ウィズコロナ時代を生き抜くための取り組み-「素敵なプロジェクト」編

新型コロナウイルスの感染拡大と、それに伴う外出自粛・移動規制により、わたしたちの生活は一変しました。

緊急事態宣言が解除され、感染者もピークを打ったように思われますが、油断すると第2、第3の感染の波が襲ってくる可能性が高く、ワクチンが開発されるまで何らかの制限が続くと考える人は少なくありません。

「ウィズコロナ(コロナウイルスとの共存)」を覚悟しなければならない中、アイデアを振り絞ってサービス提供に取り組む事業者に向けてエールを送る呼びかけが数多く出てきています。このコラムでは「素敵なプロジェクト編」として、心に響くエールをいくつか紹介します。

岐阜新聞広告、2メートル離れて読むと「粋な文字」が浮かび上がる

5月6日の岐阜新聞の朝刊に掲載された全面広告は、入社2年目の社員が、パワーポイントで作った手作り感覚の意欲作でした。2メートル離れて紙面をみると、水玉模様から、「離れていても 心はひとつ」という字が読みとれる、という仕掛けです。ソーシャルディスタンスをお題にした、ストレートで、心温まるメッセージ広告です。

この広告をつくったのは、営業局営業部の蜂谷優太さん。5月1日から紙面で展開してきた企画「Stay Home with newspaper」のラストを飾り、読者のみなさんからは、「感動した!」と反響が寄せられました。この企画は、新聞を使って家で楽しめることを提供しよう、と始まり、クロスワードや塗り絵などが掲載されました。いま、大人の塗り絵が空前のブームです。読者のみなさんが、楽しい手作業を探しているなか、熱い想いと温かいハンドメイド感が好評の理由のようです。

九州博報堂の有志が立ち上げた「いまできることプロジェクト」の広告

九州の広告のプロたちが地元愛、世界愛をこめて立ち上げたいまできることプロジェクトは、人々の想いを淡いピンクの桜の画像に載せて表現するすてきなプロジェクトです。

九州博報堂の営業担当の茂田智仁さん、村上京助さん、コピーライター岡本和久さんたちが中心になって立ち上げました。3月27日の西日本新聞に、桜の花が描かれた全面広告が出稿され、話題となりました。これは、この企画をPRするツイッターです。

 

特設サイトでは、九州各地の桜を撮影したムービー「Kyushu Sakura 2020」が公開され、GReeeeN の「桜color」など、抒情的な楽曲に載せて、そよ風に揺れる満開の桜が流れています。メッセージは、「はやく、世界に春が訪れますように」。こちらも、画面全体に淡いピンクがあふれ、なんとも幸せな、すこし前向きなゆったりとした気分に浸ることができます。

九州出身のわたし、なつかしいふるさとの元気な桜を見て、ちょっと涙が流れ、がんばろう!という気持ちになりました。

山谷(さんや)へ贈るアベノマスク、浅草の「ポスト」に150セット以上投函

 
東京・浅草の「ギャラリー・エフ」のオーナー、村守恵子さんの粋なアイデアも話題になっています。併設するカフェの店頭に、「アベノマスクポスト」と書いた段ボールを置きました。すると、20日間で150セット以上のアベノマスクが投函されたそうです。
 
村守さんは、山谷労働者福祉会館にマスクを寄贈しています。福祉会館の炊き出しに訪れる労働者の方々に配布してもらっているそうです。
 
「必要な人に届けたい」というご近所の方々のほか、都内各所から郵送でもアベノマスクが届くそうです。山谷では、コロナ禍で仕事を失った労働者の方々が大変な思いをしているなか、マスク不足が指摘されていました。
 
ちょっとの工夫と大きな隣人愛が共感を呼んだ、すてきな企画ですね。
 

コロナ禍から芸術を守りたい“#SaveArts”プロジェクト

出典:READYFOR ウェブサイト  

#SaveArts は、家庭医の年森慎一さんら若手の医師、医療福祉関係者、まちづくり関係者が発足させたプロジェクトです。公演が中止・自粛で損害が生じた演劇・歌劇の分野へのクラウドファウンディングで、5月29日に終了しました。目標金額の5倍以上の寄付を集めることが出来ました。

