翻訳会社の選び方と翻訳の依頼の仕方

翻訳,翻訳会社選びで失敗しないためのHint&Tips

翻訳会社への依頼をお考えでしたら、多数ある翻訳会社の中からどのように優良な会社を選べばよいのかと悩まれるかもしれません。もしも頼んだ会社がトラブルを起こしたら…、どうやって依頼したらいいのか分からない…。そのように感じる人は少なくありません。

ここでは、翻訳会社の「選び方」と、依頼する際の「注意点」などの情報をお伝えします。

翻訳会社を選ぶ際に覚えておきたい5つのポイント

1.お客様とのコミュニケーションを重視している?

翻訳とは、単に原文を外国語に訳すだけではありません。資料の分野・種類・対象読者など、さまざまな要素に合わせて最適な外国語の表現(文章)に変えることです。

翻訳会社を選ぶ上でまず大切なことは、お客様とのコミュケーションを大事にしている翻訳会社であるかということです。翻訳に関するお客様の要望を、正確かつ詳しく把握するために、お客様からのヒアリングを行うことは重要だからです。

良い翻訳会社は、翻訳する資料の把握、注意点をよく確認します。お客様の要望を良く聞かずに、勝手に判断して作業を進めることはありません。また、お客様からの質問に早急に対応(レスポンス)しますし、お客様が不安に感じている点に納得のいくまで説明をします。

また、お客様に翻訳の品質を自ら確かめてもらうための「無償トライアル」を準備しています。そして、納品後も何らかの不都合が生じた場合の「アフターケア」も行います。

2.品質管理の基本は大丈夫?

翻訳会社の「品質管理」がきちんと行われているかどうかは、翻訳の品質に大きな影響を与えます。品質管理が徹底された翻訳会社かどうか、以下の点を確認することをお勧めします。

翻訳者を「適材適所」で割り当てているか

何の「分野」を翻訳するのかによって、求められる知識や訳文の種類が異なってきます。専門分野の翻訳に関しては、それに詳しい知識と経験を持つ翻訳者が担当するのがベストです。良い翻訳会社は、担当者を適材適所で割り当てます。

「ダブルチェック」体制で翻訳するかどうか

2人のスタッフによるダブルチェック体制を敷いているかどうかは、とても重要な判断基準となります。

チェッカーがいることで、訳抜け・誤訳・タイプミスなどを防ぎ、より自然な文章に翻訳することが出来るからです。もし、翻訳する文書を印刷し公開する場合、少しでもミスがあれば印刷をやり直さなければなりません。ですので、英数字の転記ミス・タイプミス・レイアウトのミスなどを専門とするチェッカーを起用している翻訳会社もあります。その場合、コストと時間が余分にかかってしまうかもしれませんが、印刷をやり直す事態を考えると、利用した方が良いと言えるでしょう。

またウェブの場合には、公開したあとに訂正が必要と分かったとしても、修正前のページがスクリーンショットされてSNSで拡散されることにより「炎上案件」となってしまうリスクもあります。そうした理由からもダブルチェックは必須といえます。

「ネイティブチェック」を行っているかどうか

翻訳言語のネイティブ、またはネイティブと同等の言語能力を持つ翻訳者がチェックに加わることは非常に重要です。コストダウンのために、ネイティブチェックを入れずに翻訳作業を行う翻訳会社もあります。多くの場合、ネイティブチェックを行わないと、どうしても不自然で違和感のある訳文になってしまいます。ですから、ネイティブチェックを行なっている翻訳会社に依頼することは大切です

3.依頼する分野の経験値は?

専門分野の翻訳に関しては、その分野の豊富な知識を持ち、翻訳実績を持つ翻訳会社に依頼するのがベストです。翻訳会社の翻訳実績は、その会社の公式サイトに掲載されていることが多いので、そちらをチェックしてみて下さい。

翻訳会社に依頼する前のヒアリングの際に、以下の点を確認することをお勧めします。

「人名」や「地名」などの固有名詞をどのように翻訳しているか

多くの地名や人名は、Web上で正確な読み方を検索することができますが、一部の地名と人名は特殊で検索できない場合があります。その際、直接電話をするなどして確認をとらなければなりません。

「施設名」や「役職名」はどのように翻訳しているか

施設名や役職名は、その施設や団体の公式サイト(または準公式サイト)の外国語版を調査し、定訳が存在するかどうかを確認しなければなりません。そのような方法で検索しても見つからない場合は、どのように扱うべきかを発注元に相談して決める必要があります。

一読するだけで意味が分かる「訴求力のある文章」に翻訳してくれるかどうか

ただ単に外国語に翻訳したのでは、訴求力のある文章にはなりません。意味が分かりやすく、対象読者に訴える力のある外国語の文章に翻訳するにはテクニックが必要です。質の高い外国語翻訳が可能かどうかを確かめましょう。

4.価格は良心的?

