
アンケート調査会社の料金相場を比較!費用を抑えるコツとは?
アンケート調査を計画する際、費用の目安を正確に把握することは重要なステップです。
費用感を理解していないと、調査の目的やスケールに合わない選択をしてしまい、最終的に予算をオーバーしたり、調査の質を損なうリスクが高まります。
この記事では、アンケート調査にかかる費用の目安を把握するための具体的な方法や注意点について詳しく解説します。
- アンケート調査会社の料金相場と費用の内訳
- 調査方法ごとの特徴とコストの違い
- オプション料金が発生するケースとその内容
- 目的に合った最適な調査方法の選び方
アンケート調査会社の料金相場
調査目的と規模を明確にすることが第一歩
費用の目安を正確に掴むためには、まず調査の目的と規模を明確にする必要があります。例えば、新商品の開発のための市場調査なのか、顧客満足度を把握するための調査なのかによって、必要な調査方法や対象者の条件が大きく異なります。また、調査対象者数(サンプルサイズ)や設問数も、費用に大きな影響を与える要素です。
例えば、一般的なインターネットアンケートを実施する場合、以下のような料金目安があります。
- 10問×100サンプル:5~10万円
- 10問×500サンプル:10~20万円
- 10問×1,000サンプル:15~30万円
設問数が増えたり、対象者の数が多くなるほど費用は高くなります。また、回答者に特定の条件(例:特定の職業や地域、年齢層)を求める場合には、スクリーニング調査が必要となり、追加の費用が発生する点に注意が必要です。
アンケートの基本料金
アンケートを調査会社に依頼する際の料金には、大きく分けて基本料金とオプション料金があります。それぞれの内訳を詳しく解説します。

調査会社にアンケートを依頼すると、最低限発生する費用です。
① 企画・設計費
- 調査の目的に応じてアンケートの内容や対象者を設計する費用。
- 調査票(質問)の作成や、適切な質問の順番を考える作業が含まれる。
- 調査の手法(Web、郵送、電話、対面など)を決定する。
② 調査対象者のリクルーティング(パネル利用)費
- 調査対象者を集めるための費用。
- 調査会社の自社パネル(登録済みモニター)を利用する場合は、その使用料が発生。
- 条件が厳しいターゲット(例:医師、経営者など)ほど費用が高くなる。
③ 回答収集・実施費
- アンケートの配布や回収を行う作業の費用。
- Web調査なら配信システムの利用料、郵送調査なら印刷や郵送代などが含まれる。
- 対面調査や電話調査の場合は、調査員の人件費が加わる。
④ データ集計・基本分析費
- 回収した回答データを整理し、集計・分析するための費用。
- 基本的な集計(単純集計、クロス集計)を含む。
- Web調査の場合は、システムが自動で集計するためコストが抑えられる場合もある。
⑤ レポート作成費
- 調査結果を報告書としてまとめる費用。
- シンプルな集計結果のレポートだけなら基本料金に含まれることが多い。
このように基本料金は、アンケートの調査目的に必要な最低限の情報を集めるために不可欠です。そしてさらにデータを充実させるための部分がオプション料金になります。
アンケートのオプション料金
次にオプション料金について解説します。調査の内容や精度を高めるために追加できる項目です。
① 高度なターゲット選定
- 一般消費者ではなく、特定の職業や属性を持つ人への調査。
- 例:経営者、医療従事者、ハイエンド消費者など。
- 条件が細かくなるほどリクルートコストが上がる。
② 詳細なデータ分析
- 基本集計だけでなく、相関分析、回帰分析、クラスター分析などの高度な分析。
- より深いインサイトを得るために、専門的な統計手法を用いる場合。
③ 報告書のカスタマイズ
- グラフや表を多用した見やすい資料の作成。
- プレゼン用スライドや経営層向けの要約レポートの作成。
④ インタビュー調査(定性調査)
- アンケートだけでなく、グループインタビューや個別インタビューを実施。
- モデレーター(司会者)の手配、会場費などが発生。
⑤ 回答者への謝礼
- アンケート回答者に対するインセンティブ(報酬)。
- 金額が高いほど回答率が向上するが、コストも上がる。
⑥ 海外調査
- 海外の対象者にアンケートを実施する場合、翻訳や現地調査パネルの利用費がかかる。
