【2021年最新版】台湾のSNS事情/デジタルマーケティングお役立ち情報
ようやく日本でも本格的なワクチン接種が始まりました。1日当たりのワクチン接種回数は40万回を超えており、すでに約900万人(2021年6月現在)が摂取されています。このまま順調にいけば、コロナの終息が近づいていると言えるでしょう。
東京オリンピックが開催される可能性が高いことを考えると、海外向けマーケティングの再始動を視野に入れるのは良いでしょう。アフターコロナでスタートダッシュを決めるためにも、諸外国のデジタル事情を知っておくことは重要です。
今回は、日本にとって身近な国である台湾のSNS事情を特集します。
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台湾のスマホ・ネットの普及率
台湾におけるスマホやネットの利用率などに関するデータ
台湾の人口2384万人のうち、インターネットの利用者は2145万人。普及率は90%に及びます。この普及率は先進国と同レベルの水準です。
インターネットに接続されているモバイル機器の数は2877万台、人口比では120.7%に達しています。理論上では、1人当たり1.2台以上のモバイル機器を有しているということになります。これはやや高い水準で、他の先進国と同レベルです。
なお、所有しているデジタル機器はスマホが圧倒的で、所有率は98.7%です。パソコン(デスクトップ・ラックトップ問わず)は71.8%、タブレットは42.1%となっています。
続いて、年間のデジタル成長率を見てみると、インターネット利用者数が+4.6%、モバイル機器の接続数では+2.2%となっています。この成長率は、同程度のインターネット普及率を持つ国と比べても比較的高い成長率と言えます。
例えば、オーストラリアは人口が2564万人、インターネット普及率89%、インターネットに接続されているモバイル機器が人口比で126%と非常に似た構成ですが、2021年のデジタル成長率はインターネット利用者数が+2.3%、モバイル機器の接続数では-0.6%です。
台湾におけるネットやスマホに触れている時間
こちらは台湾の16歳~64歳のネットユーザーを対象としたデータで、1日平均でどれだけの時間をネットやスマホに費やしているかを示しています。
最も利用時間が多いのは、インターネットの8時間8分です。テレビの2時間28分に対し、3倍以上の時間を費やしています。台湾人は、インターネットにかなり多くの時間を使っていることが分かります。
インターネット利用の内訳は、ソーシャルメディア(1時間56分)、ネットニュース(1時間14分)、ミュージックストリーミングサービス(1時間5分)、テレビゲーム(40分)、ポッドキャスト(25分)ということです。
台湾におけるブラウザ・検索事情
台湾のブラウザシェア
台湾のブラウザのシェアは、「クローム(62.5%)」がトップに君臨しています。クロームはグーグルが開発・提供しているブラウザで、世界のほとんどの国において最も高いシェアを誇るブラウザです。しかし、前年度比で成長率を見ると-7%となっており、やや下降傾向にあります。
2位の「サファリ(28.0%)」はMacやiPhoneなどで有名なAppleが開発しているブラウザで、アップル製品に標準ブラウザとしてプリインストールされています。Windows製品やAndroid製品で使われることはないと思われますから、この数字はApple製品のシェアに近いと言えるでしょう。サファリのシェアが前年比+22%であることを見ると、Apple製品が凄まじいスピードで台湾国内に普及していることが分かります。
その他、台湾で利用されているブラウザは、「サムスンインターネット(3.6%)」、「マイクロソフト・エッジ(2.4%)」、「ファイヤーフォックス(1.7%)」、「オペラ(0.7%)」「インターネット・エクスプローラー(0.5%)」などです。
台湾人は検索で何を調べるか?
