東証ルール対応!株主総会招集通知の英語翻訳の進め方と料金相場を徹底解説

東証ルール対応!株主総会招集通知の英語翻訳の進め方と料金相場を徹底解説

東証プライム市場における英文開示の義務化拡大や、海外投資家の存在感の高まりを受け、多くの企業では英語への対応が急がれています。今まさに、自社の株主総会招集通知をどのように英語化するかについて検討されているIR・法務担当者様も多いのではないでしょうか。

招集通知は会社法に基づく重要な文書であるため、翻訳には高度な専門性と正確性が求められます。「どこまで英訳すべきか」「翻訳会社と機械翻訳のどちらが良いのか」「適正な費用はいくらか」など、実務上の疑問は尽きません。

そこでこの記事では、株主総会招集通知を英語翻訳する際の必須知識から、翻訳会社の選び方、料金相場、コスト削減のポイントまでを網羅的に解説します。海外投資家との信頼関係を築くための実務ガイドとして、ぜひお役立てください。

  • 東証の開示ルール変更や海外投資家動向を踏まえた、招集通知英訳の背景と必要性
  • 品質・コスト・納期で比較した「専門翻訳会社」「機械翻訳」「ハイブリッド方式」の選び方
  • 招集通知(20~30ページ)の翻訳料金相場と、翻訳メモリ活用によるコスト削減手法
  • IR・財務翻訳の実績や情報セキュリティ体制など、信頼できる翻訳会社を選定する基準
目次

株主総会招集通知を英語翻訳する必要性と背景

株主総会招集通知を英語翻訳する必要性と背景

海外投資家のプレゼンス向上と東証プライム市場における英文開示の実質的な義務化を背景に、株主総会招集通知の英訳は企業の信頼性と資金調達力を左右する不可欠な要素となっています。

英文開示が求められる理由(海外投資家・東証ルールの変化)

株主総会招集通知の英語翻訳が必要になった背景には、日本市場における海外投資家の存在感の高まりがあります。

現在、日本市場における海外投資家の株式保有比率は30%を超え、売買金額では全取引の約6割を占めています。2023年には海外投資家の株式売買金額が1,200兆円規模まで拡大し、日本企業にとって海外投資家は無視できない存在となっています。

東京証券取引所が実施した調査によると、58%の海外投資家が投資判断の際に「主に上場会社の開示資料(英語)を利用している」と回答しており、90%が新規投資時に英文資料を「必ず利用している」または「ほとんどの場合で利用している」と答えています。(参照:東京証券取引所資料

このような状況を受け、東証は2025年4月から、プライム市場上場企業に対して決算情報と適時開示情報の英文開示を義務化しました。株主総会招集通知については法的な義務ではありませんが、コーポレートガバナンス・コードにおいて英訳を進めるべきとされており、多くの企業が対応を進めています。

株主総会招集通知を英訳する際の基本ポイント

株主総会招集通知は、会社法に基づいて株主に送付される重要な法定文書です。英語に翻訳する際には、いくつかの重要なポイントを理解しておく必要があります。

株主総会招集通知には、招集通知本体のほか、事業報告、計算書類(財務諸表)、監査報告、株主総会参考書類、議決権行使書などが含まれます。これらすべてを英訳するのか、一部のみを英訳するのかは、企業の判断に委ねられています。

東証の指針では、英文開示は日本語の「参考訳」という位置づけであり、翻訳の正確性が直ちに規則違反の措置対象となることはありません。しかし、企業の信頼性や海外投資家との関係性に直結するため、高品質な翻訳が求められます。

英語表記については、一般的に「Notice of Convocation of the Ordinary General Meeting of Shareholders」または「Notice of the Annual General Meeting of Shareholders」が使われています。なお、米国では「Proxy Statement」という表現も使われますが、日本企業の招集通知とは形式が異なるため注意が必要です。

株主総会招集通知の英語翻訳方法の比較

株主総会招集通知の英語翻訳方法の比較

株主総会招集通知を英語に翻訳する方法には、大きく分けて3つの選択肢があります。それぞれの特徴を理解して、自社に最適な方法を選ぶことが重要です。

翻訳方法メリットデメリット特徴
専門翻訳会社• 法的正確性と専門性が高い
• 複数段階のチェック体制
• 翻訳メモリによる用語統一
• コストが高い
• 納期が長い
最も確実な方法。専門用語の正確な翻訳が可能
機械翻訳+ポストエディット• 翻訳スピードが速い
• コスト30〜50%削減可能
• タイトなスケジュールに対応
• そのまま使用はリスク高
• 文脈理解や専門用語のニュアンス表現に課題
必ず専門翻訳者による修正が必要
ハイブリッド方式(機械×人力)• 品質
・コスト
・納期のバランス良
• 翻訳メモリで用語統一
• 前年度内容の流用で効率化
特になし多くの企業が採用。機械翻訳初稿→専門翻訳者が修正

