【完全版】アテンド通訳とは?料金相場・メリット・依頼方法を解説

【完全版】アテンド通訳とは?料金相場・メリット・依頼方法を解説

初めての海外商談、あるいは一生の思い出に残る旅行―そんな大切なシーンで最も不安なのが「言葉の壁」ではないでしょうか。 

「通訳は必要だけど、どこまでお願いできるの?」「もっと気の利くサポートがあればいいのに…」

 そんなあなたに心強い味方となるのが、「アテンド通訳」です。通訳+αのサポートで、言葉だけでなく文化や心の距離までも埋めてくれる存在は貴重です。

この記事では、アテンド通訳の基本・料金・活用シーンまで、初めての方にもやさしく解説します。

  • アテンド通訳の定義と逐次・同時通訳との違い
  • アテンド通訳を依頼するメリットと活用場面
  • アテンド通訳の料金相場と費用構成
  • アテンド通訳の依頼時に確認すべき注意点
目次

アテンド通訳とは何か?基本と他の通訳との違い

アテンド通訳とは

アテンド通訳の定義と主な役割

アテンド通訳とは、単に言葉を訳すだけではありません。ゲストに寄り添い(アテンドし)、空港へのお出迎え、移動や食事の手配など、滞在全体がスムーズに進むようサポートする役割を担います。

まるで、あなたやゲスト専用の優秀なアシスタントやコンシェルジュがいるようなものだとお考えください。

アテンド通訳者がいることで、知らない国での移動やアポイントなど、心配な部分の多くを取り除いてくれます。また体調不良など緊急事態が生じても、必要な対応をしてくれるので安心です。

逐次通訳・同時通訳との違い

テレビの国際会議で見るような、話と同時に訳すのが「同時通訳」。話者が一度話をやめて、その後にまとめて訳すのが「逐次通訳」です。

アテンド通訳は、会話の場面で「逐次通訳」のスタイルをとることが多いですが、最大の違いは通訳以外のきめ細やかなサポートまで行う点にあります。状況に応じた臨機応変な対応力と、おもてなしの心が求められるサービスです。

次にアテンド通訳を依頼することで得られるメリットについて解説します。

アテンド通訳を依頼するメリットとは?

言語の壁を越えた、スムーズなコミュニケーション

単純な言葉の翻訳だけでなく、文化的な背景や言葉のニュアンスまで汲み取って伝えるため、誤解のない深いコミュニケーションが可能になります。これにより、ビジネスの交渉も、現地の人々との交流も、より円滑に進みます。

異文化理解とビジネスマナーへの配慮

国によって異なるビジネスマナーや習慣。知らず知らずのうちに失礼な振る舞いをしてしまうリスクを避け、相手に敬意を払った対応ができるため、良好な信頼関係を築くことができます。

ゲスト対応の負担を軽減し、本来の業務に集中できる

通訳以外の煩雑な手配やスケジュール調整をすべて任せられるため、あなたは最も重要なことに集中できます。ビジネスマンは商談そのものに、旅行者は旅を心から楽しむことに、貴重な時間とエネルギーを注ぐことができます。

このように、アテンド通訳者がいることで、商談や旅行において最も実現したい第一目標を達成しやすくなることがご理解いただけたと思います。

ではイメージしやすいように、もう少し具体的な場面をご紹介しましょう。

どんな場面で活躍する?アテンド通訳の具体例

アテンド通訳は、ビジネスからプライベートまで、様々な場面で活躍します。以下にいくつかの場面をご紹介しましょう。

  • ビジネスシーン 海外の取引先との重要な商談や工場視察に同行し、円滑なコミュニケーションをサポートします。
  • 国際会議・展示会 自社ブースを訪れた海外のお客様への商品説明や、その後の商談までスムーズにご案内します。
  • 海外旅行・観光 言葉のストレスなく、特別な旅行体験をご提供します。観光案内はもちろん、高級レストランの予約やショッピングもお任せください。
  • VIP・賓客対応 大切なゲストの空港へのお出迎えからご出発まで、最高レベルのおもてなしを演出し、満足度の高い滞在を実現します。
  • 医療・専門分野 海外の病院での診察や、専門機関への視察など、専門用語が飛び交う場面でも安心してコミュニケーションが取れます。

アテンド通訳を依頼する時には、自分がどんな形でのアテンド&通訳をお願いしたいのか、はっきりと伝えるようにしましょう。それによって料金や扱う範囲が変わってきます。

アテンド通訳者がいると、安心以上のメリットがあります。

とはいえ、費用面が気になる方も多いでしょう。次にアテンド通訳の料金相場について、そして通訳以外でかかるコストについてご説明します。

料金はいくら?費用構成と注意点

アテンド通訳 料金相場

アテンド通訳の料金体系と費用相場

料金は、通訳者のレベルによって、そして拘束時間によって設定されていることが多いです。株式会社アットグローバルでは、以下のようなリーズナブルな料金設定をしています。

