中国マーケティングで「ライブコマース」を成功させるには?
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はじめに
電子決済の普及などIT化が進んでいる中国は、EC市場の景気も非常に好調です。
「ライブコマース」を使った商法も進んでおり、アリババなどの大手ネット通販事業者が積極的に取り入れています。中国国内のライブコマースによる売り上げは、2020年時点で17兆円規模に達しており、今後も高い需要が見込まれています。
このように景気好調なライブコマースですが、ここではライブコマースが抱える難しさと、それでもなぜ人気が高いのか、また中国向けライブコマースを成功させる秘訣をご紹介します。
中国でライブコマースがどれほど好調かは、こちらの記事をご覧ください。
ライブコマースの難しさ
中国のライブコマースには、いくつかの問題点もあります。どのような問題を抱えているのでしょうか?
不正行為が多い
運営サイトがとても盛り上がっているように見せるため、KOLが自身の人気度をもっと上げるために、視聴者数・コメント・いいねの数を“購入”して水増ししている場合があります。ですので、盛り上がっているように見えても、実際はそんなことはないという事態が生じています。
商品の返品が多い
過大広告をした場合に、商品の品質が広告と違ったということで多くの返品が生じています。たとえ適切に広告をしたとしても、ライブコマースは「低価格」が売りです。購入者は広告で感じたものと違う(質が悪い)ということで、返品するケースが多発しています。
人気「KOL」の起用は高額
ライブコマースに必須の「KOL」と「KOC」ですが、「KOL」は売れっ子インフルエンサーや専門分野(化粧品など)のプロなので、商品の売り上げ数に抜群の効果があります。ですがその分、「KOL」の起用には高額なコストがかかります。
「KOC」は個人消費者や店舗のスタッフなどなのでコストはかかりませんが、人々に与える影響力が強いわけではないので、商品の売り上げには直結しないことが多いかもしれません。
ライブコマースはなぜ人気が高いのか
さまざまな問題点がありながら、なぜ中国ではライブコマースの人気が高いのでしょうか?その理由をいくつか見てみましょう。
簡単に見れて購入できる
ライブコマースは、中国人誰もが日常的に使っているスマホのアプリ(「タオバオ」など)で簡単に見ることができます。ある商品を「欲しい」と思ったら、すぐにモバイル決済で購入できるので、非常に手軽で便利です。
お買い得感がある
ライブコマースで宣伝する商品は、一般価格よりも「安い」ことが売りです。いつでも「キャンペーン価格」で売っているので、消費者から見ると「店にいくより、今ここで購入するほうがお得」であるとメリットを感じます。
有名「KOL」が宣伝している
「KOL」と呼ばれるトップインフルエンサーは専門家やプロなので、信頼されています。有名インフルエンサーがお勧めしている商品であれば大丈夫と、安心して商品購入するわけです。中国では、インフルエンサーによる影響力は抜群です。
中国向けライブコマースで成功するポイント
日本の企業がライブコマースを使って商品PRする場合、どうしたら成功できるのか、いくつかポイントをお伝えしましょう。
お買い得感をアピールする
ユーザーが良い商品を安く買いたいのは当たり前です。品質の良い商品であること、しかもお買い得であることを強調しましょう。
商品の魅力をアピールする
例えば、中国人が好む「安心・安全」「オーガニック」「赤ちゃん子供も使える」「健康」「長寿」「アンチエイジング」「美白」といった、セールスポイントを押さえ、これらの魅力を積極的にアピールしてください。
商品の効果をアピールする
例えば、化粧品や健康食品であれば、その目に見える効果を分かりやすく伝えましょう。靴や衣料品などであれば、実際に着用したイメージ画像や動画が効果的です。
企業側の地道な努力
例えば、社長やマネージャーなどの商品を売る人が自ら出演してPRすると、視聴者に親近感を持ってもらえるかもしれません。商品を開発した人が、その商品の魅力と開発にかけてきた思いを熱く語れば、視聴者は心を動かされるでしょう。企業の好感度もアップすること間違いありません。
信頼できる「KOL/KOC」を起用する
企業イメージ、ブランドイメージ、商品の価値、これらは起用する「KOL/KOC」に左右されます。影響力があり信頼されているインフルエンサーを起用して、商品のPRをしてもらうことにしましょう。
今すぐ購入するよう促す
「キャンペーン価格は今だけ」とか「モバイル決済ですぐ買おう」など、視聴者にいち早く購入を促すことが大切です。
不正や過大広告をしない
当たり前ですが、不正や過大広告はNGです。多量の返品をされて赤字になってしまい、信頼を失うことにつながりかねません。適正な広告を行い、良い商品を販売し、購入者に満足してもらうことを目指しましょう。
まとめ
今回は、ライブコマースの難しさ、それでも人気が高い理由、さらには中国向けのライブコマースで成功するための秘訣をご紹介しました。
ライブコマースは、今後さらに発展すると予想されます。中国だけでなくアメリカでも流行の兆しが見えていますが、日本でも間もなく流行するかもしれません。日本企業で中国向けライブコマースをお考えでしたら、今回の情報を参考にしていただけると嬉しいです。
新型コロナウイルスの感染拡大によって、社会全体が大きな影響を受けています。こうした状況下でも、多くの企業が生き残りをかけた新たな商法を模索し続けています。創意工夫し、withコロナ時代を生き抜いていきましょう。
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