日本企業の海外進出成功への8ステップ!市場調査から販路開拓まで徹底解説

日本企業の海外進出成功への8ステップ!市場調査から販路開拓まで徹底解説

初めて海外進出を検討している場合、どのようなステップで準備をすればいいのか、分からないものですよね。国もあるいはコンサルタントもサポートはしてくれますが、結局は自社が主体になって準備をしていく必要があります。

この記事では、実際に海外進出を考えている日本企業が、どのようなステップでプロジェクトを進めていけるかを8つのステップで考えます。

まずは自社で準備し、足りないところは外部のサポートを得ると良いでしょう。

  • 日本企業が海外進出するための基本的なステップ
  • 海外市場でのビジネスモデルや販路開拓の方法
  • 進出先でのリスク管理や資金調達の重要性
  • 海外進出の成功例と失敗例から学ぶポイント
目次

日本企業が海外進出するための8ステップ

海外進出を目指すうえで実際に支援を得るためには、自社として準備や検討すべき点がたくさんあります。それらの基本的なステップを8つに分けて順番に解説します。これらのステップを理解し、実行することで、海外でのビジネス展開を成功させるための基盤を築くことができます。

STEP1. 海外進出の検討

海外進出

海外進出を考える際の第一歩は、「海外進出の検討」です。

海外進出の検討

まず自社の現状を把握し、なぜ海外進出を目指すのか、その目的を明確にすることが重要です。目的が曖昧だと、進出後に方向性を見失うリスクが高まります。そのため、「なぜ海外進出が必要なのか?」という問いに対して、具体的な答えを持つことが求められます。

進出先の国や地域の選定

次に、進出先の国や地域を選定します。この選定には、ターゲット市場の規模や成長性、競合状況、現地の法規制、文化的な特性など、多くの要素を考慮する必要があります。

例えば、ある国では人口が多く成長市場であっても、競合が非常に強い場合があります。そのため、単に市場の大きさだけでなく、自社の商品やサービスがどの程度受け入れられるのかを判断することが重要です。

進出先でのビジネスモデル

また、進出先でのビジネスモデルについても検討します。現地に拠点を設けるのか、それとも現地のパートナーと提携するのか、オンラインを活用するのかなど、複数の選択肢があります。

それぞれの方法にはメリットとデメリットがありますので、自社のリソースや戦略に最も適した方法を選ぶことが重要です。

リスクと課題を洗い出し

最後に、進出を決定する前にリスクと課題を洗い出します。例えば、政治的なリスクや経済的不安定性、文化的な違いなど、現地でのビジネスに影響を与える可能性のある要因を十分に調査し、リスク管理の計画を立てます。

STEP2. 準備・計画

計画

海外進出を成功させるためには、事前の準備と計画が欠かせません。

市場調査

自社の商品やサービスが現地でどのように受け入れられるかを把握するための市場調査が重要です。市場調査では、現地の消費者のニーズや競合の状況、経済状況、文化的な特徴などを詳しく調べます。例えば、どのような商品が人気で、価格帯はどうなっているかなど、具体的なデータを集めることが大切です。

リソースの洗い出し

さらに、現地での事業運営に必要なリソースを洗い出すことも準備の一環です。人材の確保や現地法人の設立、必要な許認可の取得など、事業を進める上で避けられない手続きを理解しておく必要があります。これにより、予期せぬ問題を未然に防ぐことができます。

現地の文化や習慣の理解

準備段階で重要なのは、現地の文化や商習慣を理解することです。例えば、ビジネスの進め方やコミュニケーションの方法が日本とは異なることがあります。こうした文化的な違いを理解し、現地のパートナーや顧客と円滑に関係を築くための知識を身につけておくと、ビジネスがスムーズに進むでしょう。

STEP3. 販路開拓

販路開拓

準備と計画が整ったら、次に進むべきは販路開拓です。販路開拓とは、自社の商品やサービスを現地の市場にどのように届けるかを決めるステップです。

販売チャネル選び

まず現地での販売チャネルを選ぶことが重要です。例えば、現地の小売店と提携する、オンライン販売を活用する、あるいは現地の代理店を通じて販売するなど、さまざまな選択肢があります。それぞれのチャネルの特徴や利点を考慮し、自社にとって最適な方法を選びましょう。