通訳者レベル半日(4時間以内)全日(8時間、休憩1時間含)延長(1時間ごと)
Aクラス(専門商談、契約交渉)55,000円~90,000円~12,000円~
Bクラス(一般商談、展示会)35,000円~60,000円~8,000円~
Cクラス(日常的な社内打ち合わせ)25,000円~40,000円~6,000円~
Dクラス(送迎、簡単な観光)20,000円~30,000円~4,000円~

その他、詳細条件や注意点については、こちらの「海外アテンド通訳」をご覧ください。

料金に影響を与える要因

一般的に、アテンド通訳の料金に影響を与える要因には、以下のようなものがあります。

  • 専門性:医療、金融、ITなど高度な専門知識が必要な場合は料金が高くなります。
  • 言語:英語に比べ、対応できる通訳者が少ない言語は料金が高くなる傾向があります。
  • 時間帯・場所:早朝・深夜の業務や、宿泊を伴う出張には追加料金や交通・宿泊費が必要です。

具体的な条件や料金のお問い合わせは、こちらのフォームからお気軽にお送りください。

アテンド通訳の費用において、注意しないといけないのは、商談や旅行にアテンドが伴走する全体に対して諸経費がかかるということです。これを知らずに依頼すると、総額の高さに驚いてしまうことになります。

通訳料以外にかかるコスト一覧

総額は「基本料金+諸経費」で把握しよう

アテンド通訳の料金表だけを見て、「料金は予算内だな」と安心するのは、少し早いかもしれません。アテンド通訳の費用は、通訳者のスキルに対して支払う「基本料金」のほかに、状況に応じて様々な「諸経費」が加算されるからです。

後から「予想以上に費用がかかってしまった…」という事態を避けるためにも、どのような費用がかかる可能性があるのかを事前に知っておくことが、予算管理の重要なポイントです。

移動・出張に伴う費用

通訳者が指定の場所へ向かったり、遠方へ同行したりする際には、以下のような費用が発生することがあります。

  • 交通費:通訳者の移動にかかる実費 通訳者の自宅から集合場所までの往復交通費です。新幹線や特急を利用する場合は、グリーン車料金が適用されることもありますので、事前に確認しましょう。
  • 出張手当(日当):遠方への出張に対する手当 首都圏から関西へ、といったように、通訳者の居住地から遠方の現場へ出張する場合に支払われる手当です。
  • 宿泊費:宿泊が必要な場合のホテル代 業務が宿泊を伴う場合、通訳者のホテル代は依頼者側の負担となります。依頼者側でホテルを手配するか、通訳者が手配した実費を支払うケースが多いです。
  • 移動拘束手当:長時間の移動に対する手当 現場での業務時間とは別に、移動だけで片道2時間以上など、長時間を要する場合に発生する手当です。「移動」そのものによって通訳者の時間が拘束されることに対して支払われます。

業務時間に関する追加費用

契約時間を超えて業務が長引いたり、一般的な時間帯以外での対応を依頼したりする場合には、追加料金が必要です。

  • 時間外(延長)料金:契約時間を超えた場合の割増料金 「半日(4時間)」の契約で、業務が5時間に及んだ場合など、契約時間を超えた分に対して支払う料金です。15分や30分単位で設定されていることが多く、通常の時間単価より割増になります。
  • 早朝・深夜料金:規定時間外の業務に対する割増料金 朝9時より前や、夜10時以降など、通訳会社が定める通常の業務時間外に業務が及ぶ場合に、基本料金に上乗せされる料金です。

同行中に発生する可能性のある費用

通訳者に同行してもらう中で、実費として依頼者の負担が必要になる費用です。

  • 食事代:昼食や夕食などを挟む場合の費用 ランチやディナーを挟んで業務を行う場合、通訳者の食事代は依頼者の負担が想定されます。会食に同席する、もしくは食事代として一定額をお渡しするなどの対応となります。
  • 施設等の入場料:有料施設に同行する場合の費用 美術館、テーマパーク、有料の展示会など、入場料が必要な場所に同行してもらう場合は、通訳者1名分の入場料も依頼者の負担となります。

その他、事前に確認すべき費用

最後に、状況によって発生する費用や、万が一の場合に備えた費用です。

  • 事前打ち合わせ費 非常に専門性が高い内容で、通訳者が前もって詳細な勉強や準備をする必要がある場合など、業務前に行う打ち合わせが有料となるケースがあります。
  • キャンセル料:直前のキャンセルや日程変更で発生する料金 正式に依頼した後で、依頼者側の都合でキャンセルや日程変更をする場合に発生します。「業務日の7日前から30%」「前日・当日は100%」など、通訳会社によって規定が異なりますので、依頼を確定する前に必ず確認しておきましょう。