⑦ 急ぎ対応(短納期オプション)
- 通常よりも早く結果が欲しい場合、特急対応の費用が発生する。
海外調査の場合は、最初から海外アンケート専門の業者やプランを利用するとよいでしょう。株式会社アットグローバルでは、海外クイックアンケートというサービスを行っていますので、気軽にお問い合わせください。
アンケートの主な調査方法と特徴
アンケート調査の方法は、大きく分けて「自記式(対象者が自分で記入する)」と「他記式(調査員が聞き取って記録する)」の2つに分類されます。それぞれの主な手法を解説します。

1. 自記式アンケート(対象者が自分で回答する)
対象者が直接アンケートに記入する形式で、コストを抑えやすく、大規模調査に向いています。
① Webアンケート(オンライン調査)
- 概要:インターネットを通じて実施するアンケート。
- 特徴:
- 回答収集が迅速で低コスト
- スマホ・PCから回答可能
- 幅広い層に実施可能だが、インターネット未利用者には不向き
- 主な活用例:
- 商品・サービスの市場調査
- 顧客満足度調査
- ブランド認知調査
② 郵送調査
- 概要:対象者にアンケート用紙を郵送し、記入後に返送してもらう方法。
- 特徴:
- インターネットを使えない高齢者や特定層にも対応可能
- 回収率が低くなりやすく、回収に時間がかかる
- 記入ミスが発生しやすい
- 主な活用例:
- 地域住民向けの行政調査
- シニア層向けの市場調査
③ 紙アンケート(配布・回収式)
- 概要:対面でアンケート用紙を配布し、記入してもらう方式。
- 特徴:
- 一定の回答率を確保しやすい
- イベントや店舗などでその場で回収が可能
- データ入力の手間が発生
- 主な活用例:
- 店舗の顧客満足度調査
- イベント参加者のフィードバック
2. 他記式アンケート(調査員が回答を記録する)
調査員が対象者に質問し、回答を記録する形式。詳細な情報を取得できるが、人件費がかかるためコストが高め。
① 電話調査(CATI:Computer Assisted Telephone Interview)
- 概要:調査員が電話をかけて質問し、回答を入力する方式。
- 特徴:
- 短時間で多くの回答を集められる
- ターゲットを指定しやすい(地域、年代など)
- 回答率が低く、電話を受けてもらえないことが多い
- 主な活用例:
- 世論調査
- 顧客満足度調査
② 対面調査(訪問・街頭調査)
- 概要:調査員が対象者に直接インタビューし、回答を記録する方法。
- 特徴:
- 詳細な質問ができ、自由回答も収集しやすい
- 信頼性の高いデータを得やすい
- 調査員のスキルに左右される&コストが高い
- 主な活用例:
- 高齢者・専門職など特定層の意識調査
- 商品の使用感テスト
③ グループインタビュー(座談会)
- 概要:複数人を集め、特定のテーマについてディスカッションする方法。
- 特徴:
- 意見の深掘りができる(定量データだけでなく、理由や背景も収集可能)
- 参加者同士の意見の相互作用が得られる
- 少人数のため、データの代表性に欠ける
- 主な活用例:
- 新商品開発のアイデア収集
- 企業のブランドイメージ調査
このようにアンケート調査には、自記式(対象者が自分で回答)と他記式(調査員が記録)の2つの大きな方法があります。
Webアンケートはコスト効率が良く、短期間で大規模なデータを収集できますが、インターネット未利用者には不向きです。一方、対面や電話での調査は、信頼性の高いデータが得られますが、コストがかかります。調査の目的やターゲットに応じて、最適な方法を選択することが重要です。
Webアンケートの主な種類と調査方法
最近ではアンケートの主流は、Webアンケートになっています。そしてそんなWebアンケートには、目的や対象に応じたさまざまな調査方法があります。それぞれの特徴と、一般的な規模感や相場を解説します。

1. パネル調査(モニター調査)
概要
調査会社が保有する登録モニター(パネル)に対してアンケートを配信し、回答を集める方法。事前に属性情報が整備されているため、ターゲットを絞った調査が可能。
規模感
- 小規模(500~1,000人):簡単な市場調査
- 中規模(3,000~5,000人):トレンド分析、ブランド認知調査
- 大規模(10,000人以上):全国規模の意識調査
相場
- 1問あたり:200円~500円/回答