専門翻訳会社に依頼するメリット・デメリット

最も一般的で確実な方法が、IR・財務翻訳の専門翻訳会社に依頼することです。

専門翻訳会社を利用する最大のメリットは、法的正確性と専門性の高さです。会社法や金融商品取引法の専門用語、会計基準に基づく財務用語など、高度な専門知識が求められる招集通知の翻訳において、経験豊富な翻訳者による正確な翻訳が期待できます。

多くの翻訳会社では、翻訳者による初稿作成の後、ネイティブチェックによる校正、専門家による最終確認という複数段階のチェック体制を整えています。また、過去の翻訳データを「翻訳メモリ」として蓄積し、用語の統一性を保つ仕組みも提供されています。

一方で、デメリットとしてはコストの高さと納期の長さが挙げられます。専門性の高い翻訳者を確保し、複数段階のチェックを行うため、費用は相応にかかります。また、高品質な翻訳を実現するために一定の作業期間が必要です。

機械翻訳+ポストエディット方式の特徴

近年、AI技術の進化により、機械翻訳の品質が大幅に向上しています。機械翻訳で初稿を作成し、人間の翻訳者が修正を加える「ポストエディット」という手法も選択肢の一つです。

機械翻訳の最大のメリットは、翻訳スピードの圧倒的な速さです。大量の文書を短時間で翻訳できるため、タイトなスケジュールにも対応しやすくなります。また、人力翻訳と比較してコストを30〜50%削減できる可能性があります。

ただし、法的拘束力を持つ株主総会招集通知において、機械翻訳の出力をそのまま使用することは非常にリスクが高いといえます。機械翻訳は文脈の理解や専門用語の微妙なニュアンスの表現において、まだ人間の翻訳者に及ばない部分があります。

機械翻訳を活用する場合は、必ず財務・法務の専門知識を持つ翻訳者によるポストエディットを経て、品質を保証する体制を整える必要があります。

ハイブリッド翻訳方式(機械翻訳×人力)の活用

現在、多くの翻訳会社が推奨しているのが、機械翻訳と人力翻訳を組み合わせたハイブリッド方式です。

この方式では、まず機械翻訳で初稿を作成し、それを基に専門翻訳者が修正・改善を行います。さらに、過去の翻訳データを翻訳メモリとして活用することで、用語の統一性を保ちながら効率的に翻訳を進めることができます。

ハイブリッド方式は、品質・コスト・納期のバランスが取れた方法として、多くの企業に採用されています。特に、毎年発行される招集通知のように、前年度の内容を一部流用できる文書においては、翻訳メモリの効果が大きく発揮されます。

信頼できる翻訳会社を選ぶためのチェックポイント

信頼できる翻訳会社を選ぶためのチェックポイント

株主総会招集通知の翻訳会社を選ぶ際には、いくつかの重要なチェックポイントがあります。

IR・財務翻訳の実績

最も重要なのは、IR・財務分野における豊富な翻訳実績があるかどうかです。決算短信、有価証券報告書、アニュアルレポートなど、同様の法定開示書類の翻訳経験が豊富な会社を選びましょう。

実績を確認する際には、取引企業数だけでなく、具体的にどのような上場企業と取引があるのか、年間何件の招集通知を手がけているのかを確認することが重要です。

アットグローバルは、これまで150社以上のIR翻訳を手がけてきました。

専門翻訳者とチェック体制

会計や法務に関する専門知識を持つネイティブ翻訳者が在籍しているか、複数段階のチェック体制が整っているかを確認しましょう。

多くの専門翻訳会社では、翻訳者による初稿作成、ネイティブチェックによる校正、財務・法務の専門家による最終確認という3段階以上のチェック体制を採用しています。このような体制が整っている会社を選ぶことで、高品質な翻訳が期待できます。

情報セキュリティ体制

株主総会招集通知には、未公表の決算情報や経営戦略など、極めて機密性の高い情報が含まれます。翻訳会社を選ぶ際には、情報セキュリティ体制が整っているかを必ず確認しましょう。

