
【最新版】決算短信の英訳義務化にどう備える?勘定科目リストと対策
東証プライム市場における英文開示の義務化に伴い、決算短信の英訳は多くの企業にとって避けて通れない課題となっています。しかし、専門的な会計用語の翻訳や、日本語版との同時開示というスピード感に、頭を悩ませているご担当者様も多いのではないでしょうか。
この記事では、なぜ今、質の高い英文決算短信が求められているのかという背景から、実務で使える勘定科目の英訳リスト、そしてAI翻訳のリスクとプロに依頼すべき理由までを網羅的に解説します。投資家からの信頼を損なわないための、正しい英文開示の進め方をご確認ください。
【この記事のポイント】
- 東証の要請により、決算短信の英訳・同時開示はプライム市場で義務化の流れにある。
- AI翻訳は便利だが、IR特有のニュアンスやインサイダー情報のセキュリティにリスクがある。
- 勘定科目や定性情報の翻訳には「一貫性」が不可欠であり、用語集の整備が重要である。
- 重要部分は専門翻訳会社へ外注し、品質とスピードを担保することが信頼獲得への近道。
決算短信の英訳が重要視される理由と東証の最新要請

「東証プライム市場における英文開示の拡充」が叫ばれる昨今、決算短信の英訳対応に追われているIR担当者様や経営企画室の方は多いのではないでしょうか。
- 「とりあえずAI翻訳で済ませて良いものか」
- 「日本語の発表と同時に出すにはどうすればいいか」
- 「専門的な勘定科目の英訳に自信がない」
このようなお悩みは、決して貴社だけのものではありません。海外投資家の比率が高い日本市場において、決算短信は企業の「顔」とも言える重要書類です。単に日本語を英語に置き換えるだけでなく、会計基準に則った正確な用語選定と、経営の意思を正しく伝えるニュアンス管理がなければ、思わぬ誤解を招き、株価や企業価値に影響を与えるリスクすらあります。
この機会に、義務対応としてではなく、世界中の投資家へアピールするチャンスとして、英文開示を見直してみませんか。
【2026年版】決算短信英訳が求められる背景と市場環境の変化

企業のグローバル化が進む中、決算短信の英訳はもはや「任意のサービス」から「必須のインフラ」へと変わりつつあります。まずは、なぜ今これほどまでに英文開示が強く求められているのか、東京証券取引所(東証)の動向と市場環境から紐解きます。
プライム市場で進む英文開示義務化の流れ
2022年の市場区分再編以降、東証はプライム市場上場企業に対し、海外投資家との建設的な対話を促進するため、英文開示の充実を継続的に要請しています。
特に2024年から2025年にかけての動きは活発で、決算短信(サマリー情報を含む)や適時開示情報の英訳は、プライム市場における「実質的な義務」としての性格を強めています。東証が公表するデータによれば、プライム市場企業の9割以上が何らかの形で英文開示を行っており、未対応の企業は投資対象のスクリーニング段階で不利になる可能性が高まっています。
これは、単なるルールの遵守だけでなく、グローバル市場での競争力を維持するための最低条件と言えるでしょう。
海外投資家比率の高さと英語情報不足によるリスク
日本株の売買代金の約6割から7割は、海外投資家によるものと言われています。また、保有比率で見ても30%を超えており、日本市場を動かしているのは実質的に海外マネーであるという現実は無視できません。
しかし、海外投資家からは長年、「日本語の情報量に対し、英語の情報量が圧倒的に少ない」「重要な情報の入手において、日本語話者との間にタイムラグ(情報の非対称性)がある」という不満の声が上がっていました。
決算短信は、投資判断の基礎となる一次情報です。この情報格差を埋めない限り、海外投資家は「情報不足によるリスクプレミアム」を要求するか、あるいは投資対象から外すという選択をせざるを得ません。
英語版の同時開示が必須となる理由
かつては「日本語版の発表から数日遅れて英語版を出す」という運用も許容されていましたが、現在は「同時開示」が強く求められています。
情報の鮮度は、金融市場において極めて重要です。日本語版が出た瞬間に株価が動き出す中で、数日後に英語版が出ても、海外投資家にとっては「すでに織り込み済みの古い情報」でしかありません。これではフェアな市場とは言えず、海外投資家の日本市場離れを招きかねません。
そのため、企業には、決算確定から開示までの限られた時間の中で、日本語版の作成と並行して英語版を準備する「強固なIR体制」と「スピーディーな翻訳フロー」の構築が急務となっているのです。
決算短信英訳の基本構造と翻訳で重視すべきポイント

