような問題は生じませんが、コストが2言語分かかります。そこで、以下の方法を用いることもできます。
・「簡体字」で翻訳後、台湾向けに「繫体字」でリライトする方法
簡体字で翻訳後、台湾人によるリライトを行い、台湾向け表記への調整を行います。簡体字から繫体字に変換するだけではなく、台湾の読者が自然に読めるように訳文の調整を行います。(例えば「マウス」を「鼠标」から「滑鼠」に変更するなど)この方法は、ちょうど上記2つの間を取った方法で、別の言語として翻訳するよりも、翻訳コストが抑えられます。
どの翻訳方法を採用するのが一番良いのか、担当のPMと相談して決めることができるでしょう。
②翻訳工程について
翻訳工程にもいろいろあります。以下は「日本語」から「中国語」に翻訳する場合の例を挙げてご説明します。
・中国在住の中国語ネイティブによる翻訳
これは、一般的な商業文書を翻訳するときに最適な方法です。原文の意味を理解していても、ターゲット言語の表現能力が欠けていると良い訳文にはなりません。例えば、日本語の「見る」は、「テレビ番組を見る」「桜を見る」「資料を見る」など、様々な場面で用いられます。中国語「看」(見る)は、日本語と同じように「看电视节目(テレビ番組を見る)」「看樱花(桜を見る)」「看资料(資料を見る)」と表現しても良いのですが、ネイティブは違う表現を使います。テレビを「見る」には「观看」、桜を「見る」には「观赏」、資料を「見る」には「查看」と区別します。
中国語は、動詞の使い分けでより自然な表現に変わります。そして、翻訳が完了した訳文を、日本人(ソース言語ネイティブ)がチェックすれば、原文の意図が正しく訳文に反映されているか確認できます。
例えば、「取扱説明書」や「契約書」などの文法的に正確で理解しやすい商業文書の場合は、中国語ネイティブによる翻訳がよいでしょう。また、中国在住のネイティブ翻訳者に依頼することによって、コストを抑えることも可能です。
・日本語ネイティブ、もしくは日本在住の中国人による翻訳
この方法は、話し言葉が中心の文章(会議の音声など)に適しています。例えば、日本語は主語がなくても文脈から分かりますが、中国語は違います。中国語は主語がないと、誤解が生じてしまいます。また、日本語特有の言い回しや比喩は、日本語ネイティブ、または日本在住の中国人翻訳者でないと理解できないかもしれません。話し言葉中心の文章の場合は、まず日本語ネイティブが翻訳し、次に中国語ネイティブがチェックすることで、より自然な中国語に調整することができます。さらに、出来上がった訳文を読みあげることによって、流暢で自然な文章に調整すること(プルーフリーディング)も可能です。ですが、この方法はコストがかかりますので、一般的な商業文書の翻訳にはあまりお勧めしません。
③メニュー翻訳の注意点
訪日外国人の急増に伴って、飲食店のメニュー翻訳が増えています。ここでは、メニュー翻訳を依頼する際のポイントをお伝えします。
・メニューはシンプルに
中国語の料理名はいたってシンプルで、合理的です。基本的に、「素材名+調理方法」で構成されています。場合によって「素材の形状」や「地方名」がプラスされることもあります。(例:北京ダック「北京烤鴨」は、「北京(地名)」+「烤(調理法:焼く)」+「鴨(材料:アヒル)」という構成です。チンジャオロース「青椒肉絲」は、「青椒(材料:ピーマン)」+「肉(材料:肉)」+「絲(調理法:細切り)」と構成されています。)中国語の場合は、メニューを見ただけで、どのような料理なのかが容易に想像できます。
ですが、日本のメニューは「爆弾ハンバーグ」や「地獄ラーメン」など、抽象的なメニュー名が多くあります。このようなメニュー名は、お店のこだわりが込められている場合もあるので、あえてそのまま翻訳することもあります。ですが、中国人には意味が全く通じない場合もあるので、やはり「材料名+調理法」に翻訳したほうが良いこともあります。また、紙面の都合(外国語のメニューのスペースには限りがあることが多い)からも、短くシンプルなメニュー名翻訳するほうが良いでしょう。
中国語翻訳の翻訳料の相場
・手紙など一般的な文書:2円~/原文1文字(翻訳のみ、チェックなし)
格安料金ですが、品質の保証もありませんので、あまりお勧めしません。
・マニュアル、契約書などの専門的な文書:8円~12円/原文1文字(チェックあり)
一般的な商業文書では、この価格帯が適正でしょう。
・医学、薬学などの高度に専門的な文書:15円~/原文1文字(チェックあり、専門家による校閲あり)
専門分野の翻訳は、作業工程も複雑になるので、その案件ごとに価格が変動します。
翻訳者が選ぶ!中国語翻訳に強い会社は?
株式会社アットグローバル
翻訳実績10万件以上、対応言語40か国語以上、在籍翻訳者1700名以上。さまざまな専門分野(IT・法律・観光・医療など多数)に対応しており、高い翻訳品質を保つためのチェック体制が整っている。無償トライアル、特急サービス、アフターサービス、品質保証あり。多言語デジタルマーケティングも手掛けており、中国向けプロモーションも行っている。
まとめ
今後もビジネスや観光業において、日本と中国の関係は一層深まってゆくでしょう。「中国語翻訳」の必要性はますます高まっています。中国語翻訳を依頼する際には、上記に取り上げたいくつかのポイントを参考に、最適な翻訳会社を選択してください。
株式会社アットグローバルは、中国語翻訳を含む、多言語翻訳を行っています。翻訳に関するあらゆる質問や相談がありましたら、お気軽にご連絡下さい。中国向けマーケティングに関するご相談も、お受けしています。ぜひ、ご利用ください。