パートナー選び

販路開拓の際には、現地のパートナー選びも重要です。現地市場に精通したパートナーと提携することで、販売活動がより効果的になります。パートナーを選ぶ際には、信頼性や実績、現地でのネットワーク力を重視しましょう。パートナーとの信頼関係を築くことで、長期的なビジネスの成功につながります。

プロモーション活動

また、現地でのプロモーション活動も販路開拓の一環です。どのようにして現地の消費者に自社の商品やサービスを知ってもらうか、効果的なプロモーション戦略を考える必要があります。

例えば、SNSを活用したデジタルマーケティングや現地のイベントへの参加など、さまざまな方法があります。現地の消費者の嗜好や行動を理解し、最も効果的なプロモーション方法を選ぶことが重要です。

STEP4. 商談・契約

契約

商談と契約は、海外進出を成功させるために欠かせないステップです。

商談を行う

商談とは、現地のパートナーや取引先と具体的な取引内容を話し合う場です。ここでは、商品やサービスの内容、価格、納期、支払い条件など、取引の詳細を決めることが主な目的となります。

商談を成功させるためには、事前準備が非常に重要です。例えば、相手の企業や市場の状況をしっかりと調査し、自社の強みをアピールできる資料を用意しておくことが大切です。また、現地の文化や商習慣を理解しておくことで、相手とのコミュニケーションが円滑になります。

契約を結ぶ

商談が成功し、相手と合意に達したら、次は契約を結ぶ段階です。契約は、取引の条件を文書で明確にし、双方の責任と義務を確認するものです。契約書には、商品の仕様、価格、納品日、支払い条件、保証内容などが記載されます。

契約書を作成する際には、細かい部分までしっかり確認することが重要です。特に、海外での契約には言葉の壁があるため、専門の翻訳者や弁護士を利用することをお勧めします。これにより、誤解を防ぎ、契約後のトラブルを避けることができます。

このステップでは、商談を成功させるための準備と、契約を締結する際の注意点をしっかりと理解することが求められます。相手との信頼関係を築きながら、明確な契約を結ぶことで、ビジネスをスムーズに進めることができます。

STEP5. 貿易手続

貿易手続き

貿易手続きは、商品やサービスを海外へ輸出・輸入する際に必要な一連の手続きを指します。

法規制や手続きを理解

商品を海外に送るには、輸出入に関する法規制や手続きを理解する必要があります。

例えば、輸出する商品に対して特定の許可が必要な場合がありますし、輸入する国によっては関税や輸入規制があることもあります。これらを事前に調査し、適切な準備を進めることが求められます。

書類の準備

具体的な手続きとしては、輸出する際にはインボイス(送り状)やパッキングリスト(梱包明細書)などの書類を準備します。また、商品の輸送には信頼できる運送業者を選び、適切な輸送方法を決定することも重要です。

船便や航空便など、商品の性質やコストに応じた輸送手段を選びましょう。さらに、輸出先の国に応じた通関手続きも必要です。ここでは、商品が目的地に到着した際に、税関でのチェックを受けるための準備を行います。

STEP6. 資金調達と補助金の活用

資金調達と補助金の活用

資金調達と補助金の活用は、海外進出を考える際に非常に重要なステップです。

資金の調達

事業を海外で成功させるためには、まず十分な資金が必要です。そのため、どのように資金を調達するかを考えることが大切です。企業は、自己資金のほかに、銀行からの融資、投資家からの出資など、さまざまな資金源を検討する必要があります。

補助金や助成金の活用

補助金や助成金も大きな助けとなります。日本政府や地方自治体、さらには国際機関などが、海外進出を目指す企業に対してさまざまな支援を提供しています。

例えば、「海外展開支援事業費助成金」などは、事業を海外で展開するための費用の一部をカバーすることができます。これにより、企業はリスクを抑えながら、より積極的に海外市場に挑戦することが可能になります。

補助金を利用する際には、申請書の作成や必要な書類の準備など、いくつかのステップを踏む必要があります。補助金を受けるための条件や手続きも確認しなければなりません。

特に、補助金は事前に申請し、審査を受ける必要があるため、計画的に進めることが重要です。申請が通れば、事業拡大のための大きな支えとなります。

STEP7. 資金回収・リスク管理

資金

資金回収とリスク管理は、海外進出の中で重要なステップのひとつです。

資金回収

企業が海外で事業を展開する際、いかにして投資した資金を効率的に回収するかが鍵となります。特に、初期投資を回収するためには、現地での売上を安定的に確保し、コストを抑えることが重要です。