決算短信は、大きく分けて「サマリー情報(表紙部分)」と「添付資料(財務諸表や定性情報)」で構成されています。すべてを一度に完璧に英訳しようとすると膨大なリソースが必要になりますが、投資家が重視するポイントを押さえ、優先順位をつけて対応することが、効率的かつ効果的な開示への第一歩です。
最優先で翻訳すべきサマリー情報(Financial Highlights)
決算短信の1ページ目にあたる「サマリー情報」は、投資家が最初に目にする最も重要な部分です。売上高、利益、配当状況、業績予想といった数値データが凝縮されており、ここでの翻訳ミスや数値の転記ミスは、企業の信頼性を著しく損なう致命的なエラーとなります。
多くの企業では、まずこのサマリー部分の英訳を最優先で行い、日本語版との同時開示を目指します。定型的なフォーマットであるため、一度テンプレートを確立してしまえば、比較的スピーディーに対応可能です。
しかし、注記(Notes)部分には、株式分割や会計方針の変更など、その期特有の重要な情報が含まれることがあるため、細部まで気を抜くことはできません。
財務諸表(Financial Statements)翻訳で求められる正確性
貸借対照表(Balance Sheets)、損益計算書(Statements of Income)、キャッシュ・フロー計算書(Statements of Cash Flows)などの財務諸表は、会計用語の正確性がすべてです。
ここでは「創造性」は不要であり、確立された定訳を使用する必要があります。
例えば、「売掛金」を “Money the customers owe us” などと意訳するのではなく、”Accounts Receivable”と正しく表記しなければなりません。また、勘定科目の並び順や表示区分も、国際的な会計基準や慣行に沿っているか確認が必要です。
定性情報(Qualitative Information)翻訳の難易度と注意点
「経営成績等の概況」や「今後の見通し」などの定性情報は、数字だけでは伝わらない企業のストーリーを説明するパートです。ここは翻訳の難易度が最も高く、同時にリスクも高い箇所です。
例えば、業績が悪化した理由を説明する際、日本語特有の曖昧な表現(「〜等の影響により」など)をそのまま直訳すると、海外投資家には「言い訳」や「分析不足」と受け取られる可能性があります。
また、将来予測に関する記述(Forward-looking statements)において、”plan”(計画する)、”expect”(予期する)、”aim”(目指す)といった動詞の使い分けを誤ると、達成義務の度合い(コミットメント)を誤解させ、訴訟リスクに繋がる恐れさえあります。AI翻訳では拾いきれない文脈やニュアンスの調整が、ここでは特に求められます。
【保存版】決算短信で使う主要勘定科目・頻出英訳リスト

決算短信の英訳において、最も基本的かつ重要なのが「勘定科目」の定訳です。用語の訳語については、自社で整備するというより、金融庁のサイトで提供されている既訳に合わせるのが鉄則です。
経営成績(Operating Results)関連
損益計算書(P/L)に関わる主要な項目です。「利益」を表す単語(Income, Profit)の使い分けに注意が必要です。
| 日本語項目 | 英訳例 (Standard) | 備考・注意点 |
| 売上高 | Net sales | IFRSでも “Net sales” が一般的。 |
| 営業利益 | Operating profit | IFRSでも “Operating profit” が一般的。 |
| 経常利益 | Ordinary profit | IFRSでも “Ordinary profit” が一般的。 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | Profit attributable to owners of parent | – |
| 1株当たり当期純利益 | Basic earnings per share | 略称で “EPS” と呼ばれることが多い。 |
| 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | Diluted earnings per share | “Diluted” は「希薄化した」という意味。 |
財政状態(Financial Position)関連
貸借対照表(B/S)に関わる項目です。資産・負債・純資産の区分を明確にします。
