ウィズコロナ時代を生き抜くための取り組み-生活者を支援するプロジェクト編

ウィズコロナ時代を生き抜くための取り組み

新型コロナウイルスの感染拡大と、それに伴う外出自粛・移動規制により、わたしたちの生活は一変しました。緊急事態宣言が解除されて、感染者もピークを打ったように思われますが、油断すると第2、第3の感染の波が襲ってくる可能性が高く、ワクチンが開発されるまで何らかの制限が続くと考える人は少なくありません。

「ウィズコロナ」(コロナウイルスとの共存)を覚悟しなければならないなか、企業は様々な創意工夫を働かせています。さまざまなビジネスシーンで、オンライン上でバーチャルに提供できるサービスや商品の開発が進んでいます。

今回は、「生活者を支援するプロジェクト」編として、企業が実施を始めた6つの事例を紹介します。

貝印「オンラインヘアサロン」

オンラインストアの貝印は、第一線で活躍中の美容師・ヘアメークアーティストの協力を得て、「オンラインヘアサロン」の動画をユーチューブ上で公開しています。なかなか美容院に行けなくて困っているビジネスマンやOLのみなさん、お子さんのカットなど、セルフカットの方法やおすすめの道具を紹介しています。

貝印は、料理やビューティー、みだしなみのためのグッズを取り扱っています。

オンラインヘアサロン produced by 貝印から

前髪が伸びて困っている方々が多いと思いますが、この「WEB会議映え!ナチュラル前髪」の美容師さんが紹介してくれたセルフカット方法は、とても勉強になりました!

出演している美容師の方々は「たとえオンライン上でも、 みなさんとの出会いが励みになります。 またいつか、美容室で再会できる日のために」と語っていて、自身のサロンのPRにもなっているようです。

キリンビール史上初の会員制生ビールサービス「ホームタップ」

画像提供:キリンホールディングス株式会社

家で、家族と生ビールを楽しむ、会員制生ビールサービス「ホームタップ」が好評です。キリンビールが2017年から開始しているサービスですが、ユーザー満足率96.4%といいます。

自宅につくりたてを追求した生ビールが届き、専用のビールサーバーから注いで、家族や友人とホームパーティーを楽しめるなんて、ビール好きにはたまらないプチ贅沢ですね。月額税込み8250円からの定額サービスです。ビールサーバーはレンタルです。定番ビールは一番搾り最上位ブランドの「一番搾りプレミアム」です。なんだか、とっても、生ビールが飲みたくなりましたね。

第一生命保険、オンライン喫煙外来で社員の「卒煙」を支援

メディカリーのHPから

企業の健康診断や病院の外来、健康指導も、コロナの影響で、対面での実施が難しくなっています。全国に1200の事業所を擁する第一生命保険では、オンラインの禁煙外来を全額負担し、社員のために提供しています。メドケアの健康経営推進サービス「Medically(メディカリー)」のオンライン禁煙外来です。

メディカリーは、スマートフォンを活用し、テレビ電話で医師による診察を受け、禁煙補助薬を処方します。自分の空き時間に利用できて、受診していない人にはMedicallyからプッシュメールが送信され、受診予約を促す仕組みとなっています。

第一生命保険は、日経ビジネスの取材に対して、「いつでもどこでも医師による診断で、申込者が従来の1.5倍になった」と語っています。初回の面談率は7割と高く、2回目以降の面談は1回につき10分程度と短時間で済むので好評だということです。

世界各地で立ち上がる「ドライブインシアター」、日本ではクラウドファンディングがスタート

大きな打撃を受けているエンターテインメント業界ですが、「ドライブインシアターこそ、社会的距離を保ちながら、人々を勇気づけることができる」との思いで、日本では、クラウドファウンディングがスタートしました。

シアタープロデュースチーム「Do it Theater(ドゥイット・シアター)」(運営会社:株式会社ハッチ/所在地:東京都目黒区中目黒)が立ち上げた企画です。宮沢りえさん、爆笑問題さんも賛同者に名前を連ねておられます。文化保護活動のほか、感染予防の啓発、感染対策やエンターテインメント業界への寄付をします。クラウドファウンディングのページでは、イベントの告知も行っています。今後、順次、東京の名所や、有名ビーチで、ドライブインシアターを作っていきます。

活動支援を募るユーチューブの動画 https://www.youtube.com/watch?v=y73zT7ebpLo

ペコ、「WORLD PETS EXPO 2020」

国内最大級のペット専門メディア「PECO」を運営する株式会社PECOは、GW期間中に、自宅にいながら動物園の動物を観察できるオンライン動物園など、ペットと一緒にペットオーナーが自宅で楽しめるオンラインEXPO「WORLD PETS EXPO 2020」を実施しました。開始2日間で、目標来場数の10万に達しました。

 

株式会社PECOのHPから

PECOには、月間1,000万人のユーザーネットワークがあります。今回のオンラインEXPOでは、愛猫家で知られるサンシャイン池崎さんや青木さやかさんがイベントを盛り上げました。ペットオーナーの夢「うちの子デビュー」ができるオンライン・ペット・フォトグランプリ、専門家による「しつけ」「食と栄養」のセミナーといった、ためになる、楽しい催しで盛況だったようです。

忍耐も必要なステイホームの期間を、動物たちとオンラインで触れ合うことによって、明るく過ごした方々も多くいらしたことでしょう。

おうち時間を、楽しく過ごそう-「HAPPY HOME PROJECT」

山形県のブライダルコーディネーターたちが立ち上げた企画「HAPPY HOME PROJECT」は、「なんでもないお家の時間を『最高な時間』へ」と変えていく、おしゃれで文化的なオンライン・カルチャー講座のシリーズです。5月2日 には、定員8人・参加費3000円(花代、送料込み)で、ブライダルのフラワー担当者が、つぼみから楽しむアレンジメントを教えました。

講座のイメージ写真。HAPPY HOME PROJECT のHPから

この企画を立ち上げたブライダル会社「アルトバルーン」の伊渕南々絵さんは、「結婚式のようなイベントは中止・延期になり、今まで経験したことないような想いをしている人がたくさんいる」「私たちのような『人と人との触れ合い・コミュニケーション』を生業としている人たちは、今までと同じ方法では、なにもできる術がありません。前に進めない日々もありました。でも、この時代に生まれた「今」だからこそ、その先に新しい「何か」が生まれるのでは」と、熱い真摯な思いを語っています。

同じく5月には、29歳のイケメン3児のパパである日本酒製造責任者を囲み、定員12名で「日本酒オンライン飲み会」が行われました。参加費2,500円(お酒代+イベント参加費)+お酒の郵送料で、山形のおいしいお酒を楽しめたようです。

楽しそうです。参加したかったなあ。

まとめ

「ウィズコロナ」時代には、「コロナ前」に立案・実施されてきたサービス提供の施策の多くを白紙に戻すことも必要です。状況の変化に合わせて新たな施策・サービスを検討しなくてはなりません。

さまざまなアイデアを絞って、困難ななか、前向きにこの問題に取り組むサービス提供者に心からの尊敬とエールを送りたいと思います。ストラテでは、今後も事業者の皆さんの新たな取り組みをレポートしていきます。

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