
仕様書翻訳の実務ガイド|shallとshouldの訳し分け方と用語統一のコツ
海外メーカーの技術仕様書を社内で検討したい。あるいは、自社の仕様書を海外の取引先に出すことになった。仕様書の翻訳は、いざ頼もうとすると何を基準に選べばよいのか分かりにくい領域です。
仕様書は、読み物ではありません。何を満たせば合格で、何を満たさなければ不合格かを定める文書です。訳語が一つ揺れるだけで、義務だったはずの条件が推奨に変わり、検収や責任範囲の解釈が動きます。
この記事では、仕様書翻訳で実際に問題になる論点を整理します。要求事項を表す助動詞の訳し分け、用語の一貫性の担保、改訂への対応、業界ごとの勘所、費用の決まり方までを扱います。技術文書の発注を初めて担当する方にも読める構成にしました。
- 仕様書翻訳が一般のビジネス翻訳と異なる3つの理由
- shallshouldmay の訳し分けと、誤ると何が起きるか
- 用語の一貫性と改訂管理を仕組みで担保する方法
- 仕様書翻訳の費用が決まる要素と、発注前に決めておくべきこと
仕様書翻訳が難しい3つの理由

仕様書の翻訳が難しいのは、専門用語が多いからではありません。責任範囲を定める文書であること、用語が1つ揺れると解釈が変わること、改訂が前提で複数の版が並走することの3点が、一般のビジネス翻訳との違いです。
理由1 読み物ではなく、合否を判定する基準である
仕様書は、製品や工事が要求を満たしているかを判定するための基準です。読んで理解してもらう文書ではなく、照合される文書だと言えます。
このため、訳文の自然さより、原文との1対1の対応が優先されます。読みやすさを優先して意訳すると、照合ができなくなります。
仕様書翻訳では、こなれた日本語がむしろ欠点になる場面があります。 一般のビジネス翻訳とは評価基準が逆になる点を、発注時に共有しておく必要があります。
理由2 用語が1つ揺れると、解釈そのものが変わる
同じ英単語が、章によって別の日本語になっている。仕様書ではこれが致命的です。
たとえば inspection を「検査」と訳した箇所と「点検」と訳した箇所が混在すると、実施義務のある行為が2種類あるのか、同じものなのかが判別できません。検収の場面で解釈が割れます。
文書全体で用語を統一する仕組みが要ります。翻訳者の記憶や注意力に頼る運用では、分量が増えた時点で破綻します。
理由3 改訂が前提で、複数の版が同時に動く
仕様書は改訂されます。設計変更、法改正、取引先からの指摘。そのたびに版が上がり、旧版を参照している関係者が残ります。
改訂のたびに全文を訳し直すと、費用が膨らむだけでなく、前の版と訳語が変わってしまう問題が起きます。差分だけを訳し、既訳部分を維持する運用が前提になります。
shallとshouldの訳し分けが仕様書翻訳の分かれ目

仕様書翻訳で最も事故が起きやすいのが、要求事項を表す助動詞の訳し分けです。shall は義務、should は推奨、may は許容を表し、それぞれ対応する日本語表現が規格で定められています。ここを揃えるだけで、仕様書翻訳の品質は大きく変わります。
規格が定めている対応関係
日本産業規格の作成方法を定めた JIS Z 8301(規格票の様式及び作成方法)では、要求事項推奨許容を表す表現が整理されています。なお同規格では、shouldの訳語として「すべきである」「すべきでない」は用いないと明記されている点に注意が必要です。規格の内容は日本産業標準調査会のJIS検索で確認できます。
| 英語 | 意味 | 対応する日本語表現 |
|---|---|---|
| shall | 要求事項(義務) | しなければならない |
| shall not | 禁止 | してはならない |
| should | 推奨 | することが望ましい/するのがよい |
| should not | 緩い禁止 | 望ましくない/しない方がよい |
| may | 許容 | してもよい |
| need not | 不要 | しなくてもよい |
| can | 可能性能力 | できる |
| cannot | 不可能 | できない |
この対応関係は、規格文書だけでなく技術仕様書全般で広く使われています。翻訳を発注する際は、この表を用語集に含めて渡すと確実です。
訳し分けを誤ると何が起きるか
shall を「することが望ましい」と訳すと、義務が推奨に格下げされます。受注側がその項目を実施せずに納品しても、翻訳された仕様書の上では違反になりません。
逆に should を「しなければならない」と訳すと、本来は任意だった項目が義務になります。過剰な仕様を満たすためのコストが発生し、見積もりが跳ね上がります。
いずれも、原文を読める人が検証しない限り気づきません。仕様書翻訳の事故は、納品時ではなく検収や紛争の場面で表面化します。
日本語の仕様書を英訳するときは逆方向の問題が起きる
日本語の仕様書には、義務なのか推奨なのかが曖昧な表現が混じります。「原則として〜する」「〜するものとする」「〜に留意する」といった書き方です。
これらをそのまま英訳すると、shall なのか should なのかを訳者が推測することになります。日本国内では通じていた曖昧さが、英文になった瞬間に責任範囲の不明確さとして現れます。
対処法は、翻訳前に原文側で意図を確認することです。翻訳会社から確認の質問が来る場合、それは品質管理が機能している証拠だと考えてください。
仕様書には種類があり、翻訳の勘所が変わる