ISO27001などの国際的な情報セキュリティ認証を取得している会社、厳格な秘密保持契約(NDA)を締結できる会社、データの暗号化やアクセス制限などのセキュリティ対策を講じている会社を選ぶことが重要です。

アットグローバルは、ISO 17100とISO27001のW認証取得企業です。

納期対応力と緊急時のサポート

株主総会招集通知には、会社法で定められた厳格な送付期限があります。翻訳会社が短納期に対応できる体制を持っているか、また、内容変更が発生した場合の緊急対応が可能かを確認しましょう。

多くの翻訳会社では、招集通知の翻訳を年間100件以上手がけており、スケジュール管理のノウハウを蓄積しています。過去の実績から、どの程度の納期で対応可能かを具体的に確認することが大切です。

翻訳メモリ・用語集の活用体制

継続的に招集通知の翻訳を依頼する場合、翻訳メモリや用語集を構築・管理してくれる翻訳会社を選ぶことで、2年目以降の翻訳品質の向上とコスト削減が期待できます。

翻訳メモリとは、過去に翻訳した原文と訳文をペアでデータベース化したもので、同じ表現や似た文章が出てきた際に自動的に参照することができます。これにより、役職名や部署名などの固有名詞、定型表現の統一性が保たれ、翻訳作業の効率化にもつながります。

株主総会招集通知の翻訳料金相場とコスト最適化の方法

株主総会招集通知の翻訳料金相場とコスト最適化の方法

株主総会招集通知の翻訳料金は、文書の分量や難易度、納期によって変動しますが、一般的な相場を知っておくことは重要です。

株主総会招集通知の翻訳料金相場

一般的な株主総会招集通知(20〜30ページ、16,000〜25,000字程度)の翻訳料金は、40万円〜60万円が相場となっています。

文字単価で見ると、日本語から英語への翻訳は20〜30円/文字、英語から日本語への翻訳は20〜35円/ワードが目安です。ただし、これは標準的な納期での料金であり、緊急対応が必要な場合は割増料金が発生します。

決算短信の場合は、15〜20ページ(12,000〜16,000字)で30万円〜50万円が相場です。有価証券報告書のような大部の文書になると、さらに高額になります。

翻訳コストを削減するためのポイント

翻訳コストを抑えるためには、いくつかの工夫があります。

最も効果的なのは、翻訳メモリの構築と活用です。初年度は通常料金がかかりますが、2年目以降は過去の翻訳データを流用できるため、20〜30%のコスト削減が可能になります。

また、定型部分については事前に準備しておくことで、翻訳作業を効率化できます。役員の略歴や会社概要など、前年度からあまり変更のない部分は、早めに翻訳を依頼することで、全体のスケジュールに余裕を持たせることができます。

年間契約を結ぶことで、ボリュームディスカウントを受けられる翻訳会社もあります。決算短信、決算説明会資料、招集通知など、複数の文書の翻訳を同じ会社に依頼することで、単価を下げられる可能性があります。

さらに、翻訳範囲を明確にすることも重要です。招集通知のすべてを英訳する必要があるのか、それとも主要部分のみの概要訳で十分なのかを検討し、必要な範囲に絞ることでコストを抑えられます。

翻訳実務の進め方とスケジュール管理のコツ

翻訳実務の進め方とスケジュール管理のコツ

株主総会招集通知の翻訳を成功させるためには、実務面でのポイントを押さえておくことが重要です。

スケジュール管理の重要性

株主総会招集通知には、会社法で定められた厳格な送付期限があります。一般的な定時株主総会の場合、以下のようなスケジュールで進行します。

決算確定は3月下旬〜4月上旬、和文招集通知の確定が5月上旬、そこから翻訳期間として2〜3週間、校正・承認に1週間を見込み、総会の2週間前までに発送する必要があります。

このタイトなスケジュールの中で、質の高い翻訳を完成させるためには、早期の準備と綿密な進行管理が欠かせません。翻訳が必要なテキストが確定したら、できるだけ早く翻訳会社に連絡し、作業を開始してもらうことが重要です。

また、ギリギリになって議案の修正などが発生する可能性も考慮し、翻訳会社と緊急対応体制について事前に合意しておくことをお勧めします。

翻訳品質を確認するチェックポイント

翻訳が納品された後、企業内部でも最終確認を行う必要があります。特に注意すべきポイントは以下の通りです。

数字の正確性は最優先で確認すべき項目です。財務数値、議決権数、株式数など、すべての数字が原文と一致しているかを入念にチェックしましょう。一つの数字の誤りが、株主の判断を誤らせる可能性があります。

