
2025年版!失敗しない通訳会社選び:目的別おすすめ10社を徹底比較
グローバル化が加速する現代において、海外企業との商談、国際会議の開催、外国人従業員とのコミュニケーションなど、ビジネスにおける通訳の重要性はますます高まっています。
しかし、「どの通訳会社に依頼すれば良いのか分からない」とお悩みの担当者様も多いのではないでしょうか。
通訳会社ごとに得意分野や提供サービスが異なるため、自社の目的に合った選定が欠かせません。自社の目的やニーズに合わない会社を選んでしまうと、コミュニケーションがうまくいかず、大切なビジネスチャンスを逃してしまうことにもなりかねません。
この記事では、「通訳会社 比較」「通訳会社 おすすめ」と検索されている企業担当者様に向けて、通訳会社選びで失敗しないためのポイントを解説します。さらに、以下の5つのカテゴリー別に、それぞれの分野で強みを持つおすすめの通訳会社を厳選してご紹介します。
- 日本企業の海外進出をトータルサポートする会社
- 国際会議・イベント運営に強い会社
- 大企業・政府機関向けの実績が豊富な会社
- 特定の専門分野(医療・ITなど)に特化した会社
- AIなどのテクノロジーを積極的に活用する会社
通訳会社を比較する6つの重要ポイント

