プロ翻訳者必携!Xbenchの活用方法について

はじめに
株式会社アットグローバルは、10万案件以上の翻訳実績を持っております。今後も引き続き、お客さまにご満足いただける翻訳品質を目指してまいります。
実際の翻訳作業では、さまざまな翻訳ツールを使用して作業を行なっています。ここでは、プロの翻訳者にとって欠かせない「Xbench」という翻訳ツールについてご説明いたします。
Xbenchとは
「Xbench」とは、翻訳チェックを機械的に行なうツールです。
「Xbench」が翻訳を代行するわけではありません。あくまでも翻訳するのは、プロの翻訳者です。翻訳者の作業をより効率的に、また訳文の正確性を保つためのお助けツールです。
例えば、「CAT(Computer Assisted Translation)」と呼ばれる翻訳支援ツールで使用する複数の「バイリンガルファイル」(原文と訳文が含まれているファイル)をまたいだ「Grep検索(串刺し検索)」することができます。
大型案件には、たいてい膨大な数のファイルが含まれていますが「Xbench」は動作が軽いので、ストレスなく素早くエラー箇所を特定することができます。
有料版と無料版、どちらがいいのか?
「Xbench」には、有料版と無料版があります。バージョン2.9までは無料版で、バージョン3は有料版(99ユーロ+税/年間)となっています。
ソース(原文)とターゲット(訳文)のどちらかに、日本語や中国語などの2バイト文字が使用される場合は、有料版を使用する方がより効果的です。無料版では2バイト文字が認識されないことがあり、検索をかけてもヒットしないことがよくあります。
Xbenchを使いこなすコツ
「Xbench」を使用するメリットとコツについて解説していきます。
Xbenchの利点とは?
「Xbench」を使用するメリットは、大量のファイルがある場合でもエラーを見つけやすいということです。
「Grep検索(串刺し検索)」が可能なテキストエディタは多数あるのですが、バイリンガルファイルをGrep検索できるのが「Xbench」の優秀なところです。ですから、大量のファイルを処理するプロの翻訳者にとっては必須ツールとなっています。
具体的に役立つ例をご紹介します。
一般的に、英語から日本語の文章を翻訳する場合、ソース(原文)は英語でターゲット(訳文)は日本語となります。英語のファイルに同じ英単語が複数ある場合、その英単語はすべて同じ日本語の単語に訳されることが一般的です。(例:「dog」はすべて「犬」と訳す)
ケーススタディで学ぶXbenchのメリット
例えば、英語から日本語に翻訳する案件の中に、「@global 」「atglobal」と表記の異なる二つの語をどちらも「アットグローバル」と表記するようにという指定があったとします。
そのような場合、「@グローバル」「あっとぐろーばる」「atglobal」はすべてNGとなります。また「アトグローバル」や「アットグローbル」のようなタイポ(誤字)も、当然NGです。もし、大量のファイルの中からこれらの間違いを全て想定して探し出すのは、大変気の遠くなる作業でしょう。
このようなケースが生じた場合に、「Xbench」は非常に役に立ちます。「Power search機能(高度検索)」の中に「Not検索」機能が含まれていて、ソースに対して正しい訳語が使われていない箇所を検索することができます。しかも、正規表現を使った検索も可能なので、ソースの表現が複数あっても対応可能ですので非常に便利です。
Xbenchのハック
ソースで正規表現を使用する設定にし、ターゲットにNot検索用の記号を入れて検索をすると、100件近くの大量のファイルがあったとしても、間違いの可能性のあるセグメントを抽出することができます。
例:「ソース」で単語間に「パイプ(|)」を正規表現として使用
@global|atglobal
例:「ターゲット」でNOT検索用の「マイナス記号(-)」を単語の前に挿入
-アットグローバル
これは一例にすぎませんが、「Xbench」にはこのような便利な機能がありますので、大量のファイルから翻訳ミスを見つけ出すことが可能です。この機能によりかなりのヒューマンエラーを防ぐことができますから、プロ翻訳者にとっては必須のツールとなっています。
まとめ
ここでは「Xbench」という、ミスを最小限に抑えるための優秀な翻訳ツールについてご説明しました。
今後も株式会社アットグローバルは、お客様に満足いただけるような高品質な翻訳に努めてまいります。翻訳サービスに関する問い合わせや相談がございましたら、いつでもお気軽にご連絡ください。