- 10問・1,000サンプル:20万円~50万円
- ボリュームディスカウントあり、大規模調査なら1回答100円程度に下がることも
2. 自社顧客アンケート(メール・SNS配信)
概要
企業が保有する顧客リストやSNSのフォロワーに向けてアンケートを実施する方法。顧客満足度調査やサービス改善のために利用される。
規模感
- 小規模(500~3,000人):特定のサービス利用者向け調査
- 中規模(5,000~10,000人):ブランドイメージ調査
- 大規模(10,000人以上):顧客満足度の全体分析
相場
- 無料(Googleフォームなどを活用)
- 調査会社を通じて分析を依頼する場合:30万円~100万円(高度な分析を含む場合)
3. オムニバス調査(共同調査)
概要
複数の企業が1つの調査に質問を持ち寄り、調査コストを分担する方法。大規模パネルを利用しながらコストを抑えられるのがメリット。
規模感
- 一般的に 1,000~3,000人規模 の回答者に対して実施
- 性別・年代・地域など基本属性でターゲティング可能
相場
- 1問あたり5万円~15万円(調査規模による)
- 10問程度で50万円~100万円
4. アクセスパネル調査(特定サイト訪問者向け)
概要
特定のWebサイトやアプリの訪問者にポップアップなどでアンケートを表示し、回答を集める方法。サイト訪問者の意識調査やユーザビリティテストに活用される。
規模感
- 小規模(1,000~3,000人):サイト改善のためのアンケート
- 中規模(5,000人~10,000人):Web広告の効果測定
- 大規模(10,000人以上):ECサイトのユーザー分析
相場
- 1問あたり100円~300円/回答
- 10問・5,000サンプルで50万円~100万円
5. インサイト調査(定性+定量調査)
概要
通常のアンケートに加え、自由回答やヒアリングなどを含めてユーザーの深い意識を探る調査。回答者には追加報酬が支払われることが多い。
規模感
- 小規模(30~100人):詳細インタビューを伴う調査
- 中規模(500~1,000人):自由回答を含む分析
- 大規模(3,000人以上):全体のトレンドを探る調査
相場
- 1回答あたり500円~2,000円(自由記述+追加ヒアリング)
- 10問・500サンプルで50万円~200万円
6. BtoB調査(企業向け)
概要
経営者や特定業種の専門職向けのアンケート。回答者が限られるため、コストが高め。
規模感
- 小規模(100~500人):特定業種向け市場調査
- 中規模(1,000~3,000人):業界トレンド調査
- 大規模(5,000人以上):業界全体の意識調査
相場
- 1回答あたり2,000円~10,000円(高額謝礼が必要)
- 10問・500サンプルで100万円~500万円
このように、一言でアンケート、といっても目的によって、また規模によってさまざまな選択肢があることがご理解いただけたと思います。選ぶ調査方法によって費用や日数も変わりますので、まずは直接問い合わせをして、見積もりや相談をされることをお勧めします。
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アンケート調査会社 料金まとめ
- アンケート調査の費用は調査目的や規模によって異なる
- インターネット調査の料金相場はサンプル数によって変動する
- 調査の基本料金には企画設計、対象者リクルート、回答収集が含まれる
- 相関分析や回帰分析などの高度なデータ分析には追加費用が必要
- インタビュー調査は調査員の手配や会場費が加算される
- 回答者への謝礼が高いほど回答率は向上するがコストが増す
- 海外調査は翻訳や現地調査パネル利用費が発生する
- 短納期の調査には特急対応の追加料金が必要
- Webアンケートはコスト効率が良く大規模調査に向いている
- 対面調査は信頼性が高いが調査員の人件費がかかる
- グループインタビューは意見の深掘りができるが代表性に欠ける
- パネル調査はモニターを活用し、ターゲットを絞った調査が可能
- オムニバス調査はコストを抑えながら大規模な回答を得られる
- アクセスパネル調査はWebサイト訪問者の意識調査に適している
- BtoB調査は経営者や専門職が対象で単価が高い
- 海外調査を行う場合は専門業者への依頼が推奨される