台湾で検索されているワードの上位は、
1位:PTT
2位:天気
3位:翻訳
4位:Yahoo(ヤフー)
5位:Google(グーグル)
6位:YouTube(ユーチューブ)
7位:通訳
8位:539
9位:FB(フェイスブック)
10位:新聞
1位の「PTT」は、台湾最大規模のインターネット掲示板です。政府が世論の情報源として参考にしたり、報道機関がPTTの情報を引用して報道したりするなど、社会に対する高い影響力を持っていることで知られています。
そのほか、8位の「539」は宝くじ、17位の「股市」は株式市場、18位の「蝦皮(Shopee:ショッピー)」は台湾版メルカリです。
台湾におけるSNSの現状
台湾のSNS事情
ソーシャルメディアにおけるアクティブユーザーの総数は1970万人です。ソーシャルメディア利用者の総人口に占める割合は、実に82.6%にも及びます。一方で、ソーシャルメディア利用者数の年次推移を見てみると0%のまま変動していません。ほぼ、飽和状態にあることが分かります。
続いてこちらのデータをご覧ください。
過去1ヶ月間にSNSやメッセージングサービスを利用した人の割合は99.5%。ほぼ100%という高い数字を叩きだしています。そのうち、過去1ヶ月間にソーシャルメディアに積極的に関わった人の割合は85.5%でした。また、1人当たりのSNSアカウント所持数が8個となっており、多くの人が複数のSNSを利用していることが分かります。
次にソーシャルメディアにおける広告視聴者のプロフィールを見てみましょう。
年齢層は25歳~34歳が最も大きな割合を占めています。次に35歳~44歳、18歳~24歳、45歳~54歳と続いています。広告としては、若年~中年向けのものが効果的といえるでしょう。ですが、55歳以上の人たちの利用者も少なくないので、全年齢層において大きな差はないと思われます。
台湾のSNSシェア
こちらのグラフは、最も利用したSNSを示すものです。
「YouTube(89.6%)」と「Facebook(89.2%)」の利用が多いのは、他の国と変わりません。特筆すべき傾向としては、第3位の「LINE」です。日本人にとっては意外かもしれませんが、LINEの世界シェアは高くありません。大抵の国では「WhatsApp」や「WeChat」(中国)のシェアが高く、LINEはこのレベルには達していません。
上記で述べた「WeChat」は、中国の大手IT企業テンセントが開発・運営するメッセンジャーアプリです。「WhatsApp」と並んで世界トップクラスのシェアを持っています。台湾では、第6位となっています。
11位の「LINKEDIN(リンクトイン)」はビジネス特化型SNS、12位の「Sina Weibo」は中国のミニブログサービス、13位の「Twitch」はゲーム配信などに特化したライブストリーミングプラットフォーム、14位の「Pinterest(ピンタレスト)」は画像共有サイト、15位の「Telegram(テレグラム)」はロシア発のメッセンジャーアプリです。
台湾におけるFacebookの状況
Facebookは世界で強い支持を受けており、動画共有を主としない最も利用者の多いSNSです。台湾では、Facebook広告を見る可能性を持つ人は1800万人に及びます。
接続デバイスの種類としては、携帯電話からアクセスしているユーザーが67.3%、パソコンから利用している人は1.5%、携帯電話とパソコンの両方からアクセスしている人が31.2%です。この割合は世界的な傾向と類似しています。
台湾におけるYouTubeの状況
YouTubeは、台湾で最も利用されているSNSです。広告を見る可能性を持つ人は、1920万人に及びます。男女比率は男性49.7%、女性50.3%と僅かに女性が多いですが、ほとんど同じです。
続いて、YouTubeにおける検索クエリを見てみましょう。
検索されているワードで上位にあがっているのは、「音樂(音楽)」「電影(映画)」「抖音(Tik Tok)」など、他の国と同じような検索ワードとなっています。なぜ「新聞」という単語が上位に来ているのかと思われるかもしれませんが、中国語で「新聞」は「ニュース」の意味です。
そのほか、興味深い点としては8番目に位置する「蠟筆小新」です。これは「クレヨンしんちゃん」のことです。また、16位の「鬼滅之刃」はご存じ「鬼滅の刃」です。このほか、ランキングにはありませんが「櫻桃小丸子(ちびまる子ちゃん)」も絶大な人気があります。日本のアニメは、台湾で大きな存在感を持っているようです。
台湾におけるInstagramの状況
Instagramに広告を掲載し、見る可能性を持つ人は890万人です。FacebookやYouTubeと比べると少ないのですが、それでも強い影響力を持つSNSです。特に、若年層・女性の比率が高いので、広告のターゲットを絞りやすいという特徴があります。Instagramは、若者向け、女性向けの広告を出すにはうってつけのSNSと言えるでしょう。
台湾におけるその他のSNSの状況
- FBMessenger:広告による潜在的なリーチ可能人数は「1200万人」
- LINKEDIN:広告による潜在的なリーチ可能人数は「250万人」
- Twitter:広告による潜在的なリーチ可能人数は「180万人」
まとめ
今回は台湾のSNS事情をご紹介しました。
台湾は「親日国」で、日本の文化が大好きです。クレヨンしんちゃんなど、日本のアニメも大人気です。台湾のインフラは先進国レベルで、SNSも十分に普及しているので、デジタルマーケティングを行いやすい国と言えるでしょう。
台湾向けのマーケティングをお考えの際は、ぜひ今回のデータをご活用ください。