最適な会社を見つけるために、まずは「どんな通訳が必要か」をはっきりさせ、評価の基準を決めましょう。次の6つのポイントを確認します。
- どんな通訳が必要か?(ニーズの明確化)
- 各通訳会社の強み
- 料金体系
- 通訳者の質
- サービスの柔軟性
- 評判と信頼性
順に解説していきます。
1.どんな通訳が必要か?(ニーズの明確化)
通訳会社比較において最初に考慮するべきなのは、どのような場面で、どのレベルの通訳が必要なのかを具体的に定義することです。通訳の種類は、一般に以下のように分類されます。
通訳の種類:
- 同時通訳: 話者が話すのとほぼ同時に通訳します。国際会議やセミナーなど、時間が限られている場合に。高いスキルと集中力が求められます。
- 逐次通訳: 話者が話した内容を区切りながら、後を追うように通訳します。商談や表敬訪問など、正確さが大切な場合に適しています。
- ウィスパリング通訳: 少人数(1〜2名)の聞き手の耳元で、ささやくように同時通訳します。役員への報告や小規模な会議で使われます。
- アテンド通訳(観光・視察通訳): 海外からのお客様の空港送迎、工場見学、食事などに同行し、移動中の会話や簡単な案内などをサポートします。より柔軟なコミュニケーションが求められます。
- オンライン通訳: Web会議システムを使って、遠隔で通訳を提供します。同時・逐次どちらも可能で、場所を選ばずに利用できるのが便利です。
利用シーン:
ビジネス商談、社内会議、海外視察
契約交渉や価格交渉、工場監査、海外支社との定例会議、VIP訪問など、正確な意思疎通と信頼関係づくりが欠かせない場面です。逐次通訳やウィスパリング通訳が中心になります。単に言葉を訳すだけでなく、文化的な背景を理解し、交渉がスムーズに進むようサポートすることも期待されるため、ビジネス経験が豊富な通訳者が求められます。
→ 選ぶべき会社:「日本企業の海外進出をまるごとサポートする会社」や、内容によっては「特定の専門分野に強みがある会社」が適しています。
国際会議、学会、大規模イベント
数百人規模のシンポジウムや国際フォーラム、新製品発表会、展示会など、多くの人に情報を伝える場面です。スムーズな進行が求められるため、専用の機材(同時通訳ブースやレシーバー)を使った同時通訳が一般的です。通訳者の手配だけでなく、機材の設置や当日の運営まで含めて、プロジェクト全体を管理する能力が問われます。
→ 選ぶべき会社:「国際会議・イベント運営に強い会社」がぴったりです。企画の段階から相談することで、よりスムーズな運営が期待できます。
医療、IT、金融、法律などの専門分野の会議
治験報告会、システム開発の要件定義、M&Aの調査、特許訴訟など、専門用語の誤訳がビジネスに深刻な影響を与えかねない、非常に高い精度が求められる場面です。その分野の知識や、同じ分野での通訳経験が豊富な専門家がいることが成功の絶対条件です。
→ 選ぶべき会社:「特定の専門分野に強みがある会社」への依頼が必須です。実績や所属する通訳者の専門性を必ず確認しましょう。
オンライン会議、ウェビナー
グローバルチームの日々の会議から、遠隔地の顧客へのプレゼンテーション、オンライン株主総会まで、リモートでのコミュニケーションが増えています。通訳者には語学力に加え、ZoomやTeamsなどのWeb会議ツールや、RSI(リモート同時通訳)プラットフォームの扱いに慣れていることが求められます。また、対面よりも音声が聞き取りづらい場合があるため、高いリスニング力と対応力も必要です。
→ 選ぶべき会社:「国際会議・イベント運営に強い会社」の中には、オンライン対応に優れた企業も多いです。コストを抑えたい定期的な会議であれば、「テクノロジー主導型の通訳会社」も選択肢に入ります。
2.各通訳会社の強み
通訳会社の強みはさまざまです。海外進出支援が得意な通訳会社、イベント運営まで一括で引き受ける会社など、貴社の目的に合っているかを確認しましょう。
各通訳会社の強みについてはこの記事の後半で解説します。
3.料金体系
料金は会社や通訳者のレベルによって大きく異なります。見積もりを取る際は、次の点を確認することが大切です。
- 料金の単位: 時間単位、半日(4時間)、1日(8時間)、プロジェクト全体など。
- 追加費用: 通訳者の交通費や宿泊費、同時通訳機材のレンタル費用、専門性の高い内容に対する追加料金などがあるか確認しましょう。
4.通訳者の質
通訳の品質は、ビジネスの成功を左右する最も重要な要素です。
- 資格・実績: 日本会議通訳者協会(JACI)などの認定資格があるか、似たような案件での実績があるかを確認します。
- 専門知識: 医療、IT、金融、法律など、専門的な知識が必要な場合は、その分野に詳しい通訳者が所属しているかどうかが鍵になります。
5.サービスの柔軟性
ビジネスの状況は常に変わります。急な依頼に対応できるか、オンライン会議への切り替えが可能かなど、柔軟なサービスを提供できるかも大切な選び方の基準です。また、案件全体を管理してくれるコーディネーターのサポート体制も確認しましょう。
6.評判と信頼性
実際にその会社を利用したお客様の声や、業界での長年の実績は、信頼性を測る上で重要な目安になります。
【カテゴリー別】おすすめ通訳会社10選
ここからは、これまでの選び方のポイントを踏まえ、特定のニーズや目的に強みを持つおすすめの通訳会社をタイプ別に紹介します。
会社名 | カテゴリー | 対応言語 | 得意分野 | 料金目安(税別) | オンライン対応 | 特徴 |
株式会社アットグローバル | 海外進出支援 | 英語,中国語,欧州・アジア言語 | 海外リサーチ,マーケティング | 逐次: 60,000円/日~ | ○ | 海外進出をワンストップで支援。国内はもちろん、海外在住の日本人通訳者が多数在籍。アテンド通訳も得意。 |
株式会社コングレ・グローバルコミュニケーションズ | 国際会議 | 英語,主要欧州・アジア言語 | MICE,大規模イベント、IR関連 | 同時: 77,000円/日~ | ○ | 機材・運営一体型サービス |
日本コンベンションサービス株式会社 | 国際会議 | 英語,中国語,欧州言語 | コンベンション,学会運営 | 同時: 110,000円/日~ | ○ | 全国対応、幅広いサービス |
株式会社インターグループ | 国際会議 | 30言語以上 | オンライン会議,地域イベント | オンライン: 個別問い合わせ/日 | ◎ | オンライン対応と地域拠点が強み |
株式会社サイマル・インターナショナル | 大企業・政府 | 約40言語 | 政府会談,トップ会談 | 同時: 50,000円/日~ | ○ | 業界最高峰の品質と実績 |
株式会社吉香 | 大企業・政府 | 約90言語 | 政府イベント,放送同時通訳 | 逐次: 45,000円/日~ | ○ | 教育分野に強い、幅広い実績 |
株式会社翻訳センター | 専門分野 | 約80言語 | 医療,特許,IT | 逐次: 「個別問い合わせ」/日 | ○ | 医療・特許分野で圧倒的な強み |
株式会社アークコミュニケーションズ | 専門分野 | 英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、中国語、韓国語 | IT,金融,医薬分野 | 逐次: 「個別問い合わせ」/日 | ○ | IT・金融とクリエイティブ支援 |
ブレインウッズ株式会社 | 専門分野 | 英語,中国語,韓国語、ヨーロッパ言語 | IT、医療・医薬、金融、広告、製造業 | 逐次: 49,500円/日~ | ○ | 映像・技術分野で高コスパ |
株式会社クロスランゲージ | テクノロジー | 「みえる通訳」は13言語 | AI翻訳,システム開発 | 80,000円~/日 | ◎ | AI活用で効率化とコスト削減 |
※「◎:非常に優れている、○:概ね良好、△:限定的な対応、×:対応不可」
※ 対応言語・料金は2025年7月時点のものです。実際には、各HPでお確かめください。
日本企業の海外進出をトータルサポートする通訳会社
株式会社アットグローバル