代表の年森さんは、「1か月半にわたったプロジェクトの一歩目を無事終えることができました。本当にありがとうございました。またクリエイティビティが世の中にあふれ、芸術を表現する人・享受する人が自由に楽しめる世の中に戻って、ようやくゴールだと思っております」と語っています。

本当につらいときこそ、芸術は、人間を癒し、勇気づけることができます。欧米諸国と比べて、芸術家への支援が物足りない日本ですが、芸術家の質は、世界のトップレベルです。今まで、苦しいときに支えてくれた芸術家のみなさんへの感謝の気持ちが、このクラウドファウンディングの成功につながりました。

あなたの思いをあしたの支援に コロナ給金寄付プロジェクト

コロナ給付金寄付プロジェクトは、日本政府から一律支給される10万円の給付金を、それぞれの人が「寄付したい」と思う分野に安心して寄付できるように、という思いからスタートしました。ヤフー株式会社、株式会社トラストバンク、公益財団法人パブリックリソース財団などで立ち上げた「コロナ給付金寄付実行委員会」が主催しています。

寄付をするなら、できるだけ、その使い道も、自分で決めたい、という人が多くなっています。そんななか、10万円を辞退せず、いったん取得して、自分の関心ある分野に寄付できるのが特長です。長い奮闘が続く医療分野、福祉・教育・子どもの関連分野、文化・芸術・スポーツ分野、経営難の中小企業という4つの分野の中から選べます。

オンラインBAプロジェクト produced by 元美容部員 和田さん。

アジアのビューティー表現をけん引する、日本のビューティー・アドバイザー(BA)たちも、がんばっています。BAたちのカリスマで、美容クリエイター「元美容部員 和田さん。」と、広報PR会社 RooMooN が、「オンラインBAプロジェクト produced by 元美容部員 和田さん。」を企画しました。5月11日から13日まで、プロジェクトに参加する現役美容部員10人を募集しました。

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今日リリースさせて頂きました、 BAオンラインプロジェクト。  新型コロナウイルスの 拡大防止策によります外出自粛要請を受け、 カウンセリングを受ける機会が激減している事 また、美容部員さんがお客様へ接触する機会も 減ってしまっている状況、を踏まえ  今必要なサービスは  「商品を販売する」という視点ではなく 「使い方、選び方、カウンセリングを提供する」   =自分で選ぶ力、自分でアップデートする力 をつけるサービスと感じ、  現役BAさんとオンラインで自宅にいながら 自分自身のアップデートができる、   そんな新しいサービスがあれば嬉しいなと 考えていたところ、 すぐにやりましょう!とサポート下さった 株式会社RooMooNの皆様ありがとうございます。   しかし、現実的に目的と一致したサービスが 提供出来るのか、お客様、BAさん側にとって 本当にメリットがあるのかどうか、 考え抜いたつもりでも 実際にやってみないとわかりません。 本当はたくさんのBAさん、たくさんの資金で 始められたら良かったのですが、 最初という事で人数が少なくて申し訳ないです。 今回はそんな 一緒にお客様に喜んで頂ける 新しい価値作りにご協力頂けるBAさんを募集します。 詳細はストーリーからURLに飛べるので、 ご確認頂けますと幸いです。   また、現在のコロナウイルスに よります状況の変化の速さもあり、まずは期間限定の 1ヶ月限定、で始めさせて頂きます。  お客様にサービス提供が始まるのは 6月を予定しております。 今回はBAさんの募集を先にさせて頂き、 お客様への具体的なサービス内容、 詳細は別途改めて公開させて頂きます。   引き続き、私達に出来ることは何かを考え 小さな事から行動して参ります。  みなさま、引き続き大変な状況もありますが 一緒に頑張りましょう。  

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コロナ禍で、デパートのコスメ売り場が閉まるなど、BAたちが失業している状況から始まった企画です。仕事を失った現役BAさんを対象に選考を行い、合格した人は、6月から約1ヶ月間の稼働を予定しているそうです。

まとめ

「ウィズコロナ」時代には、「コロナ前」に立案・実施されてきたサービスや施策の多くを白紙に戻すぐらいの大胆な発想の転換が迫られています。

さまざまなアイデアを絞って、この問題に取り組むサービス提供者の方々に、心からの尊敬とエールを送りたいです。ストラテでは、今後も事業者の皆さんの新たな取り組みをレポートしていきます。

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