中国の大学入試で「日本語」受験者が急増した意外な理由とは?

中国語

はじめに

中国では、毎年「高考(ガオカオ)」という大学入試試験が行われます。中国の学生にとって、人生をかけた大事な試験です。競争はとても激しく、厳しい試験となります。

ここ数年、この大学受験の外国語科目で「日本語」を選択する生徒が急増しているんです。2020年は、10万人もの学生が日本語を選択しました。では、なぜ今中国人の学生は「日本語」を学ぼうとしているのでしょうか。その理由を探ってみようと思います。

日本語受験者が急増


出典:公益財団法人日本経済研究センター

上のグラフを見てお分かりのように、日本語を選択する学生はうなぎ上りの状態です。2016年は約1万人にすぎなかったのですが、2020年には10万人を超えました。たった4年で、10倍という勢いです。すごい勢いですね。

これまでは、ほとんどの受験生は「英語」を選択してきました。他にも、ドイツ語・スペイン語・ロシア語・フランス語があり、自由に選択できます。ロシア語など、他の言語はそれほど選択者は増えておらず、日本語だけが人気が上がっているようです。

なぜ日本語を選択?

なぜ日本語が人気なのでしょう? その理由の1つは、「英語のレベルが非常に高い」ということです。中国では、英語は小学生から必修科目です。そのため、試験のレベルが高く、高得点をとることはとても難しいのです。それに比べると、「日本語はやさしいので点が取りやすい」のです。実際、高校では日本語クラスがないので、独学で学んだ学生でも合格点を取ることができています。今後、日本語試験のレベルが上がるのかどうかはまだ未定です。

また、中国人にとって、日本語は英語よりも習得しやすいという点も関係しています。日本語は中国語と同じ「漢字」を使用しますので、視覚的には理解しやすいでしょう。日本人が中国語の文章を、なんとなくすぐに理解できるのと同じかもしれません。

そして、中国の若者は、日本のカルチャーの影響を受けているということも要因の一つです。子供の頃から、日本のアニメ・ドラマ・音楽などに接しています。日本の文化は中国人にとって身近な存在になっていますので、日本語に興味を持つ若者が多いのでしょう。

ただずっと日本語を勉強するかというと・・?

しかし、中国人学生の日本語熱がずっと続くかどうかは不透明です。やはり、今後の就職先に有利かどうかを考えると英語を選択する学生の方が多く、日本語を学んで日本企業に就職を望んでいる学生はそう多くないのが現状です。

とはいえ、この日本語熱の高まりから、日本語クラスを設置する高校は増えています。ですが、肝心の「日本語教師」が足らず、“取り合い”状態になっています。もし日本語教師を十分に確保することができれば、今高まっている日本語ブームは続くかもしれません。

まとめ

中国人の若い人たちは「日本好き」が多いですし、SNSなどで日本に関する情報をたくさん得ています。子供のころから日本のアニメやドラマを見ていて、自然と日本語に接しています。そして、「いつかは日本に行ってみたい」「日本語を学んでみたい」と思っているんです。残念ながら、日本語教師不足で国内では十分に学ぶことはできないようですので、改善されてゆくと良いですね。もしかしたら、日本語ニーズは続くかもしれません。

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