中国SNSのKOLとKOCの違いとは?

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はじめに

世界中で人気のSNS。若者だけでなく、子供からお年寄りまで、世代を問わず日常的に使われています。

IT大国「中国」でも、SNSは世代を問わず活発に利用されています。ユーザー人口が非常に多く、独自のネットワークシステムを構築しており、SNSを使ったセールス手法も様々です。

今回は、その一つである「KOL」と「KOC」について紹介します。

KOL、KOCとは?

中国SNSで話題の、「KOL」と「KOC」とは何のことでしょうか?

KOL(Key Opinion Leader/ケーオーエル)とは、「インフルエンサー」のことです。KOLは、ある特定の分野での専門家が多く、消費者の動向に大きな影響力を与える存在です。

このインフルエンサーによる宣伝は、中国の消費者の購買意欲を左右させます。特に人気の高いKOLが「これは絶対お勧め!ぜひ使ってみよう!」と発信すると、「いいね!」と感じた多くの人たちがSNS上で商品を購入します。KOLの存在は、消費者に直接影響があるのです。

KOLは、中国SNSである「Weibo(ウェイボー)」や「WeChat(ウィーチャット)」、自身のブログなどに多くのフォロワーがいます。彼らは中国だけでなく、中華圏の人たちにまで影響を与えています。

一方、KOC(Key Opinion Consumer/ケーオーシー)とは、商品の口コミサイトで影響力を持つ人のことです。消費者の目線で「この商品はここが良い、または、ここが悪い」と発信するので、他の消費者はそういった“生”の声を参考にします。

KOCは特定の業界に特化していませんし、何かの分野での専門家でもありません。しかし中国人消費者は、KOCが発信する意見の方を良いと感じることも多いでしょう。なぜなら、同じ消費者としての立場で商品を評価・判断しているからです。消費者目線での意見は、多くのユーザーの信頼を勝ち得ます。

そういうわけで、企業のマーケティング戦略においても、KOCを採用するケースも多いのです。

KOLとKOCの違いとは?

KOLとKOCの違いとは?

KOLとKOCの違いとはどのような点なのでしょう?

上記でも述べたとおり、KOLは何かの分野での「専門性」を持っている人たちです。彼らはプロとして特別な知識を持っており、メディアに露出する機会も多く、知名度も高い人たちです。SNSでのフォロワーも多く、彼らの専門的な “ためになる情報” を見て、消費者は商品を購入するかどうか大きく左右されるでしょう。ただKOLが得意とする分野ではない場合、出てくることはありません。

一方KOCは、より「消費者」に近い存在です。消費者として商品に対して感じたこと、思った事を発信します。KOLが発信する本音の意見は、消費者の心を捉えることができるでしょう。KOCは、KOLよりも後に出てきました。KOLのようにフォロワーは多くはないものの、消費者が本当に知りたいことを発信しているので、根強いファンが多いのが特徴です。

KOLの代表例・リージャーチー(Austin)さん

リージャーチー(李佳琦)さんという、化粧品メーカーの美容部員からKOLになった人がいます。彼はトップインフルエンサーとして、年間10億元を売り上げたこともあります。Weiboフォロワー数は2900万人を超え、美容系のジャンルで圧倒的に多くのファンを獲得しています。たった5分間のライブ配信中に、15,000本もの口紅を販売したこともあります。また、2か月間で6600万点のコスメ商品を売り上げたこともあります。

元化粧品メーカーの美容部員として、化粧品に関する知識が豊富なうえに、どういう人に似合うのかまた似合わないのか、はっきりと意見を発言しています。こういった本音トークが、多くのファンの信頼を勝ち取っているようです。

KOCの影響力

KOCはKOLに比べて影響力が弱いように見えるかもしれません。ですが「ECのミカタ」のリサーチによると、KOCの方が商品の善し悪しをダイレクトに消費者に伝えることができるので、販売に強い影響を持っていることが分かります。

出典:ECのミカタ

中国で月間利用者1億人突破の人気SNS「小紅書(RED)」の利用実態のアンケート調査からも、中国人の動向を知ることができます。中国では、商品情報の検索や収集に「SNS」の活用が多く、中でも「KOC」が発信する商品情報を見て、実際の商品購入や店舗への来店に至っているとのことです。中国人の消費者に、KOCの持つ役割がとても大きいということが分かります。

KOL/KOCのデメリットも

中国では影響力を持つKOLとKOCですが、マーケティングにおいて、思わぬ“落とし穴”もありますので注意が必要です。

例えば、悪質なKOLの場合です。シェア数がとても多いのに、それに対し「いいね」やコメントが少ないのは不自然です。投稿から、相当時間が経っていることもあります。こういった場合は、不正にシェアを行っている可能性があります。日本にいて中国SNSのアカウントがなく実情を見れない状況だと、こういった不正に気づかないこともあります。申告していた数字も偽りになるうえ、すでに支払った広告費も無駄になってしまいますので注意しましょう。

KOCを起用したマーケティングでは、KOLに比べてリーチ力が弱く、消費者に届きにくいという難しさがあります。それは仕方のないことかもしれません。そして、レビューの投稿者の用いる写真の質がばらばらで、ブランドイメージを保つことが難しいという面もあります。ブランドの高級感・ハイブランドのイメージを作ることは難しいでしょう。

KOLやKOCを活用したマーケティングでは、メリットだけでなくデメリットも理解したうえで活用してゆくことをお勧めします。

まとめ

中国SNSでの「KOL」と「KOC」の起用は、中国マーケティングにおいて欠かすことのできない存在になっています。今後も発展の可能性の高い中国マーケティングにおいて、各々のメリット・デメリットを理解し、最も効果的な戦略を打ち出すことが求められるでしょう。

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