【インドネシア語翻訳の落とし穴】翻訳者が語る!注意するべき7つのこと
インドネシア語はインドネシア共和国の国語です。元々マレー語の方言だったものが、インドネシアの共通語となりました。マレーシア語と非常によく似ており、表記文字も同じです。ここではインドネシア語の特徴と、ビジネスにおいて役立つ情報をお伝えします。
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インドネシア語の特徴
1.インドネシア語は「アルファベット表記」で基本「ローマ字読み」
インドネシア語は「アルファベット表記」で、基本「ローマ字読み」をすれば大体通じますが、アルファベットは英語読みではありません。下記のように読みます。
インドネシア語の「R」と「L」は、ローマ字読みで「エル」ですが、「R」は巻き舌で発音します。例えば、「lupa(忘れる)」と「rupa(形)」はどちらもローマ字読みでは「ルパ」ですが、2つの発音は異なります。
しかし、インドネシア語は中国語のような「声調」(音の高低)はないので、それ以外の発音に関してはローマ字読みで通じますので、比較的簡単にマスター出来ると言われています。
2.インドネシア語は「語形変化」することで意味が変化する
インドネシア語は、単語の「語幹」に様々な「接頭辞」や「接尾辞」がつくことににより、意味が変化していきます。
例:「jalan」(道)→「berjalan」(歩く)
*語幹の「jalan」に、接頭詞 「ber」がついた形
「jalan」(道)→「perjalanan」(旅行)
*語幹の「jalan」に、接頭詞 「per」と接尾詞 「an」 がついた形
「jalan」(道)→「menjalankan」(実行する)
*語幹の「jalan」に、接頭詞 「men」 と接尾詞「 kan」がついた形
このように「jalan(道)」という単語が、様々な単語に変化していきます。辞書で「perjalanan」 と検索しても見つかりません。語幹が「jalan」であることを認識していないと、単語の意味を調べることが出来ません。
3.インドネシア語は「時制」による変化がない
インドネシア語には文法上の時制がないので、過去・現在・未来を表す際には、時間を表す語を付け加えます。
過去の場合 「sudah」( すでに)や「kemarin」( 昨日)を付け加える
未来の場合 「akan」(~だろう、英語の「will」)や「besok」(明日)を付け加える
4. インドネシア語はマレー語と似ている
インドネシア語はマレー語から作られた言語なので、両者は非常によく似ています。多少使う単語が違ったり、発音が異なっている場合もありますが、その差は大きくないので、インドネシア人とマレーシア人はコミュニケーションにおいて問題はありません。
日本語との違い
1.地元の言語とインドネシア語を使い分けている
インドネシアの公用語はインドネシア語ですが、インドネシアは多民族国家で、現在500以上の言語が話されています。多くの人々が、国語であるインドネシア語と地元の言語の両方を話しています。日常生活(家族間)では地元の言語で、仕事など社会生活においてはインドネシア語で話しています。
2.「複数形」を表す際には単語を繰り返す
インドネシア語には複数形がありません。複数を表す時には、基本的に単語を二回繰り返します。
「buku」(1冊の本)→ 「buku-buku」(複数の本)
「orang」(1人の人)→ 「orang-orang」(何人かの人)
3. 単語の語尾に「 Nya(ニャ)」が付くことが多い
インドネシア語では、単語(名詞、動詞、形容詞など)の語尾に「 Nya(にゃ)」が付きます。どの単語のあとに「ニャ」つくかで、「ニャ」の持つ意味は違ってきます。例えばこのように言います。
「Makanan」 (食べ物) →「Makanannya」 (その食べ物)
*「その」という意味で語尾に「ニャ」が付く
「私はそのコーヒーを飲みます」 → 「Saya (私) minum (飲む) kopinya(そのコーヒー)」
*「kopi(コーヒー)」が「kopinya(そのコーヒー)」になる
「Mobil」 (車)→ 「Mobilnya」 (彼の車)
*「彼の」という意味で語尾に「ニャ」が付く
語尾に「ニャ」が付くと、日本人としては「なんかかわいいな」と感じますね。
4. 単語を省略した表現に変えることがある
インドネシア語は、単語の前と後ろに「接頭詞・接尾詞」が付け足されるので、一つの単語が長くなってしまうという傾向があります。メッセージアプリでコミュニケーションをとる際には、いろいろな省略形が使われています。慣れないと「暗号」のように見えてしまうかもしれません。
例:「orang-orang」→「orang2」
「Surat Izin Mengemudi (免許証) 」→ 「SIM」
日本語からインドネシア語は自動翻訳できるのか?
