なんと1億匹以上!中国のペット事情最前線(後編)

中国

はじめに

ここ10年で15倍の規模にまで成長するなど、今、中国のペット産業が熱を帯びています。

一般的なペット用品はもちろん、「ブルーオーシャン(未開拓市場)」として注目されている「ペット向けスマート家電」に対する需要も高まっていることなどから、日本をはじめとした多くの国のペット関連企業が中国に注目しています。そこで、今回は中国のペット事情最前線(後編)として、今回は中国ペット市場のリアルな現状をお伝えしていきます。

中国のペットフード市場

ペットフードをいつ購入する?どのくらいの量?

引用:petfairasia.com

セールなどで安くなったときに買いだめする人が多いため、購入頻度の傾向としては「不定期的」が最も多いようです。

しかし、1ヶ月に一度、2ヶ月に一度など、定期的に購入する層も少なくはありません。また、少数派ではありますが、半年に一度、1年に一度しか購入しない人もいるようです。

続いて、購入量について。下のグラフを見てもらうと分かるように、好まれるパッケージサイズは「3~5.9㎏以下」の少ない量を好む層と、「10~14㎏以上」の多い量を好む層で二極化が進んでいます。

引用:petfairasia.com

どこでペットフードを買うのか

中国では、ペットフードの購入先としては、「インターネット通販サイト」が53.2%で圧倒的に支持を得ており、続いて「ペット専門店」が21.2%、「動物病院」が14.2%と続いています。

引用:petfairasia.com

なお、ペットフードを購入する際に利用されるインターネット通販サイトの中で利用率が最も高いのは、アリババ系列の大手オンラインモール「淘宝网(Taobao)」です。68.2%もの人々が利用しています。2位もアリババ系列のオンラインモール「天猫(Tmall)」で54.6%、3番手には「京東商城(JD.com)」が40.9%で続いています。

中国のペット用品市場

犬猫グッズのTOP3

引用:petfairasia.com

左のグラフが犬用品、右のグラフが猫用品の年間費用を表しています。

犬用品の消費額に関しては、「シャンプー/ヘアコンディショナー」が最も高く、「おもちゃ」「首輪/リード」の順に続いてます。一方、猫用品については、「猫砂(猫のトイレに使う砂)」がダントツで高く、続いて「おもちゃ」「餌皿/飲み水の容器」などに費用がかかっているようです。

猫砂マーケット

猫を飼う上で必要不可欠な猫砂は、ペット商品市場の中でも非常に大きな位置を占めています。日本でも多くのペット用品メーカーが力を入れて、様々なタイプの猫砂を開発・販売していますが、中国でもそれは同じようです。

現在、中国では豆腐のおからなどを使った「豆腐猫砂」が非常に多くのシェアを獲得しているようです。豆腐猫砂は自然由来のため、謝って猫が食べるなどしても安全なほか、原材料が安く経済性が高い、商品によっては一用のトイレに流して処理できるなどのメリットが受けているようです。

現在、新型コロナウィルスなどの影響で家にいることが多くなったこともあり、散歩が不要で屋内だけで飼うことの出来る猫の需要が大きく高まってきています。今後、猫砂マーケットが急速拡大していく可能性は高いでしょう。

中国のペット向けスマート家電・グッズ

ペット向けスマート家電TOP3は?

モバイル決済の普及率が86%を超えるなど、現在IT大国としての存在感を増してきている中国。ペット用品業界でもスマート家電・IoT家電などが普及し始めてきています。

最も人気のあるペット向けスマート家電は「自動給水器」で55.7%、続いて「ペットカメラ」が39.2%、3番手には「自動給餌機」がランクインしています。

引用:petfairasia.com

ペット向けスマート家電は、ペット用品の中でもまだまだ新しいジャンル。ブルーオーシャンと言っても過言ではなく、IoT家電大手の「Xiaomi(小米)」など、中国の各メーカーが鎬を削っています。中国は独自の家電製品も多いので、今後ユニークなペット向けスマート家電が出てくるかもしれませんね。

どこで購入するのか

ペット向けのスマート家電も、ペットフードの時と同じで「インターネット通販サイト」が人気。過半数を超える58.2%の人々が、ネット通販を指示しています。大きく離されて、2番手にペット専門店で20.7%、3番手に10.4%で動物病院が続いています。

引用:petfairasia.com

興味深いのは4番手に8.0%でスーパーマーケットがランクインしているところです。日本のスーパーマーケットにペット用のスマート家電が売っているイメージは少ないと思います。それどころか、人用のスマート家電もあまり見かけませんよね。中国では日本と違い、すでにスマート家電が身近な存在として認知されていることの表れと言えるかもしれません。

まとめ

一人っ子政策などの影響で家族が少ないことや、経済的に余裕のある家庭が増えたことなどもあって、中国では今ペットブームが起きています。市場規模はここ10年で15倍も成長したともいわれています。そして、さらに新型コロナウィルスの影響による巣籠もり需要で、さらにペット人気に拍車がかかっている状態です。

去年の中国ペット市場は3兆円規模でしたが、今年はさらに規模が拡大して4兆円規模になるとも言われています。今後、中国のペット産業がどのように成長しているのか、ぜひとも注目してみてください。

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