仕様書とひとくくりにされますが、実務では性格の異なる文書が複数あります。どの種類なのかを伝えずに発注すると、想定と違う訳し方になる原因になります。
製品仕様書技術仕様書
製品の性能、寸法、材質、試験方法などを定める文書です。数値と単位、規格名が多く含まれます。
翻訳の勘所は、単位と規格名の扱いです。インチ表記を換算するか原文のまま残すか、ASTMやENの規格名に対応する国内規格があるかを、事前に方針として決めておきます。
共通仕様書特記仕様書
建設分野で使われる書式です。共通仕様書が工事全般に適用される標準的な取り決めを定め、特記仕様書が案件固有の条件を上書きします。
国内の公共建築工事では、国土交通省が公共建築工事標準仕様書を定めており、令和7年版が最新です。この体系を理解していない訳者が担当すると、共通と特記の優先関係が伝わらない訳文になります。
要件定義書機能仕様書
システム開発で使われる文書です。機能要件と非機能要件を分け、画面や処理の挙動を定義します。
翻訳の勘所は、システム用語と一般語の切り分けです。「登録する」「更新する」といった語は、画面上のボタン名と本文で訳語を揃える必要があります。UIの文言と仕様書の記述が食い違うと、開発と検証の両方で手戻りが出ます。
種類別の勘所の比較
| 仕様書の種類 | 主な内容 | 翻訳の勘所 |
|---|---|---|
| 製品仕様書技術仕様書 | 性能、寸法、材質、試験方法 | 単位の換算方針と規格名の扱い |
| 共通仕様書特記仕様書 | 工事全般の標準と案件固有の条件 | 共通と特記の優先関係を保つ |
| 要件定義書機能仕様書 | 機能要件、非機能要件、画面定義 | UI文言と本文の訳語を揃える |
| 検査仕様書試験仕様書 | 合否判定の基準と手順 | 判定条件の助動詞を厳密に訳す |
仕様書と契約書は何が違うのか

仕様書と契約書は、どちらも責任範囲を定める文書ですが、翻訳での扱いが異なります。契約書は法的効力を持つ文言そのものが対象で、仕様書は技術的な内容が対象です。
契約書の翻訳では、法域ごとの定型表現と、条項の構成が重視されます。技術内容よりも法律実務の知識が求められる領域で、法務法律翻訳サービスのように独立した専門分野として扱われるのが一般的です。
仕様書の翻訳では、技術的な正確さと用語の一貫性が中心になります。ただし、仕様書が契約書に添付されて契約の一部を構成する場合、仕様書の訳文も契約上の効力を持ちます。
契約に添付する仕様書は、技術翻訳と法務翻訳の両方の目線で確認する必要があります。 発注時にその位置づけを伝えてください。
用語の一貫性をどう担保するか

