中国向け「ライブコマース」での “爆売り” が熱い!
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はじめに
「ライブコマース」という言葉を聞いたことがあるでしょう。
コロナ禍が落ち着きつつある昨今、中国国内市場は景気が好調です。ストラテの過去記事もご覧ください。
日本から中国向けのライブコマースを行って “爆売り” が成功しているケースがあるようです。ここでは「ライブコマース」の市場規模と今後の可能性について、三菱UFJリサーチ&コンサルティングのリサーチからお伝えします。
ライブコマースとは?
ライブコマースとは、「ライブ配信」と「EC(electronic commerce)」と呼ばれる電子商取引を合わせた販売の方法で、インターネット上で、さまざまな商品(サービス)を売買することです。
ぱっと見「ジャパネットたかた」のようなテレビの通販番組を思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、ライブコマースの特徴は「双方向性」です。メリットとして視聴者は配信者にリアルタイムで質問したり、配信者と他の視聴者がコメントしたことを参考にできます。よって商品の詳細情報を確認でき購入につながりやすいとされています。
メーカー(販売者)が、自社サイトで行う場合もあれば、ライブコマースプラットフォーム上で行う場合もあります。またメーカーの店員が配信する場合もあれば、「インフルエンサー(KOL)」を起用することもあります。
中国でのライブコマースはまさに「巨大市場」
中国には、ライブ配信の利用者が約6億人(インターネット利用者の過半数以上)もいます。その増加に伴い、ライブコマース利用者も増えているため、2020年3月時点で2億6,500万人ですが、今後もっと増加すると予想されています。
ライブコマースの市場規模は、2019年時点で4,338億元で、日本円(1元16円換算)で6兆9千億円という巨大市場です。
2020年は9,610億元に達すると予測されていて、日本円(1元16円換算)で15兆円という驚異の数字となっています。さらに別のデータでは、2020年は17兆円であったと報告されていて、同データによると商品のライブをする企業や一般人は、中国国内に限らず世界各地に住む人を顧客にしているようです。
コロナ禍にありながら、中国でのライブコマースはまさに「巨大市場」で、物が飛ぶように売れています。売られているものとしては、化粧品に続いて服などの日用品が人気の商品となっています。
ライブコマースの利用頻度と購入商品
下記のグラフからライブコマース利用者の半分が、月に1回以上、商品を購入していることがわかります。
購入する商品は、衣料品、日用品、グルメ、化粧品、家電の順に多いことがグラフから読み取れます。
なぜライブコマースで商品購入するのか
ライブコマースで商品を購入する人たちは、「費用対効果が高い」「商品が気に入った」「割引価格である」「キャンペーン中だから」という、お得感が高いので購入に至っているようです。
どのようにライブコマースで商品が販売されているのか
「ライブコマース」があまり身近にないとどのようなものなのか、イメージが湧きにくいかもしれません。
どういう人が、どんな目的で、どのように商品を紹介しているのか、分かりやすくまとめられたYouTubeの動画がありますので是非ご覧ください。
とはいえ数々のトラブルも発生している
上記のグラフからもわかる通りでトラブル件数は半数以下にまでなっています。その中には「虚偽宣伝」、「商品の出どころが不明」というトラブルが多く、実際ライブコマース利用者の37%の人が何らかのトラブルに遭っている。
トラブル例としては、
「“焦げ付かない鍋” として宣伝していたが、何度も焦げ付いた」
「インフルエンサーがブランドのダウンジャケットを宣伝したが、実際に届いたのは偽物であった」など。そしてインフルエンサーに問い合わせても連絡が取れないなどのといった事例が取り上げられています。
今後は、ライブコマースに関する法令の整備と、さまざまな対策が必要となるでしょう。以下が法律の一覧になります。
まとめ
ライブコマースは直接店舗で購入できず商品を自分の目で確かめることができないことからいろんなトラブルにつながりかねません。そのため、販売者は商品の実態をより正確に、偽りなく伝えることを徹底することがトラブルの根絶には欠かせない、と考えています。
しかし、まだまだコロナウィルスが流行しているなかで、ステイホームしながらも商品を手に入れるための最適な「ライブコマース」には注目するべきです。通信販売は、商品販売者とそこから離れて所に住む購入者をつなげる非常に便利なツールです。
中国市場は巨大で、コロナ禍という逆風でも飛ぶように商品が売れ、カメラの前でセールスすることで売り上げや利益を数百億にも伸ばしていることも興味深い点です。
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