まず、資金回収のためには、現地の市場でのニーズに合った商品やサービスを提供し、安定した売上を確保することが必要です。マーケティング戦略をしっかりと立て、ターゲットとする消費者層に効果的にアプローチすることが求められます。

また、コスト管理も重要な要素です。現地の仕入れや生産コストをしっかりと把握し、無駄を省く努力が必要です。

リスク管理

リスク管理も不可欠です。海外市場では、為替変動や政治的な不安定性、法律の変化など、さまざまなリスクが存在します。これらのリスクに備えるために、企業は事前にリスク分析を行い、リスク対策を講じることが重要です。

例えば、為替リスクに対しては、為替予約を活用することでリスクを減らすことができます。また、現地の法律に詳しい専門家を雇うことで、法的リスクを回避することも可能です。

STEP8. 事業拡大

事業拡大

事業拡大は、海外進出の最終段階であり、成功した企業がさらなる成長を目指すための重要なステップです。この段階では、既存の市場でのシェアをさらに拡大するための戦略や、新しい地域への進出を計画します。

例えば、既にアジアで成功を収めている企業が、次にヨーロッパや中東など、新たな市場を開拓しようとすることがあります。

ニーズに合った商品の開発

事業拡大のための具体的なアプローチとして、まず現地の消費者ニーズをより深く理解し、それに基づいた新商品やサービスの開発が挙げられます。

また、現地の企業との戦略的パートナーシップを結ぶことで、マーケットへのアクセスを広げることも有効です。こうした協力体制は、商品の現地化や流通網の拡充など、多岐にわたる利点をもたらします。

販売チャネルの多様化

さらに、現地の販売チャネルの多様化も重要です。オンライン販売に加えて、実店舗や現地の小売業者との提携を通じて、より多くの消費者にアプローチすることが可能になります。

また、現地の法規制を遵守しつつ、ブランドの認知度を高めるためのプロモーション活動を積極的に展開することも、事業拡大には欠かせません。

海外進出の成功例と失敗例

成功例失敗例

以下は、日本企業の海外進出における成功例と失敗例です。

海外進出における成功例

ファミリーマート

成功要因: ファミリーマートは、1988年に台湾に初の海外店舗を展開し、その後フランチャイズ展開を進めました。現地のニーズに合わせた商品展開と、現地パートナーとの強力な協力関係が成功の鍵となりました。

トヨタ自動車

成功要因: トヨタは、アメリカやアジアなどで「現地生産、現地販売」を徹底し、現地市場に適応した製品戦略を取ることで成功を収めています。現地の学生を積極的に採用するなど、地域に根ざした人材育成も行っています。

海外進出における失敗例

ユニクロ(ファーストリテイリング)

失敗要因: ユニクロは、当初アメリカ市場への進出で失敗を経験しました。現地市場のニーズを十分に理解せず、商品戦略が現地に合わなかったことが一因とされています。

ソニー

失敗要因: ソニーは、中国での工場運営において、現地の労働法や文化の違いに適応できず、ストライキを招いたことがあります。これにより多額の補償金を支払う結果となりました。

これらの事例は、海外進出において事前の市場調査や現地の文化理解がいかに重要であるかを示しています。成功した企業は、現地のニーズに応じた製品やサービスを提供し、現地のパートナーや人材を活用することで市場に適応しています。一方、失敗した企業は、現地の市場や文化に対する理解不足が原因で、期待した成果を得られなかったことが多いです。

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日本企業の海外進出ステップまとめ

  • 海外進出の準備は自社が主体となるべきである
  • 海外進出は8つのステップで進めることが推奨される
  • まず自社の現状と海外進出の目的を明確にする必要がある
  • 進出先の国や地域の選定は市場規模や法規制を考慮する
  • 進出先でのビジネスモデルを検討することが重要である
  • リスクと課題を洗い出し、管理計画を立てるべきである
  • 市場調査により現地での需要や競合状況を把握する
  • 必要なリソースの洗い出しと確保が成功の鍵となる
  • 現地の文化や商習慣を理解し適応することが重要である
  • 販売チャネルの選定が販路開拓において重要である
  • 現地パートナーの選定がビジネス成功に大きく影響する
  • 商談や契約は事前の準備と現地文化理解が不可欠である
  • 貿易手続きや法規制に関する知識が必要である
目次