| 日本語項目 | 英訳例 (Standard) | 備考・注意点 |
| 総資産 | Total assets | – |
| 純資産 | Net assets | IFRSでは “Total equity” となることが多い。 |
| 自己資本比率 | Equity-to-asset ratio | 単に “Equity ratio” や “Capital adequacy ratio”(銀行等)とも。 |
| 1株当たり純資産 | Net assets per share | – |
キャッシュ・フロー(Cash Flows)関連用語
キャッシュ・フロー計算書(C/F)の3区分は定型表現です。
| 日本語項目 | 英訳例 (Standard) |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | Cash flows from operating activities |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | Cash flows from investing activities |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | Cash flows from financing activities |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | Cash and cash equivalents at end of period |
配当(Dividends)・業績予想(Forecasts)関連用語
投資家が最も注目する将来情報に関する用語です。
| 日本語項目 | 英訳例 (Standard) | 備考・注意点 |
| 配当金 | Dividends | – |
| 配当性向 | Payout ratio | “Dividend payout ratio” とも。 |
よくある間違いやすい表現と注意点
単語レベルの直訳では意味が通じない、あるいは誤解を招く表現があります。
- 「増収増益」 / 「減収減益」
- 間違いやすい例として、増減率が98%減、120%増となっている場合、英語では fell 2% やrise of 20%とする必要があります。
- あるいは、日本語では表内のマイナス数値に△をつけますが、英語では丸括弧内に数値を入れます 例:日本語△3.2 ,英語 (3.2)
- 「未定」
- TBD (To Be Determined)
- 業績予想や配当予想などで数値が出せない場合に使います。単に空欄にするより、意思を持って「未定である」と伝えることが重要です。
- 「-」(該当なし・ゼロ)
- 日本語の表でハイフンが入っている場合、英語ではエンダッシュにします。機械的に空欄にすると「記載漏れ」と疑われる可能性があります。
社内翻訳・AI翻訳・翻訳会社の比較と最適な選び方

決算短信の英訳を進める手段は、大きく分けて「社内リソース(+AIツール)」と「翻訳会社への外注」の2つ、あるいはその組み合わせです。それぞれのメリットとデメリットを比較し、自社の予算や体制に合った最適なフローを見極めましょう。
以下の表は、一般的な各手法の特徴をまとめたものです。
| 手法 | コスト | スピード | 品質・正確性 | セキュリティ | 推奨シーン |
| ① 社内対応のみ | 低 | 可変 | 担当者のスキル依存 | ◎(社内完結) | 英語力のある専門スタッフがいる場合 |
| ② 無料AI翻訳ツール | 極低 | 速い | △(要修正・誤訳リスク有) | ×(情報漏洩リスク) | 社外秘情報の入力は厳禁 |
| ③ 有料AI(企業版) | 中 | 速い | △(要修正・誤訳リスク有) | ◎(契約による) | 下訳作成、スピード重視の参考用 |
| ④ 翻訳会社(専門) | 高 | 普通〜速い | ◎(品質保証・専門性) | ◎(契約による) | 外部公開用、重要情報の開示 |
社内翻訳・AIツールの限界(ニュアンスと法務リスク)
「DeepL」や「Google翻訳」などのAI翻訳ツールは飛躍的に進化しており、日常会話レベルであれば驚くほど自然な訳文を作成します。しかし、決算短信のような高度な専門性が求められる文書においては、依然としてリスクが存在します。
- 文脈の読み違え:
AIは文脈を完全に理解しているわけではありません。例えば、業績が「苦戦した」という文脈で、単に事実を述べるのか、回復の兆しを含ませるのかといったIR特有のニュアンスを汲み取ることは苦手です。 - セキュリティリスク:
最も注意すべきは情報漏洩です。無料版の翻訳ツールに入力したテキストは、AIの学習データとしてサーバーに保存・再利用される可能性があります。決算発表前の数値や情報は「インサイダー情報」そのものであり、これらを無料ツールに入力することはコンプライアンス上、絶対にあってはなりません。
社内対応する場合でも、セキュリティが担保された有料のAIツールを使用し、かつ、会計知識のある人間による徹底的なポストエディット(修正作業)が不可欠です。
専門翻訳会社を活用するメリットと品質向上のポイント
一方、IR・金融分野に特化した翻訳会社を利用する最大のメリットは、「投資家に対する品質保証」です。
- 専門用語の正確性: 金融翻訳の経験豊富な翻訳者が担当するため、会計基準やトレンドに沿った適切な用語選定が行われます。
- ネイティブチェック: 英語として文法的に正しいだけでなく、海外の機関投資家が読んでも違和感のない、洗練された表現にブラッシュアップされます。
- リスクヘッジ: 誤訳による市場の混乱や、企業の信用低下という「見えない損失」を防ぐための保険として機能します。
関連記事: [IR翻訳で失敗しないための品質管理のポイント]もあわせてご覧ください。
外注と内製の最適バランス:どこまでをプロに任せるべきか
「すべての文書を外注するとコストと時間がかかりすぎる」という場合は、重要度に応じた使い分け(ハイブリッド運用)をおすすめします。
- 全文外注すべきもの:
- サマリー情報(短信の1ページ目): 最も読まれる部分であり、ミスが許されないため。
- 定性情報(経営成績の概況など): ニュアンスが重要で、AI翻訳のリスクが高いため。
- 招集通知や有価証券報告書の主要部分
- 社内対応(流用)で可能なもの:
- 財務諸表の数値更新: 科目名などの枠組みが変わらなければ、前回の英訳データをベースに数値を入れ替える作業は社内で効率化可能です。
このように、「投資家の判断に直結するコアな部分はプロに任せ、定型的な処理は社内で行う」ことが、コストを抑えつつ品質を維持する現実的な解となります。
投資家から信頼される英文決算短信を作るための要点

「英語になっていれば良い」というレベルの開示は、時として逆効果になります。拙速な翻訳や不自然な表現は、海外投資家に「この企業はグローバル市場を軽視している」「ガバナンスが効いていない」というネガティブなシグナルとして受け取られかねません。
投資家から選ばれる企業になるために意識すべき、高品質な英訳の3つのポイントを解説します。
数字の一致だけではない「一貫性(Consistency)」の確保
IR翻訳において最も重要なキーワードは「一貫性(Consistency)」です。これは単一のドキュメント内での用語統一にとどまりません。
- 過去の開示資料との一貫性:
昨年の決算短信、アニュアルレポート、統合報告書などで使用した用語と、今回の短信で使う用語は一致していますか?
例えば、同じ「事業部」を指すのに、ある資料では “Division”、別の資料では “Segment”、今回は “Business Unit” とバラバラに使っていては、投資家は連続性のある分析ができません。 - Webサイトやプレスリリースとの一貫性:
決算短信と同時に出されるプレスリリースや、WebサイトのIRページ上の文言とも整合性を取る必要があります。
翻訳を行う際は、必ず過去の資料や用語集(Glossary)を参照し、「当社における定訳(Company Standard)」を守り続けることが、投資家の分析コストを下げ、信頼感の醸成に繋がります。
ネガティブ情報の開示における表現の工夫
業績が悪化した際や、不祥事が発生した際など、ネガティブな情報をどう英語で伝えるかは、IR担当者の腕の見せ所です。
ここでの鉄則は、「隠さず、言い訳せず、客観的事実と対策を述べる」ことです。
- 避けるべき表現:
感情的な言い訳や、曖昧な責任転嫁を連想させる表現。
(例:Unfortunately, due to external factors… などの過度な修飾) - 好ましい表現:
事実を淡々と述べ、それに対するアクションを明確にする表現。
(例:Operating profit decreased by X% primarily due to [Specific Reason]. To address this, the Company has implemented [Specific Measure].)