海外進出を目指す企業、特に専門の海外事業部を持たない中小企業にとって、社外の専門チームのように機能する心強いパートナーです。
単に通訳・翻訳を提供するだけでなく、進出前の海外市場調査、Webサイトやパンフレットの多言語マーケティング、そして現地の商習慣を理解した海外営業代行まで、グローバルビジネスの各フェーズで必要なサービスをワンストップで提供しています。
これにより、企業は複数の業者とやり取りする手間を省き、一貫した戦略で海外展開を進めることができます。
- 特徴: 翻訳・通訳を軸に、海外リサーチからグローバル人材研修、営業代行まで、海外事業を包括的に支援。
- 対応言語: 英語、中国語、欧州言語、アジア言語など
- 料金目安: 逐次通訳 1時間5,000円~、プロジェクト単位応相談
- アピールポイント: 海外進出の複雑なプロセス全体を安心して任せられる点。また、大企業向けサービスとは異なり、中小企業の予算や小規模なプロジェクトにも柔軟に対応してくれるフットワークの軽さも魅力です。
おすすめ用途
- 海外企業とのオンライン商談: 初めての取引で文化的な背景を理解したサポートが必要な場面。
- 海外市場調査のヒアリング: 現地消費者へのデプスインタビューなど、微妙なニュアンスを正確に把握したい調査。
- グローバル人材研修: 海外赴任前の異文化理解研修や、外国人従業員向けの社内ルール説明会。
国際会議・イベント運営に強い企業
このカテゴリーの企業は、大規模なイベントの企画・運営から通訳者・機材の手配まで一括して依頼できるのが強みです。
株式会社コングレ・グローバルコミュニケーションズ (CGC)

MICE(会議、研修、国際会議、展示会)のトータルプロデュースに特化。国際会議の運営において国内トップクラスの実績を誇ります。
- 特徴: MICEの企画・運営、通訳・翻訳サービスを統合的に提供。
- アピールポイント: 通訳者だけでなく、音響・映像機材や配信まで含めた一体型サービスで、担当者の負担を大幅に軽減。
- おすすめ用途: 大規模な国際会議、政府主催のシンポジウム、ハイブリッド形式の展示会
日本コンベンションサービス株式会社(JCS)

コンベンション事業のパイオニア。全国に拠点を持ち、学会やイベント運営で豊富な実績があります。
- 特徴: コンベンション運営を核に、通訳、翻訳、人材サービスまで多角的に展開。
- アピールポイント: 全国規模のイベントに対応可能。長年の実績に裏打ちされた安定したサービス品質。
- おすすめ用途: 全国の大学で開催される学術会議、地方自治体主催の国際交流イベント
株式会社インターグループ

オンライン通訳サービスをいち早く強化し、多様なニーズに対応。全国の主要都市に拠点を持ち、地域に根差したイベントにも強みを発揮します。
- 特徴: オンライン・ハイブリッド会議の運営ノウハウが豊富。語学スペシャリストの派遣も行う。
- アピールポイント: 高品質なオンライン通訳プラットフォームを提供。地域イベントにも柔軟に対応可能。
- おすすめ用途: オンライン国際会議、ウェビナー、地域の国際交流イベント
大企業・政府機関に強い通訳会社
最高レベルの品質とセキュリティが求められる場面で絶大な信頼を得ている企業です。
株式会社サイマル・インターナショナル

60年以上の歴史を誇る、日本の通訳業界のリーディングカンパニー。政府首脳会談やG7サミットなど、最高峰の実績を多数持ちます。
- 特徴: 通訳者養成学校も運営し、業界トップクラスの通訳者が多数在籍。
- アピールポイント: 圧倒的な品質と信頼性。機密性の高い案件も安心して任せられる。
- おすすめ用途: 政府間会合、企業のトップ会談、IR(投資家向け)説明会
株式会社吉香