アテンド通訳ならアットグローバル

アテンド通訳 アットグローバル

ここまで見てきたように日本から通訳者をアテンドとして同行させると、通訳者の高額な渡航費や宿泊費も負担することになり、費用がかさんでしまいます。できれば、ここは安く抑えたいですよね。

そこでおすすめなのが、弊社株式会社アットグローバルの海外現地に在住している通訳者を派遣してくれるサービスです。

現地に住む通訳者であれば、日本からの飛行機代やホテル代が一切不要になるため、総費用を大幅に削減できます。海外での通訳を検討する際は、この方法が最も賢い選択と言えるでしょう。

アットグローバルには、世界に2,300人のスタッフがいます。ご希望であれば、現地スタッフによるアテンド通訳を手配し、皆さんのニーズにあったプランをお見積もりできます。

とりあえず、費用だけでも知りたいという方は、遠慮なくお問い合わせください。

実際の事例から見るアテンド通訳の活用例

アットグローバルはこれまでさまざまなアテンド通訳をさせていただいてきました。その中でいくつかの事例をご紹介したいと思います。

実績1 ベトナム ホーチミンでのアテンド通訳

2025年、アットグローバルはベトナムに進出する日本企業の重要な商談をサポートしました。

ベトナムは南北に長い国であり、首都ハノイと商業都市ホーチミンでは文化や商習慣に大きな違いがあります。従来はハノイでの取引に限られていた企業が新たにホーチミンでの商談を試みるにあたり、当社は一貫したアテンド通訳サービスを提供しました。

具体的には、現地での車両手配や運転、効率的な営業順序の提案、商談時の通訳、さらに会食の手配まで包括的に対応。単なる通訳にとどまらず、スケジュール管理や現地文化への配慮を徹底することで、安心して交渉に集中できる環境を整えました。

その結果、言葉や文化の壁を超えて円滑な商談が実現し、現地ビジネスの大きな一歩につながりました。

実績2 展示会やイベントの通訳&サポート

アットグローバルは展示会や国際イベントにおいても、幅広いアテンド通訳実績を有しています。

単なる通訳にとどまらず、自社スタッフの一員として現場に立ち、ブースの設計や運営、営業代行、アンケート調査、セミナーのコーディネートまで包括的に対応。現地の来場者や参加者と直接コミュニケーションを取りながら、イベント全体の成果を高める役割を果たしてきました。

例えば、2018年7月にタイ、同年8月にマレーシアで著作権啓蒙イベントのコーディネートとアンケート調査を実施。さらに2019年10月にはベトナムで、同年11月にはマレーシアで著作権啓蒙イベントおよびセミナーを運営し、文化や言語の違いを越えた円滑な交流を実現しました。

実績3 介護人材に関する海外調査でアテンド通訳

アットグローバルは、介護人材の確保を目的とした海外調査や交渉においても、現地に寄り添ったアテンド通訳を提供しています。

特にネパールでは、対面による信頼構築が重視されるビジネス文化が根付いており、メールでのやり取りはレスポンスが遅く、商談の進展に時間がかかる傾向があります。

そこで当社は、現地送り出し機関との交渉をスムーズに進めるため、事前のアポイント調整から現地での同行通訳、会議や交渉のサポートまで一貫して対応しました。

実績4 アメリカでの国際会議での通訳

アットグローバルは北米エリアにおいても、専門性の高い分野での通訳サポートを提供しています。

実績の一つとして、アメリカで開催された日本の旅行関連団体による宇宙分野の国際会議において、会議通訳および同行通訳を担当しました。宇宙関連の専門用語や高度な議論を正確に伝えるだけでなく、文化的背景や会議の進行意図を踏まえた通訳により、参加者間の円滑な理解と合意形成を支援しました。

また、この案件では車両手配などの付随業務は不要でしたが、ご要望に応じて移動手段やスケジュール管理を含めた総合的なアテンドも可能です。

実績5 英国・ヨーロッパにおける同行通訳

アットグローバルは、ヨーロッパ地域でも実績を重ねています。イギリスにおいては、日本企業と現地会計事務所との打ち合わせに際し、会議通訳および同行通訳を担当しました。

単なる3時間の会議通訳にとどまらず、A地点からB地点への移動手配、さらに会食の場の選定と予約まで含め、ビジネス全体を円滑に進めるためのトータルサポートを実施。

現地特有の商習慣に配慮した対応により、日本企業が交渉や打ち合わせに集中できる環境を整えました。

よくある質問(FAQ)と依頼時のポイント

どのくらい前から依頼(予約)すればよいですか?