翻訳の発注担当者にとって最も気になる点の一つは、翻訳料金(コスト)でしょう。依頼を考えている翻訳会社の料金が適正料金であるかどうか、このような点をチェックしてみて下さい。

・複数の翻訳会社のウェブサイトに提示されている単価表を比較し、大体の相場を見極める。
・複数の翻訳会社から相見積もりを取る。
・翻訳単価の相場を紹介しているウェブサイトから情報を得る。

例えば、日本翻訳連盟の「翻訳料金(クライアント企業の翻訳発注価格)の目安」というページには、業会アンケートに基づく目安の単価が紹介されています。(英語⇄日本語のみ)こちらの情報を参考にすることが出来ます。

各翻訳会社が公開している単価表は、その会社の「標準工程」で対応した場合の単価であることが多く、それは翻訳会社によって異なります。翻訳会社に見積もりをお願いする場合は、その単価でどこまで対応出来るのかを必ず確認するようにして下さい。

5.翻訳+@の対応は?

DTP(「Desktop Publishing」日本語で作成した原稿と同じレイアウトを外国語で再現すること)が可能かどうかも重要な判断要素となります。多くの翻訳会社がDTPに対応していますが、オプションとして別途料金になることがあります。元データの形式・複雑さの度合いによっても1ページあたりの単価が変わってきます。ですので、DTPを依頼する際には、まず対象のファイルを翻訳会社に送って料金の見積もりをお願いして下さい。その際に、以下の点を同時に伝えると良いでしょう。

・元原稿のファイル形式について(MS Word、Adobe Illustrator、Indesign、など)
・元データがIllustratorやIndesignなどの場合、フォントのアウトライン化(文字の図形化)がされていないデータを準備できるかどうか。

海外向けのプロモーション活動を手掛けている翻訳会社もあります。例えば、外国語のライティングスタッフを組織して、ウェブサイトの多言語SEO対策・SNSを活用した外国人向けファンサイト運営・外国語でのオウンドメディアの運営などにも力を入れている会社もあります。Webサイトやパンフレットの多言語化、それを行うことだけでは海外進出はできません。その資料を、どのようにより多くの外国人に見てもらうか、どのように効果的なプロモーションを行ってゆくかが成功の鍵となります。海外向けプロモーション活動を行なっている翻訳会社は、「翻訳業」と「プロモーション活動」どちらにも取り組んでいますので、今後海外進出を考えている企業には理想的と言えるかもしれません。

翻訳を発注する際に伝えるべき10の内容

1.翻訳したい資料の分野

翻訳をお願いしたい「分野」を明確に伝えましょう。観光、ビジネス、ニュース、行政文書、法律、IT、機械などの技術資料、医療に関する資料、論文など様々な専門分野があります。1人の翻訳者がすべての分野に対応することは出来ません。翻訳会社は、依頼された専門分野に適任の翻訳者を選出します。

2.翻訳したい資料のファイル形式、納品ファイルの形式

Microsoft WordやAdobe PDFなどのファイル、Webサイト、紙原稿、動画など、翻訳したい資料のファイル形式、納品ファイルの形式を明確にしておきましょう。

3.翻訳したい資料の用途

Webサイトで公開するのか、電子ファイル形式で共有するのか、印刷物として販売するのか、社内での確認用なのかなど、どのような用途で使用するのか明確に伝えましょう。これら用途の違いによって、翻訳完成までの日数(納期)や翻訳料金も変化しますので、事前によく確認するようにしましょう。

4.主な対象読者

男性、女性、学生、社会人、どのような年齢層なのか、どのようなタイプに人に見てもらいたいのかなど、対象読者を明確に伝えて下さい。その対象の違いによって、文章のトーンを調整する必要が生じます。

5.最優先事項

翻訳の品質が高いこと、適性価格であること、納期が守られること、お客様へのヒアリングを重視し、連絡や質問に関するレスポンスが早いこと。このような点で、信頼できる翻訳会社を選択するようにしましょう。

6.希望する文体、文章のトーン

過去に自社でOKが出た訳文や参考にして欲しい文章があれば、それを翻訳会社の担当者に見せて下さい。そうすることにより、翻訳文のトーンを調整することが出来ます。

7.レイアウト調整までしてくれるのか

一般的にレイアウト調整は翻訳には含まれず、オプション料金がかかる場合がほとんどです。この点で、翻訳会社の担当者に確認を取るようにして下さい。

8.納品後の対応

納品後・検収後の質問や修正は可能なのか、可能なら何度まで対応してもらえるのかを聞いておきましょう。無償で対応してくれるサービス、有料となる作業を事前に確認しておきましょう。

9.請求のタイミング、支払方法

翻訳作業終了後の請求書のタイミング、支払い方法、支払い期限などの詳細も必ず確認しておきましょう。

10.その他

用語集を持っているのであればそれを使用するか、翻訳の際に特に注意して欲しい点、翻訳資料に対するお客様の思いなど、必ず担当者に伝えて下さい。

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まとめ

翻訳会社は数多くありますので、どの会社を選んだら良いのか判断に困ることがあると思います。上記にあげた、信頼できる翻訳会社の選び方、翻訳を依頼する際の注意点を参考にしていただけると幸いです。

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