仕様書翻訳の品質は、訳者の能力より仕組みで決まります。用語集を先に作り、納品前に機械的に表記ゆれを検出する。この2点が揃っていれば、分量が増えても品質は落ちません。
用語集を翻訳の前に作る
翻訳を始めてから用語を決めると、前半と後半で訳語が変わります。着手前に用語集を作り、発注側の承認を得るのが基本です。
用語集に入れるべき項目は次のとおりです。
- 製品名、機能名、部材名などの固有名詞
- 社内独自の略語と、その正式表記
- 要求事項を表す助動詞の対応(shallshouldmay)
- 訳さずに原語のまま残す語(規格名、型番、商品名)
- 業界内で複数の訳語がある語と、採用する訳語
表記ゆれは機械的に検出する
用語集を作っても、実際に守られているかは別問題です。納品前に、用語集と訳文を突き合わせて違反を検出する工程を入れます。
この工程を人の目視に頼っている会社と、ツールで機械的に確認している会社では、分量が増えたときの品質差が出ます。品質管理の考え方についてはISO 17100が、翻訳者とは別の担当者による確認工程を要件として定めています。
改訂と版管理にどう対応するか

仕様書翻訳では、初回の翻訳より改訂対応のほうが総量が多くなります。最初の依頼時点で改訂の扱いを決めておくと、2回目以降の費用と納期が下がります。
差分翻訳を前提にする
改訂版が届くたびに全文を訳し直す必要はありません。旧版と新版を比較して変更箇所だけを抽出し、その部分だけを翻訳します。
この運用には条件があります。旧版の訳文が手元に残っていること、そして原文が機械的に比較できる形式であることです。PDFで受け取った仕様書がスキャン画像の場合、この比較ができません。
版の対応関係を明示する
訳文には、どの版を訳したものかを明記します。日本語版だけが独り歩きして、旧版を参照した判断が行われる事故を防ぐためです。
社内で複数の部署が参照する場合は、版数と改訂日を訳文の表紙または各ページに入れる運用が確実です。
改訂履歴も翻訳対象に含める
仕様書の改訂履歴には、何がなぜ変わったかが書かれています。ここを省略すると、変更の背景が分からないまま新版だけが渡されることになります。
費用を抑えるために本文だけを訳す判断はあり得ますが、改訂履歴は短い割に情報価値が高い部分です。優先して含めることをおすすめします。
AI翻訳で仕様書はどこまで訳せるか

仕様書はAI翻訳との相性が比較的よい文書です。文章として書かれている部分が多く、表現も定型的だからです。ただし、要求事項の助動詞と用語の一貫性については、そのままでは信頼できません。
AI翻訳が実用になる部分
- 背景、目的、適用範囲といった説明的な記述
- 手順や方法を述べた文章
- 用語集を登録できるツールでの、固有名詞と製品名の統一
- 全体像を把握するための社内確認用の粗訳
文書全体の構造が保たれ、内容の概要をつかむ用途であれば十分に機能します。ツールの選び方は翻訳精度が高いツールの選び方でも整理しています。
AI翻訳が信頼できない部分
- 要求事項の助動詞:shall と should を文脈で訳し分ける保証がなく、同じ語が箇所によって別の日本語になる
- 用語の一貫性:長い文書では、前半と後半で同じ語の訳語が変わる
- 単位と規格名:換算するか原文のまま残すかを判断できない
- 曖昧な原文の解釈:日本語仕様書の「〜するものとする」を、義務と推奨のどちらで訳すか決められない
- 改訂の差分:旧版の訳語を維持する仕組みを持たない
使い分けの比較
| AI翻訳 | 一般の翻訳会社 | 技術文書対応の翻訳 | |
|---|---|---|---|
| 説明的な文章 | 実用水準 | 高精度 | 高精度 |
| 要求事項の訳し分け | 保証されない | 事前指示が必要 | 規格に沿って統一 |
| 用語の一貫性 | 長文で崩れる | 用語集があれば可 | 仕組みで担保 |
| 改訂の差分対応 | 不可 | 対応可 | 旧版の訳文を引き継いで対応 |
| 向いている用途 | 社内確認用の粗訳 | 一般の技術文書 | 契約検収に使う仕様書 |
社内で内容を把握するだけならAI翻訳で足ります。検収や契約の判断に使う仕様書であれば、専門の翻訳が必要になります。
業界別に見た仕様書翻訳の注意点