通訳・翻訳事業に加え、イベント運営や教育関連プログラムにも強みを持つユニークな企業です。
- 特徴: 幅広いサービスラインナップと、教育分野での豊富な実績。
- アピールポイント: 政府関連の式典やイベント、大学の国際化支援などで高い評価。
- おすすめ用途: 政府関連の記念式典、教育機関の国際交流プログラム、VIPのアテンド
特定の専門分野に強みがある通訳会社
専門用語が飛び交う会議では、その分野に精通した通訳者の存在が不可欠です。
株式会社翻訳センター

東証スタンダード上場の翻訳業界最大手。特に医療(製薬・医療機器)と特許分野での専門性は他の追随を許しません。
- 特徴: 傘下のアイ・エス・エス(通訳)、メディア総合研究所(映像翻訳)と共に専門分野をカバー。
- アピールポイント: 難易度の高い医療・特許関連の会議でも、専門知識を持つ通訳者をアサイン可能。
- おすすめ用途: 医療系の国際学会、新薬発表会、特許関連の訴訟や商談
株式会社アークコミュニケーションズ

IT・金融分野に特化し、Webサイトのローカライズやクリエイティブ支援まで手掛けるのが特徴です。
- 特徴: IT・金融業界の専門知識を持つ通訳者が多数在籍。Web制作との連携も可能。
- アピールポイント: 最新のITトレンドや金融用語に精通しており、的確な通訳を提供。
- おすすめ用途: IT企業の製品発表会、金融機関の海外投資家向けセミナー、マーケティング関連会議
ブレインウッズ株式会社

映像翻訳や技術マニュアルの翻訳で実績豊富。コストパフォーマンスの高さも魅力です。
- 特徴: IT、映像、技術分野に強く、特に映像コンテンツの翻訳・通訳が得意。
- アピールポイント: 映像の字幕翻訳や吹替のノウハウを活かした通訳が可能。比較的リーズナブルな価格設定。
- おすすめ用途: 外国映画の監督インタビュー、技術セミナー、製品マニュアルに関する研修
テクノロジー主導型の通訳会社
株式会社クロスランゲージ