日本語の「遺憾ながら」といった情緒的な表現を直訳するのではなく、”Context”(背景)と “Action”(対策)をロジカルに言語化することで、海外投資家は「リスク管理ができている企業」と判断します。
ESG・非財務情報との連動性
近年、決算短信の定性情報においても、人的資本やサステナビリティ(ESG)に関する記述が増えています。
これらの非財務情報は、財務情報以上に「言葉の定義」が重要です。例えば、「ダイバーシティ推進」を英訳する場合、単に “Diversity promotion” とするのか、具体的な施策(”Diversity, Equity, and Inclusion initiatives”)として表現するのかで、受け取られる本気度が変わります。
統合報告書やサステナビリティレポートですでに定義している概念やフレーズを、決算短信のサマリーや定性情報でも踏襲することで、企業としてのメッセージに厚みが出ます。財務翻訳チームとESGチーム(あるいは広報チーム)が連携し、用語のすり合わせを行うことが理想的です。
アットグローバルがIR翻訳で選ばれる理由

決算短信の英訳は、単なる言語変換作業ではありません。それは、企業の信頼を守り、投資家との架け橋を作る高度な専門業務です。
アットグローバルは、長年にわたり多くの企業のIR翻訳・金融翻訳を支援してきました。なぜ多くの担当者様に選ばれているのか、その理由をご説明します。
金融・会計分野に精通した専門翻訳チーム
当社には、金融機関出身者や公認会計士資格保有者、IR実務経験者など、金融・会計分野に特化した翻訳者が多数在籍しています。
「経常利益」と「営業利益」の違いといった基礎的な会計知識はもちろん、最新のIFRS動向や東証の開示ルールの変更点も常にアップデートしています。これにより、辞書的な直訳ではなく、金融のプロが読んでも違和感のない「実務的な翻訳」を提供します。
トリプルチェック体制による徹底した品質管理
数字の誤りは、IR翻訳において最も許されないミスです。
アットグローバルでは、翻訳者による一次翻訳の後、別の専門家による二次チェック(バイリンガルチェック)、そしてネイティブチェックによる三次チェック(リライト)を行う「トリプルチェック体制」を標準としています。
また、専用のQAツールを使用し、数字の転記ミスや用語の不統一を機械的にも検出。人的ミスとシステムによるチェックの二重網で、極めて高い精度を担保します。
関連記事: [ビジネスにおけるネイティブチェックの重要性と機械翻訳の限界]もあわせてご覧ください。
短納期・同時開示への柔軟な対応フロー
決算発表のスケジュールは分刻みで決まっており、遅延は許されません。
私たちは、お客様の決算スケジュールを事前に共有いただき、決算数値が固まる前の「事前翻訳(定性情報のドラフトや枠組みの作成)」と、数値確定後の「差分翻訳」を組み合わせることで、日本語版との同時開示(または当日中の開示)を強力にサポートします。
限られた時間の中で最高品質のアウトプットを出すための、最適なワークフローをご提案します。
よくある質問(FAQ)

- 決算短信の翻訳料金の「相場」は具体的にどれくらいですか?