英語からインドネシア翻訳に関しては、自動翻訳の精度は高いと言えます。日本語からインドネシアの場合は、まず日本語から英語に翻訳し、その後インドネシア語に翻訳すると精度の高い翻訳になります。ですが、上記で述べたように省略形がたくさん使われている文章では誤訳が生じてしまいます。
インドネシア語翻訳をする、依頼する際に気をつけておくべきこと
インドネシアの翻訳市場はまだまだ未成熟で、優秀な翻訳者の絶対数が少ないといえます。ですので、しっかりとした品質管理とキャパシティを持つ翻訳会社を選ぶことが大切です。正確な翻訳作業が出来る人たちは政府機関や大手企業にフルタイムで就職していることが多く、フリーランスの翻訳者を見つけることが難しいというのが現状です。
インドネシアでは、実際に翻訳を発注した場合、用語集と違う訳にしてしまったり、用語集自体を変えてしまったりすることもありますので、定期的に翻訳の進捗状況を確認することも必要となります。ですから、インドネシア語翻訳を依頼する際には、信頼できる翻訳会社であるかどうかをよく見極めましょう。
日本語からインドネシア語の翻訳料金の相場
日本語からインドネシア語 約9円~/1文字 (翻訳の内容や精度によって異なる)
日本とインドネシアの商習慣の違い
1.インドネシア人は「イスラム教」の習慣を守っている
インドネシア人のほとんど(8~9割)はイスラム教徒です。そのため、イスラム教の習慣を理解しておくことが必要です。例えば、毎年「ラマダン」と呼ばれる断食の時期(約1ヶ月)があります。この期間は、日中は食事・水分を摂取しません。ラマダンが終了すると1週間ほどの休暇に入ります。この期間にビジネス業務が滞ってしまうことがありますので注意が必要です。
イスラム教徒はお酒を飲みません。そのため、日本人のように飲み会でコミュニケーションをとる習慣はありません。また、イスラム教徒は豚肉など特定の食物を口にしません。「 HALAL」認証を受けたレストランであれば問題はありませんが、日本からのお土産や、日本のレストランで接待する際には注意が必要です。
2.インドネシアでは残業は少ない
夜遅くまで営業しているお店などのサービス業以外では、残業はほとんどありません。日系企業で働いていたインドネシア人は、残業や休日出勤が多くてプライベートの時間が取れないために、働き続けることが難しかったと語っています。
3.インドネシアは大都市と地方の格差が大きい
インドネシアは都市と地方の格差が大きいです。首都や大都市では銀行やATMも多く、スマートフォンもかなり普及していて、タクシーを呼ぶ際や、お店でのモバイル決済も充実していますが、地方ではそこまで普及していません。
インドネシア人の仕事する上での価値観
インドネシア人にとって、日本人のように一生同じ会社で働くという感覚は理解しにくいことのようです。日本の会社の「終身雇用制度」について聞くと大変驚きます。インドネシア人は、仕事が大変であればすぐに転職を考えます。また、仕事よりも家族との団らんを大切にしています。この仕事や家族に対する考え方などが、日本人とは大きく異なっています。
まとめ
日本とインドネシアはビジネスにおいて深く関わりを持っています。特に人口は日本の2倍以上にあたる2億6000万人以上いますから、ビジネスチャンスが増えるのは間違いないでしょう。ですから、インドネシア語翻訳はますます必要とされるでしょう。正確な翻訳が求められるビジネスにおいては、専門の翻訳会社に依頼してください。株式会社アットグローバルは皆様のお役に立てるように励んでおります。インドネシア語翻訳が必要な際には、ぜひご利用下さい。