天猫(Tmall)とは?中国マーケティングの最新トレンド

中国人が「旅マエ」「旅ナカ」に買い物情報を集めるサイト

Tmallとは?

「Tmall(天猫)」(Tモール)は、中国の最大手アリババグループが運営する、中国向けのオンラインショッピングモールです。年間購入者数が8億人を超え、中国国内のEC市場で約半数以上を占める、巨大プラットフォームです。

「Tmall(天猫)」(Tモール)には、「Tmall Global(天猫国际)」(Tモールグローバル)という「越境ECプラットフォーム」があり、こちらも中国国内で最大規模です。

もともと「淘宝网(タオバオワン)」だったのが、後に「Tmall(天猫)」と「Tmall Global(天猫国际)」が別に誕生しました。タオバオワンとTmallとの違いは、ずばり「品質」です。タオバオワンでは「偽物ブランド」が出回っていましたが、Tmallでは「正規ブランド」だけが販売され、中国国民から “信頼できる通販サイト” として人気が高まりました。

「淘宝网(タオバオワン)」は「個人」で出店できますが、「Tmall(天猫)」は「基準を満たした企業」でなければ出店できません。タオバオワンの出店費用は無料ですが、Tmallは出店費用がかかります。

中国人がTmallで日本の買い物情報を調べる方法

中国人は「旅マエ」と「旅ナカ」に、「Tmall(天猫)」を見てチェックしています。「どのような商品があるか」「あの商品売っているだろうか」「値段は高いか安いか」などを確認して、「オンラインで購入する方が得か、それとも日本で買った方が得か」など、いろいろな側面から比較・検討しているのでしょう。

では、「Tmall Global(天猫国际)」のサイトで、どのような日本の商品が掲載されているのか、見てみましょう。

日本の商品がジャンル別に分けられています。美容・食品・健康食品・ベビー用品・服飾雑貨・日用雑貨・電化製品など、興味のある分野をここから選択します。

中国人女性に人気の「化粧品」を見てみましょう。スキンケア・メイクアップ・ボディケア・ブランド別に分類されていて、掲載商品数も多そうです。おなじみの、資生堂・SK-II・花王・キャンメイクなどはもちろん、日本で買える外国ブランドも多数掲載されています。中国人に認知度の高い、韓国ブランドも結構あります。

「食品・健康食品」を見てみると、効能別に商品を検索できるようになっています。体力増強・疲労回復・ダイエット・眼精疲労など、必要としてしているサプリメントを選ぶことができます。中国では多くの人が、高品質な外国製のサプリメントを購入したいと思っています。健康食品や、サプリメントに対する興味はとても高いようです。

「日用品」では、どのような商品が掲載されているのでしょうか。浄水器・浄水ポット・空気清浄機・美顔器・水筒など、中国人が必要としている商品が選べるようになっています。

日本の「ベビー用品」は、非常に人気があります。赤ちゃんには、安心・安全な物を使いたいと思っているからです。粉ミルクや紙おむつはもちろん、ベビー用の虫刺され薬や、肌トラブル用の用品、ベビー用歯磨き粉、ベビー用ボディソープ、哺乳瓶など、たくさんの商品が掲載されています。

サイト上では、海外商品がずらりと宣伝されています。現在の日本の商品は、花王のヘアカラー、ドクターシーラボの化粧水、資生堂のヘアパック、カシオの腕時計、美顔器、フルグラなどが宣伝されています。これらの商品は大手企業の商品で、知名度も高いものです。

面白いことに、こちらの商品も掲載されています。これは、日本の通販サイトで有名なヘアカラーですね。

中国人は、日本の有名ブランド商品も大好きですし、高級志向でもあります。でも、若年層になると、「今日本で流行っている商品」「ちょっと目新しい商品」「人気のある通販商品」にもアンテナを伸ばしています。実際、SNSで「日本で評価の高い商品」の情報をたくさん拡散していますので、日本の商品を熟知しています。