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決算短信の英訳料金は、翻訳範囲と納期で変動します。サマリー情報(表紙)のみなら数万円から依頼可能ですが、全文翻訳の場合は文字数単価(1文字20円~30円程度)で計算され、十数万円~が相場となります。特急対応やXBRL作成などのオプション追加で費用は変わるため、予算に合わせて「サマリーのみ外注」「全文外注」などを使い分けるのが一般的です。
- TDnetに登録する「XBRLデータ」や「HTML」の英訳はどう対応すればいいですか?
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翻訳会社によって対応範囲は異なります。テキスト納品のみの会社もあれば、TDnet登録用のXBRLデータ作成やHTML化までワンストップで代行する会社もあります。社内に制作リソースがない場合は、データ作成まで依頼できる専門業者を選ぶとスムーズです。アットグローバルでは、翻訳データの納品形式を柔軟に調整し、お客様の開示フローに合わせたサポートを行っています。
- 「同時開示」をするためには、決算発表の何日前に原稿を渡せば間に合いますか?
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同時開示には、決算数値確定前の「先行翻訳」が鍵となります。定性情報のドラフトや枠組みを事前に英訳し、数値確定直後に「差分」のみを翻訳・差し替えれば、最短で数時間~翌日納品が可能です。一般的には発表の1週間前から準備を始め、前日や当日に最終数値を反映させます。事前に翻訳会社とスケジュールを共有し、特急対応の体制を確保しておくことが不可欠です。
- 同業他社の英文決算短信(ベストプラクティス)はどこで検索・閲覧できますか?
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同業他社の事例を探すには、日本取引所グループ(JPX)の「東証上場会社情報サービス」や各社公式サイトの「IRライブラリー」が便利です。特にJPXの「英文開示実施状況一覧」を見れば、同業種で英文開示を行っている企業を特定できます。競合他社が使用している勘定科目や定性情報の表現(ポジティブ・ネガティブな事象の説明ぶり)を参考にし、業界標準に沿った用語を選定することをおすすめします。
- 「特別利益」「特別損失」など、期によって発生する項目の英訳はどうすればいいですか?
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突発的な「特別利益・損失」等の項目は、定型テンプレートに含まれないため注意が必要です。「固定資産売却益(Gain on sales of non-current assets)」や「減損損失(Impairment loss)」など、会計基準に基づいた定訳が存在します。自己流の直訳は避け、会計用語集で入念に調べるか、イレギュラーな項目だけでも専門の翻訳会社へ相談し、正確な表現を確認するのが安全です。
まとめ:決算短信の英訳は「コスト」ではなく「投資」である
東証の要請により、決算短信の英訳は「やったほうがいいこと」から「やらなければならないこと」へと変わりました。しかし、これを単なる「義務対応のコスト」と捉えるのは非常にもったいないことです。
正確で読みやすい英文開示は、世界中の投資家に対して「私たちはグローバルスタンダードで経営している透明性の高い企業である」という強力なメッセージになります。それは巡り巡って、株価の適正な評価や、良質な長期投資家の獲得という「リターン」をもたらす投資なのです。
- 決算短信の英訳は、プライム市場においては義務となっている
- 海外投資家は「情報のタイムラグ」と「英語情報の少なさ」をリスクと見なす
- サマリー情報(数値)の正確性が最優先。テンプレート化とチェック体制が鍵
- 勘定科目は、日本基準・IFRS・米国基準で用語が異なるため、自社の基準に合わせる
- 定性情報はAI翻訳任せにせず、ニュアンスと文脈を正確に伝える工夫が必要
- 用語の一貫性(Consistency)が、投資家の分析コストを下げ、信頼を生む
- 無料AI翻訳ツールの使用は、情報漏洩(インサイダー)のリスクがあるため厳禁
- 重要部分(サマリー・定性情報)は専門の翻訳会社へ外注し、品質と安全を担保すべき
アットグローバルでは、初めて英文開示に取り組む企業様から、さらなる品質向上を目指す企業様まで、状況に合わせた最適なサポートを行っております。ぜひ一度ご相談ください。


