「爆買い」ブーム沈静化?訪日中国人インバウンド対策
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なぜ爆買いが沈静化しているのか
中国では2019年1月より「電子商務法(電商法) 」が施行され、この法律により「ソーシャルバイヤー」に対する規制が厳しくなりました。ソーシャルバイヤーとは、海外で購入した物品を「淘宝(タオバオ)」や「微信(wechat)」などのSNSを通じて販売する人々のことです。
小売店で商品を大量購入して転売するには、営業許可証の取得が必要となり、納税義務も課されるようになりました。個人のソーシャルバイヤーも例外ではなく、納税対象となります。
この「電商法」に違反すると、最高で200万元の罰金が課されます。これは、1元を16円で換算すると、日本円で約3200万円にも上る金額です。そのような状況のため、訪日中国人旅行客による転売目的の「爆買い」は今後沈静化してゆくかもしれません。
ソーシャルバイヤーが大量購入する主な商品は、日本製の化粧品やベビー用品です。ドラッグストアや百貨店で大量購入し、中国国内で転売することにより利益を得てきました。ですが、この1月から施行された「電商法」により、ソーシャルバイヤーの爆買いが失速しているようです。
東洋経済の報道によると、絶好調だった百貨店の化粧品販売の売上高はすでに大打撃を受け始めているとのことです。
https://toyokeizai.net/articles/-/264431
そのため、インバウンド対策として、今後の訪日中国人旅行客の購買動向を分析してゆく必要があります。それだけではなく、各国から日本に訪れる外国人旅行客の購買傾向を知り、より細やかなインバウンド対策をすることが必要となってゆくと思われます。
これからのインバウンド対策
どのようにインバウンドビジネスのチャンスを掴んだら良いのでしょうか。一つの方法として、「Payke」などのツールを使って訪日外国人の購買傾向データを参考にすることができるかもしれません。「Payke」とは、商品のバーコードをスマホで読み取るだけで、商品の情報が多言語(現在7カ国語)で見れる、日本語が分からない訪日外国人にとって非常に便利なアプリです。
このアプリを使って商品のバーコードをスキャンすると、薬であれば成分や用法、化粧品であれば用途使い方、食品であればテイストや食べ方の説明を、利用者の母国語ですぐに見ることができます。
たとえば、日本人であればだれもが知っている胃薬「太田胃散」のバーコードをスキャンしてみましょう。
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現在7ヶ国語(英語、中国語繁体字、中国語簡体字、韓国語、タイ語、ベトナム語、日本語)で対応しているようです。まずは日本語でみてみます。水色のカメラのマークをタップして、商品のバーコードをスキャンします。
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するとこのように「太田胃散」に関する情報が出てきます。何の薬で、どのような効能があるか、用法について説明がなされています。
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同様に、英語と中国語簡体字でも商品説明がされています。他の言語でも同じように見ることができます。
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このアプリは、外国人が日本で買い物をする際に非常に役に立ちます。まだ知らない日本の商品を、スマホで商品のバーコードをかざすだけで、何の商品なのかすぐに理解できるからです。
商品情報を的確に伝えることができれば、購入率の増加につながります。現在「Payke」のユーザー数は250万人もいるそうです。外国人がどこで何を購入したいと思っているのか、購買消費動向を知ることは、インバウンド対策に欠かせません。Paykeでは、ユーザーの国籍、言語、年代、性別、どこでバーコードをスキャンしたか、どんな商品がスキャンされたか、などの情報を知ることができるので、商品のマーケティング分析に役立つと思われます。
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中国人ソーシャルバイヤーによる爆買いの傾向は今後沈静化していくとしても、訪日外国人旅行客は増加しており、2018年は3000万人を突破したそうです。
https://www.jnto.go.jp/jpn/news/press_releases/pdf/181219.pdf
まとめ
今回の「電商法」により転売目的の「爆買い」は沈静化するかもしれませんが、日本商品が売れなくなったわけではありません。むしろ、販売ルートが限定されていくことで、正規の事業者にとってはチャンスが広がる可能性もあります。今後も、訪日外国人の集客アップと、商品の購買率アップのために、的確な商品説明とその説明の「多言語化」などの対策を行っていくことが必要ですね。