可能であれば、業務予定日の1ヶ月以上前のご相談をお勧めします。特に、医療や法務といった高度な専門知識を要する分野や、対応可能な通訳者が限られる言語(希少言語)の場合、最適な人材を確保するために早めのご予約が不可欠です。

もちろん、急なご依頼にも可能な限り対応いたしますが、少なくとも1〜2週間前までにご連絡いただけると、よりスムーズな手配が可能です。直前のご依頼は通訳者のスケジュール確保が難しくなることや、緊急手配料金が発生する場合がございますので、ご予定が決まった段階で一度ご相談いただくのが最も確実です。

依頼する際に、どのような情報を事前に共有する必要がありますか?

通訳の品質は事前の情報共有によって大きく向上します。ご依頼時には、日時、場所、言語、参加者といった基本情報に加え、当日の目的(商談、視察、会食など)や議題(アジェンダ)を可能な範囲でお知らせください。

また、会社案内、商品パンフレット、プレゼンテーション資料、ウェブサイトのURL、専門用語や固有名詞のリストなど、関連資料を事前にご共有いただけると、通訳者は背景を深く理解し、より正確でスムーズな通訳を提供できます。お客様の目的達成を最大限にサポートさせていただくためにも、事前の情報提供にご協力をお願いいたします。

商談内容などの機密保持はどのように担保されますか?秘密保持契約(NDA)の締結は可能ですか?

お客様の重要な情報をお預かりする上で、機密保持は最優先事項です。通訳者には職業倫理として厳格な守秘義務が課せられており、弊社でも登録する全ての通訳者と秘密保持契約を締結し、教育を徹底しております。

もちろん、お客様のご要望に応じて、個別案件ごとに秘密保持契約(NDA)を締結することも可能です。お客様指定の書式で締結することも、弊社雛形をご利用いただくこともできます。

安心してご依頼いただくために情報管理体制を整えておりますので、契約手続きについてはお気軽にお申し付けください。

通訳以外の業務(例:簡単な議事録作成、会食後のゲストのホテルへの送迎など)はどこまでお願いできますか?

アテンド通訳は、円滑なコミュニケーションを軸に、スケジュール確認や移動の簡単なご案内など、付随するサポートを行います。ただし、通訳の品質維持が最優先となります。

議事録の作成や資料の翻訳といった業務は、通訳とは別のスキルを要するため、別途ご依頼いただくのが一般的です。

また、車両の運転や、個人的な買い物の代行など、責任の所在が曖昧になる業務はお引き受けできない場合がございます。ご希望のサポート内容が対応可能か否か、また追加料金の要否については、ご依頼時に具体的にお聞かせいただき、事前に業務範囲を明確にさせていただければと存じます。

通訳者の急な体調不良など、万が一のトラブルが発生した場合の代替対応や保証はありますか?

万が一の事態に備え、弊社ではリスク管理に万全を期しております。担当通訳者に急な体調不良や不測の事態が発生した場合は、弊社の広範なネットワークを駆使し、速やかに同等レベルもしくはそれ以上のスキルを持つ代替通訳者の手配に全力を尽くします。

その際、事前にお客様から共有いただいた資料は全て引き継ぎ、業務に支障が出ないよう最大限配慮いたします。万が一、地理的条件や専門性の問題で代替要員の確保が困難な場合は、速やかにご連絡し、誠意をもって対応させていただきます。もちろん、その際の通訳料金はいただきません。

通訳者の当日の服装について、指定(例:ビジネスフォーマル、ビジネスカジュアルなど)はできますか?

はい、もちろん可能です。アテンド通訳者は、お客様のチームの一員としてその場に同席するため、TPOに合わせた適切な服装を心がけております。

特にご指定がない場合は、一般的なビジネスシーンにふさわしい服装(スーツやビジネスカジュアル)で伺いますが、より厳格なドレスコードがある場合や、逆に工場視察などで作業着やカジュアルな服装が望ましい場合など、ご希望がございましたら、ご依頼時に遠慮なくお申し付けください。

お客様や大切なゲストに失礼がないよう、また、その場の雰囲気を壊さぬよう、柔軟に対応させていただきます。

アテンド通訳まとめ

  • アテンド通訳とは通訳に加え、移動や食事など滞在全体をサポートするサービスである
  • 逐次・同時通訳と異なり、通訳以外のきめ細かな対応やおもてなしが求められる
  • 言葉の翻訳だけでなく文化的背景やニュアンスを伝え、誤解のない深いコミュニケーションを実現できる
  • ビジネスマナーや習慣への配慮により、良好な信頼関係を築くことができる
  • 商談や旅行での手配や調整を任せることで、依頼者は本来の目的に集中できる
  • ビジネス商談、展示会、観光、VIP対応、医療分野など幅広い場面で活躍する
  • 料金は通訳レベルや拘束時間により異なり、基本料に加えて諸経費が発生する
  • 現地在住通訳者を手配することで渡航費や宿泊費を抑え、総費用を削減できる
目次