仕様書翻訳の勘所は業界によって変わります。自社がどの業界に当たるかで、確認すべき点が違います。
建設プラント
共通仕様書と特記仕様書の優先関係、公共工事の書類体系、図面との整合が論点になります。仕様書だけを訳しても、図面側の用語と食い違えば現場で混乱します。
図面と仕様書をまとめて同じ用語集で管理できる体制かどうかを確認してください。国内の公共工事では電子納品の要領と基準によって成果物の構成が定められており、提出物の形式にも制約があります。
製造機械
単位の換算方針、材料規格の対応、試験方法の記述が中心です。図面と部品表が付随する場合が多く、型番と部材名の統一が重要になります。
海外規格に対応する国内規格が存在しない場合の扱いを、事前に決めておく必要があります。
ITソフトウェア
UI文言と仕様書本文の整合、機能要件と非機能要件の区別が論点です。画面のラベルと仕様書の記述が食い違うと、開発と検証の両方で手戻りが出ます。
開発が進行中の場合、仕様書と実装が同時に動きます。翻訳の納期を開発工程のどこに置くかを決めておかないと、訳し終えた時点で内容が古くなります。
医療機器医薬
規制対象の文書が含まれるため、用語が公的に定められている場合があります。訳語を自由に選べない領域だと理解してください。
提出先の規制当局が指定する用語や様式に従う必要があり、一般的な技術翻訳とは要件が異なります。対応分野の実績は翻訳サービスの実績のような一覧で確認できます。
仕様書翻訳の費用と納期の考え方

仕様書翻訳の費用は、文字数またはワード数を基本に、用語集の作成と改訂対応の範囲が加わる構造です。図面翻訳と違い、レイアウト調整の比重は小さくなります。
課金の基本
日本語を起点とする場合は文字数、英語を起点とする場合はワード数で計算します。仕様書は文章主体のため、この計算がそのまま総額に近くなります。
初回は用語集の作成工数が加わりますが、二回目以降はこの分が不要になります。
費用が膨らむ条件と抑える条件
費用が膨らむのは次の場合です。
- 原文がスキャンPDFで、テキストとして扱えない
- 用語集がなく、訳語の判断に確認の往復が発生する
- 原文の記述が曖昧で、意図の確認に時間がかかる
- 改訂のたびに全文を訳し直している
- 図表が多く、図中の文字の差し替えが必要になる
費用を抑えられるのは次の場合です。
- 編集可能な原文データを渡せる
- 用語集と過去の訳文を提供できる
- 改訂は差分だけを依頼する運用にしている
- 社内確認用と対外提出用で品質水準を分けている
- 全文ではなく、判断に必要な章に絞って依頼する
二回目以降の費用を決めるのは、初回に用語資産を残したかどうかです。 単価の交渉より効果があります。
発注前に決めておくべきこと

仕様書翻訳の見積もりは、条件が揃っていないと概算しか出せません。次の項目を整理してから依頼すると、金額と納期の精度が上がります。
初めて仕様書翻訳を発注する場合
初回は、次の3点だけ決まっていれば依頼できます。
- 訳文の用途(社内確認か、検収や契約の判断に使うか)
- 原文のデータ形式(編集可能なデータか、スキャンPDFか)
- 全文が必要か、判断に必要な章だけでよいか
1点目が最も重要です。社内確認が目的ならAI翻訳と部分的な確認で足りる場合があり、費用が大きく変わります。
継続的に発注している場合
- 用語集を納品物に含め、自社に蓄積する
- 要求事項の助動詞の対応表を用語集に明記する
- 改訂対応を差分ベースの運用に切り替える
- 原文側の曖昧な表現を、社内の執筆ルールとして整理する
4点目は翻訳の話ではありませんが、効果が大きい項目です。原文が明確であれば、翻訳の確認往復が減ります。
発注前のチェックリスト
- 訳文の用途と、求める品質水準
- 原文のデータ形式と、編集の可否
- 用語集の有無、過去の訳文の有無
- 契約書に添付するかどうか
- 改訂対応をどこまで含めるか
- 用語集を納品物に含めるか
- 機密保持契約の要否
- 図表内の文字を翻訳対象に含めるか
仕様書翻訳のよくある質問