自社でAI翻訳システムを開発しており、人間による通訳と機械翻訳を組み合わせたハイブリッドなサービスを提供しています。
- 特徴: AI・機械翻訳の活用により、効率的でコストを抑えたサービスを実現。
- アピールポイント: 大量の文書の事前翻訳や、予算が限られたオンライン会議などでコストパフォーマンスが良い。
- おすすめ用途: 定期的なオンライン定例会議、技術文書の内容確認、多言語チャットサポート
通訳会社利用のメリットと注意点
通訳会社の活用はビジネスに大きな利益をもたらしますが、同時に注意すべき点も存在します。ここでは、それぞれの項目をさらに詳しく解説します。
メリット
最適なサービスの享受とリスク管理:
カテゴリーごとに強みを持つ会社を選ぶことで、単に言葉を訳す以上の価値を得られます。
例えば、法務に強い会社なら契約書の細かなニュアンスを正確に伝え、将来的な法的リスクを回避できます。イベント運営に強い会社なら、通訳だけでなく機材や進行管理まで任せられ、担当者の負担を大幅に削減できます。
このように、専門性の高いサービスは、ビジネスの質を高めると同時に、潜在的なリスクを管理する役割も果たします。
質と信頼性の担保による円滑なコミュニケーション:
プロの通訳者は、言語能力はもちろん、相手国の文化や商習慣にも精通しています。そのため、言葉の裏にある意図や敬意の示し方など、非言語的なニュアンスまで汲み取って伝えることが可能です。
これにより、表面的な会話に留まらない深いレベルでの相互理解が生まれ、信頼関係の構築がスムーズに進みます。結果として、誤解による手戻りや交渉の決裂といった事態を防ぎます。
コア業務への集中と時間的・人的リソースの節約:
自社で通訳者を探し、スキルを見極め、スケジュールを調整するのは大変な手間と時間がかかります。通訳会社に依頼すれば、そうした煩雑な手配業務をすべて代行してもらえます。
最適な通訳者をコーディネーターが選定・手配してくれるため、担当者は本来注力すべきコア業務に集中でき、組織全体の生産性向上につながります。
注意点
ニーズとのミスマッチによる機会損失:
「通訳」と一括りにせず、目的との適合性を厳しく見極める必要があります。例えば、新技術の提携交渉に、一般的なビジネス通訳者をアサインしても、専門用語が理解できず話が噛み合いません。
逆に、VIPの表敬訪問に、会議通訳のエースを呼んでも、柔軟なアテンド対応ができず、かえって堅苦しい雰囲気になってしまう可能性があります。ミスマッチは、商談の失敗やブランドイメージの低下といった深刻な機会損失に直結します。
「通訳はチームの一員」という意識での事前準備:
通訳のパフォーマンスは、クライアント側の準備に大きく左右されます。通訳者を「外部の業者」ではなく、「その日限りの重要なチームメンバー」と捉え、積極的に情報共有を行いましょう。
会議の目的や背景、参加者の力関係、絶対に伝えたいキーメッセージなどを事前にブリーフィングすることで、通訳者はより文脈に沿った、的確な訳出ができるようになります。資料の事前提供は最低限のマナーです。
オンライン通訳の特性と限界の理解:
オンライン通訳は手軽でコストを抑えられますが、万能ではありません。対面と比べて、音声の遅延や途切れ、画質の乱れといった技術的な問題が発生するリスクがあります。また、通訳者は参加者全員の表情や場の空気を読み取りにくいため、微妙なニュアンスを伝えるのが難しくなります。
重要な交渉や意思決定の場では、こうしたデメリットを十分に考慮した上で、利用を判断すべきです。
「安かろう悪かろう」を避けるコスト意識:
料金の安さだけで会社を選ぶのは危険です。通訳の品質は、通訳者のスキルや経験に直結するため、極端に安い料金にはそれなりの理由があります。
質の低い通訳によって商談が破談になったり、会社の評判を落としたりするリスクを考えれば、目先のコスト削減が結果的に大きな損失につながることも少なくありません。品質と価格のバランスを見極め、投資対効果で判断することが重要です。
「AI通訳で十分」は本当か?通訳会社とAIの比較
近年、AI技術の進化により、多くのAI通訳ツールが登場しています。「簡単な会話ならAIで十分では?」と考える方もいるでしょう。しかし、ビジネスの重要な場面では、依然として人間によるプロの通訳が不可欠です。両者の違いを理解し、適切に使い分けることが重要です。
項目 | 通訳会社(人間による通訳) | AI通訳 |
文脈・ニュアンスの理解 | ◎:発言の裏にある意図、皮肉、ユーモア、文化的な背景を汲み取り、最適な表現で訳出できる。 | △:一文ごとの直訳は得意だが、文脈全体の理解やニュアンスの再現は困難。誤訳のリスクがある。 |
専門分野への対応 | ◎:医療、法律、ITなど、事前に学習することで高度な専門用語にも正確に対応。業界知識を活かした訳出が可能。 | △:一般的な用語には対応できるが、専門用語や業界特有の表現には対応しきれないことが多い。 |
非言語的要素の伝達 | ○:声のトーン、表情、ジェスチャーなどから感情を読み取り、コミュニケーションを円滑にする。 | ×:音声情報しか認識できず、非言語的な要素は完全に失われる。 |
柔軟な対応力 | ◎:不規則な発言、雑音、複数人による同時発言など、予期せぬ事態にも臨機応変に対応できる。 | ×:クリアな音声でないと認識精度が著しく低下。決められたフォーマットから外れると機能しない。 |
