2021年のナイトタイムエコノミー

インバウンド需要

近年「ナイトタイムエコノミー」が少しずつ浸透してきましたが、コロナの影響で下火になってしまいました。

しかし、ワクチン接種が進んでいますので、コロナの収束が見え始めています。アフターコロナは、また「ナイトタイムエコノミー」が活発になるでしょう。

ここでは、「ナイトタイムエコノミー」とは何か、全国の観光地が取り組んでいる「ナイトタイムエコノミー」の実例などをご紹介していきます。

ナイトタイムエコノミーとは?

午後6時から翌朝6時までの経済活動

「ナイトタイムエコノミー」とは、「日没~日の出までの夜間経済活動」のことを言います。具体的に「午後6時から翌朝6時までの経済活動」というと、分かりやすいでしょう。

今までは、クラブ・バー・ショーレストラン・ライブなどが代表的な「ナイトタイムエコノミー」として知られていたので、いわゆる「夜遊び」と同じ意味で捉えられていたかもしれません。

しかし「ナイトタイムエコノミー」には、芸術や音楽などの文化的活動の推進も含まれています。博物館、美術館、映画、自然を利用したナイトイベントなど、文化的なナイトライフコンテンツもたくさん開催されており、世界各地で多くの人がナイトライフを楽しんでいます。

コロナで状況は一変した

しかし、コロナで状況は一変してしまいました。政府により「時短営業」が要請され、人々のナイトライフが大きく変わりました。政府の要請に従わない事業者は、制裁が加えられる事例も生じています。今までのように、歓楽街で夜通し遊ぶというライフスタイル、夜の経済活動そのものが完全否定される事態となっています。そして、ライトライフの印象も悪くなってしまいました。

確かに「夜遊び」というと、お酒が入ることで “タガが外れる” イメージがあるかもしれません。お店が「密」状態で、濃厚接触が増えるとか、クラスターのリスクが高まる危険性もあります。

しかし、前述したように、健全な文化的活動もたくさんあります。映画館、博物館、自然を利用としたナイトイベントなどです。時間帯が夜だからという理由で、映画館や博物館などを(昼よりも)危険と決めつけてしまうのはおかしいということで、夜の経済活動を全否定せず臨機応変に対応したらよいのではないかという意見も多くみられます。アフターコロナには、これらの状況も改善してゆくでしょう。

新たなナイトタイムエコノミーの切り口

地方における試み

地方創生のために、「ナイトタイムエコノミー」の取り組みはすでに始まっています。今は本格的な活動はできませんが、アフターコロナに向けて様々な取り組みが行われています。

そこで、「ナイトタイムエコノミー」に取り組んでいる地域をいくつかピックアップしてご紹介します。

十和田・八甲田の「星浴」

青森県十和田市は、2016年に北海道新幹線が開通したことなどをきっかけに知名度が高まり、観光客が増加傾向にあります。八甲田山や奥入瀬渓流などを始めとする大自然があり、美しい星空がとても魅力的な地域です。この「星空」いう素晴らしい観光資源を生かし、星空観賞を目的としたツーリズム「星浴」を生み出しました。これを、観光の目玉としてPRすることにより、多くの宿泊客誘致に成功しました。

出典:国土交通省観光庁

さらに、早朝ヨガレッスンなども同時展開することで「朝食+日帰り入浴」という新しい需要も生み出し、日帰り客の誘致にも成功しています。

南魚沼雲海ハント

「雲海」というと、登山で大変な思いをしないと見れないというイメージがありますが、新潟県南魚沼市では、車で気軽に雲海スポットに行くことができます。今まで認知度が低かった「雲海」という貴重な観光資源に着目し、素晴らしい雲海をPRするために「南魚沼雲海ハント」という雲海ツアーを企画しました。

出典:国土交通省観光庁

もともと雲海ツアーはボランティアによる観光案内でしたが、最近はこれを正式に組織化し、有料ツアーとしてリニューアルしました。さらに、お米の名産地であることを生かした「雲海×美味しいお米の食事」というアイディアを取り入れ “付加価値” をつけることで、多くの集客を達成することができました。このツアーは、地元の活性化に貢献しています。

東尋坊エリア

素晴らしい景観で、全国的に知名度の高い福井県の東尋坊。年間の観光客数は140万人にも及びますが、観光客の多くが日中にしか訪れないという課題がありました。

そこで、東尋坊エリアは「夕日スポット」としての魅力を生かした「夕日+音楽フェス」というアイディアを創出しました。さらに、日没後にはバーで楽しめるようにすることで、観光客に長時間滞在してもらうことに成功しました。

出典:国土交通省観光庁

那覇のナイトマーケット

那覇はとても有名な観光地で、観光客数に関しては「ハワイ」に匹敵するほどです。しかし、観光収入はというと、ハワイと比べ36%程度にとどまっていました。観光収入が低い要因の一つは、観光客に「ナイトタイムコンテンツ」の魅力が十分に伝わっていないことが考えられました。なぜなら、那覇を訪れる観光客の多くは夜間に外出せず、宿泊施設で過ごすことが多かったからです。

そこで、地元商店街を活用した「ナイトマーケット」を企画し、ナイトタイムコンテンツを充実させました。地元商店街と連携することにより、地域の活性化をも図ることが出来ました。コロナの影響で中止にはなりましたが、高いポテンシャルを感じさせる企画として今後も継続することを考えているようです。

出典:国土交通省観光庁

さらに、ナイトタイムコンテンツに特化したWebサイト「Champlu」を企画し、那覇のナイトコンテンツの情報発信も行いました。これにより、一部の店舗ではコロナによる影響があるにもかかわらず、集客を高めることに成功しています。

まとめ

「ナイトタイムエコノミー」は、地域の活性化に役立っていることが分かりました。まだまだ魅力的な「観光資源」が眠っているかもしれません。

コロナ禍による渡航制限や旅行の自粛ムードが広がり、多くの人々がストレスを抱えていると思います。コロナが収束したら、その反動から空前の「旅行ブーム」が訪れる可能性が高いでしょう。今から、アフターコロナのインバウンド需要を見越した準備をしておきましょう。

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