法律用語と会計用語の正確性も重要です。会社法や金融商品取引法の専門用語、会計基準に基づく財務用語が適切に翻訳されているかを確認します。必要に応じて、法務部門や経理部門にも確認を依頼しましょう。

議案内容の明確性も確認が必要です。取締役の選任、定款変更、剰余金の処分など、重要な議案の内容が誤解なく伝わる表現になっているかをチェックします。

役職名や部署名の統一性も見落としがちなポイントです。過去の英文資料と照らし合わせて、表記が統一されているかを確認しましょう。

日時・場所の正確性は基本的ですが重要な確認事項です。株主総会の開催日時、場所、受付開始時刻などが正確に翻訳されているかを確認します。

翻訳会社と円滑に連携する方法

翻訳会社と良好な関係を築き、効果的にコミュニケーションを取ることで、翻訳の品質とスピードを向上させることができます。

依頼時には、できるだけ詳細な情報を提供しましょう。過去の英文招集通知、用語集、スタイルガイド、特に注意してほしいポイントなどを明確に伝えることで、翻訳者の理解が深まり、より適切な翻訳が期待できます。

質問や疑問点には迅速に対応することも重要です。翻訳作業中に翻訳会社から質問が来た場合、できるだけ早く回答することで、作業の遅延を防ぎ、正確な翻訳を実現できます。

定期的な進捗確認も有効です。大部の文書の場合、定期的に進捗状況を確認し、必要に応じて軌道修正を行うことで、納期遅れやミスを防ぐことができます。

よくある失敗例と対策

よくある失敗例と対策

株主総会招集通知の翻訳において、よくある失敗例とその対策を知っておくことで、トラブルを未然に防ぐことができます。

スケジュール遅延

最もよくある失敗が、スケジュールの遅延です。和文の確定が遅れる、翻訳会社への依頼が遅くなる、社内での確認に時間がかかるなど、様々な要因で遅延が発生します。

対策としては、余裕を持ったスケジュールを立て、各段階での期限を明確に設定することです。また、定型部分は先行して翻訳を開始するなど、分割発注も検討しましょう。

用語の不統一

過去の英文資料と用語が統一されていない、同じ文書内で表記が揺れているといった問題も発生しがちです。

対策としては、初回の翻訳時に用語集を作成し、翻訳会社と共有することです。また、翻訳メモリを活用して、過去の翻訳との整合性を保つことも有効です。

数字の誤り

財務数値や議決権数などの数字の誤りは、重大な問題につながる可能性があります。

対策としては、翻訳会社からの納品後、数字だけを重点的にチェックする工程を設けることです。また、可能であれば、数字部分は別の担当者にダブルチェックしてもらうことをお勧めします。

情報漏洩

機密性の高い情報を含む招集通知の翻訳において、情報漏洩のリスクは常に存在します。

対策としては、セキュリティ体制が整った翻訳会社を選び、厳格なNDAを締結することです。また、ファイルの受け渡しには暗号化やパスワード保護を施し、セキュリティを確保しましょう。

アットグローバルが提供する株主総会招集通知の英語翻訳サービス

アットグローバルが提供する株主総会招集通知の英語翻訳サービス

株主総会招集通知の英語翻訳は、法的正確性と専門性が求められる重要な業務です。アットグローバルは、金融・IR分野に精通した専門翻訳者チームを擁し、上場企業の英文開示ニーズに的確に対応します。これまで150社以上の翻訳サポートを行ってきました。

当社の強みは、厳格な品質管理体制です。ネイティブ翻訳者による翻訳後、財務・法務の専門家が多段階でチェックを実施し、数字の正確性から専門用語の適切性まで徹底的に検証します。また、翻訳メモリを活用した用語統一により、過去の英文資料との整合性も保証します。

情報セキュリティにも万全の体制を整えており、機密性の高い決算情報も安心してお任せいただけます。タイトなスケジュールにも柔軟に対応し、株主総会の送付期限を厳守します。

初めての英文招集通知作成から、既存翻訳の見直しまで、経験豊富な専門チームが貴社のグローバルIR活動を全面的にサポートいたします。まずはお気軽にご相談ください。

株主総会招集通知の英語翻訳に関するよくある質問(FAQ)

株主総会招集通知の英語翻訳に関するよくある質問
株主総会招集通知の英語表記は「Convocation」と「General Meeting」のどちらが正しいのか?