- 費用はどのように決まりますか
-
日本語起点なら文字数、英語起点ならワード数を基本に、用語集の作成工数と改訂対応の範囲が加わります。仕様書は文章主体のため、翻訳料金が総額の大半を占めます。初回は用語集の作成分が上乗せされますが、2回目以降はその分が不要になります。継続案件では初回に用語資産を残すことが総額を左右します。
- shallとshouldは必ず訳し分ける必要がありますか
-
検収や契約の判断に使う仕様書であれば必須です。shall は義務、should は推奨を表し、訳し分けを誤ると責任範囲が変わります。shall を「望ましい」と訳せば義務が消え、should を「しなければならない」と訳せば過剰な仕様を満たすコストが発生します。社内で内容を把握するだけの粗訳であれば、そこまで厳密に扱わない判断もあり得ます。
- AI翻訳と専門の翻訳会社では何が違いますか
-
説明的な文章の精度は、どちらも実用水準です。差が出るのは要求事項の助動詞の訳し分け、長い文書での用語の一貫性、改訂時に旧版の訳語を維持する仕組みの3点です。AI翻訳は同じ語が箇所によって別の訳語になることを防げません。社内確認ならAI翻訳、検収や契約に使うなら専門の翻訳という使い分けが現実的です。
- 仕様書と契約書はまとめて依頼できますか
-
依頼できますが、求められる知識が異なります。契約書は法域ごとの定型表現と条項構成の知識が中心で、仕様書は技術的な正確さと用語の一貫性が中心です。仕様書を契約書に添付して契約の一部とする場合は、技術翻訳と法務翻訳の両方の目線で確認する必要があります。その位置づけを発注時にお伝えください。
- 改訂のたびに全文を訳し直す必要がありますか
-
必要ありません。旧版と新版を比較し、変更箇所だけを翻訳する運用が可能です。条件は、旧版の訳文が残っていることと、原文が機械的に比較できる形式であることの2点です。スキャンしたPDFでは比較ができないため、編集可能なデータで受け取る運用にしておくことをおすすめします。
- 原文の日本語が曖昧な場合はどうなりますか
-
翻訳会社から確認の質問が入ります。「原則として〜する」「〜するものとする」といった表現は、義務と推奨のどちらなのかが英文では明示されるため、推測で訳すと責任範囲が変わってしまうためです。確認の往復は納期に影響しますが、品質管理が機能している証拠でもあります。事前に社内で意図を整理しておくと、往復が減ります。
- 用語集は自社で用意する必要がありますか
-
あれば品質と納期が改善しますが、必須ではありません。用語集がない場合は、翻訳会社が原文から候補を抽出して案を作り、発注側が承認する進め方が一般的です。重要なのは、完成した用語集を納品物として受け取っておくことです。手元に残らないと、翻訳会社を変えたときにゼロから作り直しになります。
仕様書翻訳と技術文書の翻訳を成功させるためのまとめ

- 仕様書は読み物ではなく合否を判定する基準であり、訳文の自然さより原文との対応が優先される
- shall は義務、should は推奨、may は許容にあたり、JIS Z 8301が対応する日本語表現を定めている(shouldは「することが望ましい」等を用い、「すべきである」は使わない)
- 訳し分けを誤ると、義務が推奨に格下げされたり、任意の項目が義務になったりして責任範囲が変わる
- 日本語仕様書の「〜するものとする」のような曖昧な表現は、英訳の段階で意図の確認が必要になる
- 用語の一貫性は訳者の注意力ではなく、用語集と機械的な検出の2点で担保する
- 改訂は差分翻訳を前提にし、旧版の訳語を維持する仕組みを最初に用意する
- AI翻訳は説明的な文章には実用水準だが、助動詞の訳し分けと用語の一貫性は保証されない
- 2回目以降の費用を決めるのは単価ではなく、初回に用語集を自社に残したかどうか
- 仕様書や技術文書の翻訳についてお困りの際は、アットグローバルにご相談ください。