もうすでに大勢の中国人が、日本の有名ブランドの商品は使ったことがあるので、まだ使ったことのない、何か良さそうな商品が出ると、使ってみたくなるのでしょう。

出店方法と金額感

「Tmall (天猫)」と「Tmall Global(天猫国际)」に、出店をしている企業は多数あります。一例をあげると、ユニクロ、無印良品、CASIO、SEIKO、資生堂、KOSE、カネボウ、ALBION、小林製薬、ロート製薬、マツモトキヨシ、パナソニック、HITACHI、TIGER、象印、サントリー、日清、ニトリなどです。(まだまだあります)

アリババジャパンの報告によると、「Tmall Global(天猫国际)」での売り上げは、日本製品が4年連続1位を獲得したとのことです。中国市場において、日本の商品の人気が高さが分かります。今後も、越境ECのニーズは高まってゆくでしょう。

「Tmall(天猫)」と「Tmall Global(天猫国际)」に出店をしたい場合、アリババジャパンのサイトから直接問い合わせることができます。出店するために必要な条件・基準・費用などは、担当者と話し合って詳細を決定してゆくことになります。

Alibaba JAPAN公式サイト

ここでは、おおまかな出店条件・基準・金額などをご説明します。掲載したい商品によって、必要とされる条件・基準・金額は変わってきます。ここでは全てを解説することは出来ませんので、ご了承ください。

「Tmall(天猫)」への出店

「Tmall(天猫)」に出店するには、中国の現地法人が必要です。中国で会社を設立する、または中国企業に業務委託するなどの方法をとることが必要となります。開店までのハードルがとても高いため、日本企業の多くは「越境EC」である「Tmall Global(天猫国际)」の方を利用しています。こちらですと、日本から自社商品を中国向けに販売することが出来ます。

「Tmall Global(天猫国际)」への出店

「Tmall Global(天猫国际)」には3つのビジネスプランがあります

1:Tmall Global (TMG) ブランドがサイトでの旗艦店を運営する
2:Tmall Direct Import (TDI) アリババがブランドから商品購入し販売する
3:Tmall Overseas Fulfillment(TOF) アリババの海外倉庫を活用して商品を販売する

出店に必要とされている条件

・中国国外の企業(外資企業)であること
・自社ブランドを持っていること
・商標を取得していること(例:小売店では第35類)
・大手企業であること
・業界第3位以内の実績を持っていること
・認知度の高い企業、ブランド企業であること
・売り上げが期待できる企業・商品力を持っていること
・会社内に越境EC専門のチームを持ち、頻繁に行われる問い合わせに対応できること

*これは概要ですので、Tmall担当者に詳細をご確認ください。

加入申請時に必要とされる資料

・企業の会社成立証明証書
・企業の税務登記証明書、最新の納税証明書
・企業の代表者・店舗責任者の身分証明書、ライセンス証明
・企業の中国国外の銀行口座所有証明書、銀行預金残高証明書
・その他Tmallが必要とする書類

*こちらも概要ですので、Tmall担当者に詳細をご確認ください。

出店までのおおまかな流れ

・出店条件を満たしているかの事前審査(審査に合格すると1回目の入金が発生)
・本審査、必要書類の確認(審査に合格すると2回目の入金が発生)
・販売のための店舗ページ作成
・店舗オープン、出品開始

出店に必要な初期費用

・出店保証金 25,000ドル
・年間利用料 商品によって異なる(5,000ドル、10,000ドルと異なる)
・技術サービス料(カテゴリーによって異なる)
・販売手数料
・その他、輸出関連、倉庫物流関連、店舗運営、広告費用など

*必要な費用は販売商品によって異なります。Tmall担当者と相談し、詳細を確認してください。

「Tmall Global(天猫国际)」越境ECは、社名登録・商標登録などを中国で行う必要はなく、日本から中国に商品販売できるので、多くの日本企業が利用しています。出店の条件・基準は高く、出店費用も必要です。ですが、そうすることで「正規ブランド品」販売のサイトとして信頼を得ることができます。

まとめ

今後も大きな可能性を秘めた、巨大中国市場。中国人は日本製品が大好きです。今後も多くの中国人が、越境ECを利用するでしょう。有名日本ブランド商品はすでに知名度が高いので、今後も安定して商品を購入してゆくでしょう。ですが、中国人の志向も少しずつ変化しています。もっと違った、新しい、魅力的なものにアンテナをのばしています。

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