いずれも正しい表現です。日本企業では「Notice of Convocation of the Ordinary General Meeting of Shareholders」または「Notice of the Annual General Meeting of Shareholders」が一般的です。「Convocation」はやや格式張った表現で法的文書に適しています。

一方、米国では「Proxy Statement」が使われますが、日本の招集通知とは形式が異なります。過去の自社資料との統一性を重視して選択しましょう。

招集通知の全文を翻訳する必要があるのか、それとも要約や一部だけでも良いのか?

東証の規定では、英文開示は「一部又は概要」でも認められています。多くの企業は、招集通知本体、事業報告の要約、主要な議案の説明、財務諸表の概要を英訳し、詳細な注記や監査報告の一部は省略しています。

ただし、海外投資家比率が高い企業や、海外取引所にも上場している企業は、より詳細な全文翻訳を行う傾向があります。自社の株主構成と投資家のニーズに応じて判断しましょう。

英文招集通知はいつまでに株主に送付しなければならないのか?

法的には、日本語版と英語版を「同時開示」することが原則とされていますが、招集通知に関しては努力義務のため、厳密な同時性は求められていません。

ただし、海外投資家が議決権行使を検討する時間を確保するため、総会の2週間前までには英文版も送付・公開することが望ましいとされています。実務的には、日本語版の確定後、1週間程度遅れて英文版を公開する企業が多く見られます。

社内で英語ができる人材がいる場合、翻訳会社に依頼せず内製化できるのか?

内製化は可能ですが、相応のリスクがあります。会社法や金融商品取引法の専門用語、会計基準に基づく財務用語の正確な翻訳には高度な専門知識が必要です。一般的な英語力だけでは、法的に正確な翻訳を保証することは困難です。

内製化する場合は、財務・法務の専門知識を持つネイティブスピーカーによるチェックを必ず経ること、また翻訳会社によるレビューサービスを併用することを強くお勧めします。

機械翻訳(DeepL、Google翻訳など)をそのまま使っても問題ないか?

機械翻訳をそのまま使用することは非常にリスクが高く、推奨できません。AI翻訳は進化していますが、法的拘束力を持つ招集通知において、専門用語の微妙なニュアンスや文脈を正確に翻訳できない場合があります。

東証の指針でも、英文開示は「参考訳」という位置づけですが、誤訳により株主の判断を誤らせるリスクがあります。機械翻訳は初稿作成の補助ツールとして活用し、必ず専門家によるポストエディットを経てください。

過去に他社が翻訳した招集通知のサンプルや見本はどこで入手できるのか?

上場企業の英文招集通知は、各社のIRページや東証の「Company Announcements Service」で公開されています。特にトヨタ自動車、ソニーグループ、三菱商事など、海外投資家比率が高い大手企業の英文招集通知は、表現や構成の参考になります。

また、東証が公表している「英文開示実践ハンドブック」には、英文記載例や様式例が掲載されており、実務の参考資料として活用できます。

英文招集通知に誤訳があった場合、法的責任や罰則はあるのか?

東証の規定では、英文開示は日本語の「参考訳」という位置づけであり、翻訳の正確性が直ちに規則違反の措置対象となることはありません。ただし、重大な誤訳により株主の判断を誤らせた場合、民事上の責任を問われる可能性はあります。

また、英文開示を全く行わなかった場合は、公表措置などの対象となる可能性があります。企業の信頼性とガバナンスの観点から、高品質な翻訳を提供することが重要です。

株主総会招集通知の英語まとめ

  • 海外投資家の保有比率増加と東証の開示推進により、英文開示の必要性が急速に高まっている
  • 英語名称は「Notice of Convocation」等が一般的であり、米国のProxy Statementとは区別する
  • 開示範囲は全文翻訳に限らず、事業報告の要約や主要議案のみといった一部・概要の英訳も認められる
  • 機械翻訳のそのままの利用はリスクが高く、必ず専門家による修正(ポストエディット)を経る必要がある
  • 費用の目安は20~30ページで40~60万円だが、翻訳メモリの活用で2年目以降は大幅なコスト削減が可能
  • 業者選定ではIR・財務分野の実績に加え、情報セキュリティ体制や緊急時の対応力を重視する
  • 財務数値や法律用語の誤訳は投資判断に直結するため、専門知識に基づく多段階のチェックが不可欠
  • 厳格な送付期限を遵守すべく、定型部分の先行翻訳など綿密なスケジュール管理を行う
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