機密保持 | ◎:秘密保持契約(NDA)に基づき、厳格な守秘義務を負う。情報漏洩のリスクが極めて低い。 | △:サービスによってはデータがサーバーに送信・蓄積されるため、機密情報の取り扱いには注意が必要。 |
関係構築のサポート | ○:単なる通訳者としてだけでなく、場の雰囲気を和ませ、円滑な人間関係の構築をサポートする役割も担える。 | ×:機械的な応答に終始するため、人間同士の信頼関係構築には貢献しない。 |
コスト | △:専門スキルに対する対価として、一定のコストがかかる。 | ◎:無料または非常に低コストで利用できるサービスが多い。 |
AI通訳は、日常的な簡単な会話や、大まかな内容を把握したいといった用途には非常に便利です。しかし、商談の成否や企業の信頼に関わる重要なビジネスシーンでは、文脈を深く理解し、柔軟に対応できる人間によるプロの通訳が依然として不可欠と言えるでしょう。両者の特性を理解し、目的に応じて使い分けることが賢明です。
通訳会社選びのQ&A
- 初めて海外進出します。どんな通訳会社を選べば良いですか?
通訳サービスだけでなく、海外市場調査や現地での営業サポートなど、ビジネスの立ち上げを総合的に支援してくれる会社がおすすめです。本記事で紹介した株式会社アットグローバルのような、ワンストップサービスを提供している会社に相談してみましょう。
- 国際会議で同時通訳機材も必要です。注意点は?
通訳者と機材を別々に手配すると、調整が煩雑になり、トラブルの原因にもなります。株式会社コングレや日本コンベンションサービス株式会社(JCS)のように、イベント運営から機材、通訳者まで一括で提供できる会社を選ぶと、担当者の負担が少なくスムーズです。
- 医療やITなど、専門分野の通訳を依頼する際のポイントは?
その分野での通訳実績が豊富で、専門知識を持つ通訳者が在籍している会社を選びましょう。株式会社翻訳センター(医療・特許)や株式会社アークコミュニケーションズ(IT・金融)などが代表的です。依頼時には、具体的なテーマや専門用語リストを伝え、最適な人材をアサインしてもらうことが重要です。
- 通訳者のスキルや経歴を事前に確認することはできますか?
はい、可能です。多くの通訳会社では、依頼内容に応じて最適な通訳者のプロフィール(匿名の場合もあり)を提示してくれます。プロフィールには、通訳実績、得意分野、保有資格などが記載されています。特に専門性が高い案件では、事前に通訳者と簡単な打ち合わせ(Web会議など)を設定できないか相談してみるのも良いでしょう。
- 急な通訳依頼にも対応してもらえますか?
多くの会社が「緊急案件」として対応可能な体制を整えています。ただし、通常料金に加えて緊急手配料金が発生する場合や、手配できる通訳者の選択肢が限られることがあります。まずは諦めずに、対応可能か電話などで直接問い合わせてみることが重要です。
- 地方での通訳もお願いできますか?
はい、全国対応している会社は多いです。JCSやインターグループのように全国に拠点を持つ会社は、その地域の通訳者をアサインできます。拠点がない会社でも、通訳者を出張させる形で対応可能ですが、その場合は交通費や宿泊費が別途必要になります。
- オンライン通訳と対面通訳、どちらを選ぶべきですか?
それぞれにメリット・デメリットがあります。オンライン通訳は移動コストがかからず、どこからでも参加できる手軽さが魅力ですが、通信環境に左右され、非言語的なニュアンスが伝わりにくい側面もあります。一方、対面通訳は、場の空気を共有しやすく、重要な交渉や信頼関係の構築が求められる場面に適しています。会議の重要度や目的、予算に応じて選択するのが良いでしょう。
- 会議内容の秘密保持は徹底されていますか?
はい。プロの通訳会社にとって、秘密保持は最も重要な義務の一つです。通訳者とは個別に秘密保持契約(NDA)を締結しているのが一般的です。クライアント企業と通訳会社との間で、案件
- 予算を抑えるためのコツはありますか?
複数の会社から見積もりを取る(相見積もり)のが基本です。また、必要最低限の時間で依頼する、オンライン通訳を活用して交通費を削減する、逐次通訳で対応可能な場面では同時通訳を選ばない、といった工夫が考えられます。PRONIアイミツのような一括見積もりサービスを利用するのも効率的です。
通訳会社比較まとめ
最適な通訳会社を選ぶことは、グローバルビジネスを成功させるための重要な第一歩です。本記事では、通訳会社選びのポイントと、目的別の強みを持つ代表的な企業を比較してご紹介しました。
最後に、カテゴリーごとのおすすめ企業を再確認しましょう。
- 海外進出のパートナーを探すなら: アットグローバル
- 大規模な国際会議を成功させたいなら: コングレ、JCS、インターグループ
- 政府・大企業案件で最高の品質を求めるなら: サイマル・インターナショナル、吉香
- 医療・IT・法律などの専門分野なら: 翻訳センター、アークコミュニケーションズ、ブレインウッズ
- コストと効率を重視するなら: クロスランゲージ
まずは、自社のニーズに合いそうな会社を2〜3社ピックアップし、無料相談や見積もりを依頼することから始めてみてください。この記事が、貴社にとって最高の通訳パートナーを見つける一助となれば幸いです。